第5号 平成22年2月26日 配信

内閣府仕事と生活の調和推進室
Office for Work-Life Balance, Cabinet Office, Government Of Japan


発行: 内閣府 仕事と生活の調和推進室

■□ カエル! ジャパン通信 Vol.5 □■

2010年2月26日 発行

  今回のテーマは先月に引き続き、『改正育児・介護休業法』です。

  少子化対策の観点から、喫緊の課題となっている仕事と子育ての両立支援等を一層進めるためには、男女ともに子育て等をしながら働き続けることができる雇用環境の整備が重要となります。

  昨年、「育児休業・介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)」が改正され、一部を除き今年の6月30日*に施行されます。

* 常時100人以下の労働者を雇用する企業においては、「短時間勤務制度の義務化」「労働者から請求があった場合の所定外労働の免除の義務化」「介護休暇」は、2012年6月30日(予定)まで適用が猶予されます。

  今回の改正により、男女ともに子育て等をしながら働き続けることができる雇用環境を整備し、仕事と子育ての両立支援等を一層進めることを目指しています。

  今月は、この度の育児・介護休業法の改正に関するご質問をQ&A形式で解説します。是非ご参考にしてください。


≪目次≫

★≪改正育児・介護休業法について part.2≫
改正育児・介護休業法についてのQ&A

★≪統計・調査トピックス≫
内閣府 平成22年
「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)と最近の経済情勢の影響に関する意識調査」

★≪最新情報≫
子ども・子育てビジョン【内閣府】

★≪改正育児・介護休業法について part.2≫

◎改正育児・介護休業法についてのQ&A

  今回は、施行が間近に迫っている改正育児・介護休業法に関してのご質問を、Q&A形式で解説します。

短時間勤務関係

Q.「短時間勤務制度」が利用できる労働者は具体的にどのような人ですか。また、事業主はこの制度をどのように定めればよいですか?

A.短時間勤務制度の対象は、次のすべてに該当する方です。
  1. 3歳に達するまでの子を養育する労働者であること。
  2. 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと。
  3. 日々雇用される者でないこと。
  4. 短時間勤務制度が適用される期間に現に育児休業をしていないこと。
  5. 労使協定により適用除外とされた労働者でないこと。
    (例:雇用期間が1年未満の労働者、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者など)
事業主が定める短時間勤務制度の内容は、1日の所定労働時間を原則として6時間(1日5時間45分から6時間までは許容する)とする措置を含むものとしなければなりません。
また、例えば、1日の所定労働時間を7時間とする措置や、隔日勤務等の所定労働日数を短縮する措置など所定労働時間を短縮する措置を、1日の所定労働時間を6時間とする措置とあわせて措置することも可能です。

所定外労働の免除関係

Q.「所定外労働(残業)免除制度」が利用できる労働者は具体的にどのような人ですか。また、労働者から請求があった場合に、事業主はどのような対応をすべきでしょうか。

A.次のすべてに該当する方が希望すれば、所定外労働(残業)を免除することができます。
  1. 3歳に達するまでの子を養育する労働者であること。
  2. 日々雇用される者でないこと。
  3. 労使協定により適用除外とされた労働者でないこと。(雇用期間が1年未満の労働者、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者)
労働者から、所定外労働(残業)免除の請求があった場合は、事業主は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、所定労働時間を超えて労働させてはなりません。
「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するか否かは、その労働者の所属する事業所を基準として、その労働者の担当する作業の内容、作業の繁閑、代替要員の配置の難易等諸般の事情を考慮して客観的に判断することとなります。
また、事業主は、所定外労働の免除については、労働者がこれを容易に受けられるようにするため、あらかじめ制度が導入され、規則が定められるべきものであることに留意してください。

パパ・ママ育休プラス関係

Q.パパ・ママ育休プラスとはどのような内容の制度で、どのような労働者を対象としていますか?

A.パパ・ママ育休プラスとは、父親の育児休業の取得促進を図る観点から、両親ともに育児休業をした場合、育児の対象となる子の年齢が、原則1歳から原則1歳2か月まで延長されるという制度です。
ただし、育児休業が取得できる期間(女性の場合は、出生日以後の産前・産後休業期間を含む。)については、これまでどおり、1年間となります。
ノルウェー、スウェーデン、ドイツ等において「パパ・クォータ制」「パパの月」と呼ばれる制度と類似の制度です。
特例の対象となるためには、配偶者が子の1歳到達日以前のいずれかの日において育児休業をしていることが要件となります。ただし、以下の育児休業については特例の対象となりません。
  1. 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳到達日の翌日後である場合。
  2. 本人の育児休業開始予定日が、配偶者がしている育児休業の初日前である場合。

Q.パパ・ママ育休プラスの対象を、男性労働者に限定しても構いませんか?

A.男性労働者のみを対象とすることはできません。パパ・ママ育休プラスの要件を満たす場合には、男女とも1歳2か月まで育児休業を取得できます。

育児休業関係

Q.父親等が出産後8週間以内に育児休業を取得した場合、再度育児休業を取得することが可能となったようですが、具体的にはどういうことなのですか?

A.改正前は、育児休業を取得した場合、配偶者の死亡等の特別な事情がない限り、再度の取得はできないとされていましたが、改正後は、配偶者の出産後8週間以内の期間内にされた最初の育児休業については、特別な事情がなくても、再度の取得が可能となります。
出産後8週間以内に育児休業した場合の育児休業再度取得の特例の対象となるためには、原則として出生日から8週間後までの間となりますが、・出産予定日前に子が生まれた場合は、出生日から出産予定日の8週間後まで、・出産予定日後に子が生まれた場合は、出産予定日から出生日の8週間後まで、となります。
(例)4月1日(水)が出産予定日である場合に、3月25日(水)に子が出生した場合
⇒ 特例期間は、3月25日(水)から5月27日(水)までとなります。

改正育児・介護休業法について、より詳しい情報はコチラから
-http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/07/tp0701-1.html


★≪統計・調査トピックス≫

  今回のテーマに関連して、男性の仕事と家庭に関する調査結果などを紹介します。

◎「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)と最近の経済情勢の影響に関する意識調査」 内閣府 平成22年2月

●昨年12月に、全国の20歳以上60歳未満の男女2,500人を対象に、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」の認知度や、1年前と比較した生活時間、収入、生活満足度の変化などについて、意識調査を行いました。

●「ワーク・ライフ・バランス」の「言葉も内容も知っている」人の割合は過去の調査と比較して増加しましたが、依然として2割弱にとどまっています。一方、「言葉を聞いたことがある」人の割合は5割を超えました。

●経済情勢悪化の影響等により1年前と比較して仕事時間が減少した人の約6割で生活満足度が低下しています。この背景には収入の減少があると考えられます。

●一方、「組織全体として」「自ら努力して」など、「主体的な要因」により仕事時間を減らしたり、仕事時間減少の代わりに家族との時間を増やした人では、生活満足度が向上した人の割合が全体と比較すると高くなっています。ワーク・ライフ・バランスの改善が生活満足度の向上に結びついた人も一部にはいたことが分かりました。しかし、そうした人は、全体の中では少数にとどまっており、ワーク・ライフ・バランスの一層の浸透が必要と考えられます。

仕事時間が減少した人のうち生活全般の満足度が向上した人の割合 12.6%
「主体的な要因」で仕事時間が減少した人のうち、生活全般の満足度が向上した人の割合 22.2%
仕事時間が減少した代わりに家族団らんの時間が増加した人のうち、生活全般の満足度が向上した人の割合 29.2%

*調査対象:全国20歳以上60歳未満の男女 2,500人(地域別・性年代別人口構成比で割付)
調査方法:調査会社の登録モニターに対するインターネット調査
調査期間:平成21年12月18日~12月22日

-https://wwwa.cao.go.jp/wlb/research.html#re


◎「企業における仕事と子育ての両立支援に関する調査研究報告書」
(財)こども未来財団 平成20年2月
●男性が末子誕生時になんらかの休暇を取得した人は約55%で、ほとんどが1週間以内で仕事に復帰。
末子誕生時の男性の育児休業や年次休暇等の取得状況は、取得した又は取得中が54.8%と過半数を超えていますが、取得した休暇・休日日数は、3日以内が83.7%、4日以上7日以内が14.3%であり、8日以上取得した人は2.0%にとどまっています。
また、育児休暇を利用した(している)人は7.0%、年次休暇を利用した(している)人は56.5%、その他の休暇制度を利用した(している)人が36.3%となっています。

●育児休暇・休業を取得してよかったことについて、女性では、子育てに関するものが上位であるのに対して、男性では、家族関係に関するものが上位。
育児休暇・休業を取得してよかったことについて複数回答で質問をしたところ、女性では、「子育てに安心して取り組むことができた」(79.7%)、「子育ての楽しさが実感できた」(63.3%)が多く、子育てに関するものが上位を占めたのに対して、男性では、「家族との時間を楽しめた」(46.4%)、「夫婦の信頼関係が深まった」(41.2%)といった家族関係に関するものが上位を占めています。

*調査対象 :未就学の子をもつ正社員の男女(男性 1,228人 女性 1,276人)
調査方法 :インターネット上でのモニター調査

-http://www.kodomomiraizaidan.or.jp/houkoku/index.html

★≪最新情報≫

★取組施策紹介★
◇子ども・子育てビジョン【内閣府】
今後の子育て支援の方向性についての総合的なビジョンを策定しました(平成22年1月29日閣議決定)
- https://www8.cao.go.jp/shoushi/vision/index.html

★イベント情報★
◇在宅ワークシンポジウム 2010
~広げよう! 在宅ワーク・ネットワーク~【厚生労働省】
開催日時:2010年3月11日(木) 13:00~16:00
開催場所:ベルサール飯田橋

★調査結果紹介★
◇「企業参画型の子育て支援事業」に関する取組状況等調査(中間報告)
【内閣府】 「企業参画型の子育て支援事業」の取組状況や推進に当たっての課題等を整理し、今後の取組の一層の推進に役立てるために自治体・企業・国民に対して実施した調査の中間報告です。
-https://www8.cao.go.jp/shoushi/cyousa/cyousa21/kigyousanka/index_pdf.html

◇働き方とワーク・ライフ・バランスの現状に関する調査【東京大学】
首都圏に居住する企業従業員を対象に、・「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」実現度について、・労働時間について、・両立支援策の導入、活用に関する認識について、・「WLB満足」を規定する職場の要因について調査するとともに、ワーク・ライフ・バランス推進に関する5つの提言をまとめています。
-http://wlb.iss.u-tokyo.ac.jp/survey_results_j.html

★取組解説★
◇マンガ「あなたの会社、女性が安心して働き続けられますか?」第5話
【(財)女性労働協会】
「女性にやさしい職場づくりナビ」で連載しています。
-http://www.bosei-navi.go.jp/comic/

★公募案内紹介★
◇平成22年度 「均等・両立推進企業表彰」候補企業の公募について
【厚生労働省】
応募受付期間は2010年3月31日までです。是非ご応募下さい。
-http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000033ox.html

≪編集後記≫

メルマガ第4号から2回にわたり、改正育児・介護休業法について特集しました。
育児と介護、両方とも大事なテーマだな…と、ふと、これからの自分の人生を考えるきっかけになりました。
ただ、育児の前にはまず結婚。。。
婚活に励むとともに、将来は素敵なイクメン・カジメン・ジェントルメンになれるよう、日々精進します! (TH)

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地方公共団体でのワーク・ライフ・バランス推進の取組事例を募集します

●地方公共団体で、ワーク・ライフ・バランス推進のためにどのような取組を進めているか、取組事例を募集します。
取組のきっかけや実績、効果など、ひと工夫した事例、ユニークな事例を含めてお寄せください。
いただいた事例は、仕事と生活の調和推進室において内容を確認させていただき、今後、メールマガジン等でご紹介させていただきます。
この機会に、取組を全国に向けてアピールしてみませんか?
※事例の締切りは当面ありませんので、随時ご応募ください。
また、紹介時期のご指定についてはお受けできませんので、あらかじめご了承ください。

取組事例のご応募はこちらから
https://form.cao.go.jp/wlb/opinion-0001.html
※ご記入の際は、冒頭に必ず【取組事例応募】と明記して、ご記入ください。

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内閣府 男女共同参画局 仕事と生活の調和推進室
法人番号:2000012010019