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第10号 平成22年07月30日 配信

内閣府仕事と生活の調和推進室
Office for Work-Life Balance, Cabinet Office, Government Of Japan


発行: 内閣府 仕事と生活の調和推進室
■□ カエル! ジャパン通信 Vol.10 □■
2010年7月30日 発行

今回のテーマは、『休暇』です。


仕事と生活の調和を促進するためには、労働者が健康を保持しながら労働以外の生活のための時間を確保して働くことができるよう労働環境を整備することが重要な課題となります。
 そのためには、心身ともにリフレッシュできる休暇が重要です。


そこで、今月は休暇に関する取組・施策の紹介を通じて、休暇のあり方について考えてみたいと思います。


≪目次≫

★≪取組・施策紹介 Vol.5≫
 「フランスと日本の休暇制度」

★≪統計・調査トピックス≫
 内閣府 2009年 「国民生活に関する世論調査」 他

 ◇平成22年度 パンフレット
 「応援します!在宅ワーク」【厚生労働省】 他

★≪取組・施策紹介 Vol.5≫

「フランスと日本の休暇制度」


◎フランスの取組・施策
 数週間にも渡る長期休暇と言うと、日本ではあまり馴染みがありませんが、フランスでは、労働者の権利として毎年長期休暇が付与されています。フランスは休暇先進国であり、既に1930年代には全ての労働者が毎年連続2週間の有給休暇を付与される、通称「バカンス法(正式名称:マティニョン法)」と呼ばれる法律が定められていました。それ以後、有給休暇の付与日数は時代を追うごとに増え、1982年に現在の水準である年5週間の有給休暇が付与されるよう定められました。
 今回はそんなフランスが、休暇の取得促進のために行っている取組・施策を紹介します。

● フランスの有給休暇制度
フランスの法律では、従業員の有給休暇の管理は雇用主が責任を持って行うことと定められています。そのため、有給休暇を消化しない従業員に対して、雇用主は強制的に有給休暇を消化させる措置を施さなければなりません。フランスにおける有給休暇制度の具体的な特徴は以下の通りです。

◇年間の法定有給休暇は5週間
労働者は年間5週間(就業日ベースで30日間、労働日ベースで25日間)の有給休暇を取得する権利を持っています。この権利は通常、同じ雇用主の元で10日以上働いた者に付与されるものですが、期限付きの契約労働者や派遣労働者は例外で、1日から有給休暇獲得権利が発生します。

◇有給休暇取得日程は雇用主が決める
雇用主には、毎年3月1日までに、従業員代表に対して有給休暇取得のガイドラインを報告する義務があります。また、休暇シーズンの1ヶ月前までに、従業員に対して、従業員の家族構成を考慮に入れた有給休暇取得計画を通達しなければなりません。
この制度は、従業員の有給休暇の取得にあたって、企業の経営状況を考慮出来る点で雇用主に有利な一方で、有給休暇取得計画の作成を雇用主の義務とすることで、従業員は確実に有給休暇を取得することができ、双方共にメリットがある制度であると言えます。
その一方で、取得できなかった有給休暇を次の年に「持ち越す」ことは原則として認められず(例外については後述の「休暇積立口座制度」をご参照ください)、退職時に「有給休暇手当」として支給しなければなりません。このように、労働者にとっては権利である有給休暇ですが、雇用主にとっては、取得させる義務を負う性格を持っています。

◇5月1日から10月31日の間に4週間の休暇
5月1日から10月31日の間を有給休暇の法定取得期間と定め、この期間内に4週間、残りの半年の期間に1週間の有給休暇を消化しなければなりません。
また、法定取得期間に取得する4週間の有給休暇のうち、2週間は連続した休暇である必要があります。
万が一、法定取得期間内に従業員に4週間の休暇を取得させることができなければ、法定取得期間外に取得した休暇の日数に応じて、追加の有給休暇を与えなければなりません。

フランスの有給制度については、ジェトロ・パリセンターのフランスの労務関連情報「有給休暇」で見ることができます。ぜひご覧ください。


● 「サバティカル休暇制度」
「サバティカル休暇」とは、長期間勤続者を対象に与えられる長期休暇であり、欧州を中心に導入されている制度です。フランスにおける「サバティカル休暇」の特徴は以下の通りです。

◇最長11ヶ月の長期休暇制度
フランスの労働者は、勤務する企業における勤務年数が3年以上であり、かつ通算の勤務年数が6年以上であること、また過去6年間に当該企業において同制度を利用していないことを条件に、6~11ヶ月の長期休暇を取得することができます。

◇「休暇積立口座制度」
フランスの「サバティカル休暇」は、一般的に無給であるため、利用者はあまり多くありませんでした。そこで2003年に導入されたのが、「休暇積立口座制度」です。年間最大で22日の有給休暇を積み立てることができ、原則2ヶ月以上の休暇取得の際に、給与補償として充てることができる制度です。この制度を実施するためには、企業ごとまたは産業ごとに労使協定を締結する必要があります。

フランスの「サバティカル休暇」制度については、(独)労働政策研究・研修機構の「ワーク・ライフ・バランスの取組の国際動向」で見ることができます。ぜひご覧ください。



● 研修休暇制度
◇「個人研修休暇」
フランスの労働者は、所属する企業における勤務年数が12ヶ月以上であり、かつ通算の勤務年数が24ヶ月以上であること等を条件に、有給の休暇を取得し、職業教育訓練に参加することができます。この教育訓練の参加は、資格取得や職能向上、転職・転業を目的としており、被用者自身が決定します。

◇「職業経験認定休暇」
フランスには、低学歴(無学歴)労働者のエンプロイアビリティ(“雇用され得る能力”)を高めることを目的として、職業経験を資格の形で認定する制度があります。資格認定対象分野において、3年以上の職業経験を有することが条件であり、試験あるいは試験準備を目的に、24時間を限度として有給の休暇を取得することができます。

フランスの研修休暇制度については、(独)労働政策研究・研修機構の「フランスの失業保険制度と職業訓練政策-Welfare to Workの観点から-」で見ることができます。ぜひご覧ください。



◎日本の取組・施策 ~年次有給休暇の計画的付与制度~
 日本社会において、年次有給休暇は最も身近な休暇の一つですが、その取得率は47.4%と低く(平成21年就労条件総合調査)、フランスや他の欧米諸国と比較して、依然低いとされています。年次有給休暇の取得率を高めるため様々な取組が行われておりますが、その一つとして、年次有給休暇の計画的付与制度(労働基準法第39条第6項)の活用があります。同調査では、年次有給休暇の計画的付与制度を導入している企業は、導入していない企業に比べ、年次有給休暇の取得率が8.6%高いという結果が出ています。
 そこで、ここでは、年次有給休暇を取得しやすい職場環境につながる、年次有給休暇の計画的付与制度についてご紹介します。

● 年次有給休暇の計画的付与制度とは
労使協定を結ぶことを条件に、年次有給休暇のうち、5日を越える分を、計画的に休暇取得日に割り振ることができる制度のことをいいます。
年次有給休暇の日数のうち5日は、個人が病気、その他の個人的理由により自由に取得ができる日数として必ず残しておかなければなりません。

● 年次有給休暇の計画的付与制度の活用例
8月のお盆や年末年始の休暇に計画的付与の年次有給休暇を組み合わせたり、暦の関係で休日が飛び石となっている場合に、休日と休日の間に計画的に年次有給休暇を付与したりすることにより、大型連休とすることができます。
この他、休暇の取得に対する職場の理解を得やすくするため、あらかじめ決まっている従業員の記念日等に、年次有給休暇を計画的に付与する活用例もあります。

年次有給休暇の計画的付与制度の活用については、「労働時間等見直しガイドライン」のパンフレット「年次有給休暇の計画的付与制度」をご覧ください。


● 年次有給休暇の計画的付与制度の導入を促す主な施策
◇「労働時間等見直しガイドライン」(労働時間等設定改善指針)
2006年3月31日に制定されたこのガイドラインは、年次有給休暇等に関する事項について、労働者の生活と健康に配慮するとともに、多様な働き方に対応したものへと改善するために、事業主等が取り組むべき事項を定めたものです。
その中で、年次有給休暇の計画的付与制度の活用を図ることとあり、また、2010年3月に行われた本ガイドラインの改正では、当該制度の活用を図る際、連続した休暇の取得促進に配慮するとともに当該制度の導入に向けた課題及び解決策について検討することが追加されました(同年4月1日から適用)。

上記の「労働時間等見直しガイドライン」については、こちらをご覧ください。


◇「職場意識改善助成金制度」
年次有給休暇の計画的付与制度を導入したうえで、一定の条件を満たした中小企業の事業主は、この助成金が増額されて受給できます。
(当該助成金の申請書の締切は毎年7月末日となっております)

「職場意識改善助成金制度」の詳細については、こちらをご覧ください。


★≪統計・調査トピックス≫

今回のテーマである「休暇」に関連した調査を紹介します。


◎「国民生活に関する世論調査」 内閣府 2009年

● 約3割の人が、日頃の生活でゆとりがないと感じている
日常の生活の中で、休みなど時間のゆとりがあるかという質問に対し、「ゆとりがある(「かなりゆとりがある」と「ある程度ゆとりがある」を   合算)」と回答した人の割合は66.6%、「ゆとりがない(「あまりゆとりがない」と「ほとんどゆとりがない」を合算)」と回答した人の割合は33.2%となっています。「ゆとりがない」と回答した人の職業を見てみると、「販売・サービス・保安職(46.2%)」、「管理・専門技術・事務職(43.7%)」の順で高くなっています。

● 収入より自由時間を増やしたいと思う人は、約3割
収入と自由時間のうち、どちらをより増やしたいかという質問に対し、「自由時間をもっと増やしたい」と答えた人の割合は全体の3割、一方で「収入をもっと増やしたい」と答えた人の割合が半数となっています。職業別では、「自由時間をもっと増やしたい」と感じている人が多いのは、「管理・専門技術・事務職(43%)」、「農林漁業職(42.3%)」の順で高くなっています。

*調査対象 :全国20歳以上の男女 10,000人
調査方法 :個別面接聴取法
有効回答回収率:62.5%(6,252人)
- http://www8.cao.go.jp/survey/h21/h21-life/index.html


◎「第5回 勤労生活に関する調査」 労働政策研究・研修機構 2007年

● 全体の8割弱が、「休暇を取りやすいこと」が望ましい働き方にとって重要であると考えている
望ましい働き方として「重要である(「重要である」と「やや重要である」を合算)」と考えた人の割合は、「休暇を取りやすいこと(76.3%)」、「作業の量や進め方を自分で決められること (60.5%)」、「休日が多いこと(54.5%)」、「一日の就業時間が短いこと(52.5%)」の順に高くなっています。
 このうち、最も高かった「休暇を取りやすいこと」が「重要である」と答えた人の割合は、男性の場合は30代が最も高く、女性の場合は40代が最も高くなっています。

● 自分や家族が病気やけがをしたときのために休暇を残しておきたいと考えるのは全体の7割以上
勤務先で「休暇を取る場合に予想されること(「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」を合算)」として、多くの人が答えた事柄は、「自分や家族が病気やけがをしたときのために、休暇は残しておいた方がよい(74.9%)」、「休暇を取ると職場の同僚に迷惑をかける(64.2%)」、「休暇を取ると仕事が予定通り進まなくなる(50.9%)」となっています。
 このうち、「自分や家族が病気やけがをしたときのために、休暇は残しておいた方がよい」と答えた人の割合は、男性では40代が最も高く、女性では20代が最も高くなっています。

*調査対象 :20歳以上の男女 4,000人
調査方法 :訪問面接法
有効回答回収率:57.9%(2,315人)
- http://www.jil.go.jp/institute/research/2008/041.htm


◎「平成21年就労条件総合調査」 厚生労働省 2009年

● 企業の年間休日は、平均で105.6日
年間休日総数の1企業平均は105.6日となっています。企業規模別にみると、「1,000人以上の企業(116.1日)」、「300~999人の企業(112.4日)」、「100~299 人の企業(109.8日)」、「30~99人の企業(103.5日)」となっており、大企業である程、年間の休日日数が多いと言えます。

● 労働者が取得する年次有給休暇は年平均8.5日
企業が付与した1年間の年次有給休暇日数は労働者1人あたり18日(前年17.6日)で、そのうち実際に取得された日数は8.5日(同8.2日)となっており、取得率は47.4%(同46.7%)となっています。前年より取得日数、取得率とも微増しています。
 これを企業規模別にみると、「1,000人以上の企業」10.6日(53.7%)、「300~999人の企業」7.9日(44.1%)、「100~299 人の企業」7.9日(46%)、「30~99人の企業」6.5日(40%)となっており、年間休日日数と同じく、大企業である程、年次有給休暇の取得率も高いことが見受けられます。

*調査対象 :日本標準産業分類に基づく15大産業に属する、常用労働者が30人以上の民営企業6,147社
有効回答回収率:70.3%(4,321社)
- http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/09/index.html


★≪最新情報≫

★パンフレット★
◇平成22年度 パンフレット
「応援します!在宅ワーク」【厚生労働省】

◇平成22年度 パンフレット
「中小企業子育て支援助成金のご案内」【厚生労働省】


★調査結果紹介★
◇「管理職の働き方とワーク・ライフ・バランスに関する調査」【東京大学社会科学研究所】
管理職の働き方や社員のワーク・ライフ・バランスの実現を支える職場マネジメントの実態を把握するために、管理職に対するアンケートを実施しています。

◇「継続雇用等をめぐる高齢者就業の現状と課題」【(独)労働政策研究・研修機構】
高齢者が意欲と能力があれば、年齢にかかわりなく働けるような環境整備の在り方についての検討を行っています。


★イベント情報★
◇「子育てを応援!企業のための実践ワークライフバランス」【東京都】
東京会場
開催日時: 2010年8月2日(月)14:00~16:00
  2010年8月5日(木)14:00~16:00
開催場所: 東京しごとセンター(千代田区)

◇「東京しごとの日」に考えよう、生活と仕事のあり方【東京都】
開催日時: 2010年8月6日(金)10:00~16:00
開催場所: 東京都庁(新宿区)

◇第3回公開ワーク・ライフ・バランス(WLB)カンファレンス-勤務医・看護師におけるWLB-【学習院大学】
開催日時: 2010年9月9日(木)13:30~17:00
開催場所: 学習院大学 目白キャンパス

★募集★
◇「平成22年度家族や地域の大切さに関する作品コンクール」【内閣府】
内閣府では、子どもと子育てを応援する社会の実現に向けて、「家族の日」「家族の週間」を定めて生命の大切さ、家族や地域の重要性について呼びかけています。その一環として、家族や地域の大切さに関する標語や作文・手紙の募集を受け付けています。

★ WLB歳時記 ★
フランスでバカンス法なるものが誕生したのは、今から約75年も前のこと。当時はアメリカの株式暴落からはじまった世界経済危機のさ中。誰もが仕事が厳しくなって、休みどころじゃない時にバカンスが生まれたというのがおもしろい。フランス政府が目指したのは、景気対策と労働の質の向上。つまり「キッチリ働き、キッチリ休(んでバカンスでお金を使おう!)む」である。仕組みとしてのバカンスが、今ではフランス人の文化として定着しているのはご存知の通り。時代状況が過去を彷彿させる今、果たしてわが国のバカンス事情はどう進化していくだろうか?などと高尚なことを考えつつふと手帳を見ると、やばい、まだ夏休みの予定さえたっていない!「時間を見つけるなんてできない。時間が欲しければ、自分でつくることだ」とは英国作家チャールズ・バクストンの言葉です。皆さん良い夏休みを(K1)

地方公共団体でのワーク・ライフ・バランス推進の取組事例を募集します

●地方公共団体で、ワーク・ライフ・バランス推進のためにどのような取組を進めているか、取組事例を募集します。
 取組のきっかけや実績、効果など、ひと工夫した事例、ユニークな事例を含めてお寄せください。
 いただいた事例は、仕事と生活の調和推進室において内容を確認させていただき、今後、メールマガジン等でご紹介させていただきます。
 この機会に、取組を全国に向けてアピールしてみませんか?
※事例の締切りは当面ありませんので、随時ご応募ください。
 また、紹介時期のご指定についてはお受けできませんので、あらかじめご了承ください。

取組事例のご応募はこちらから
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※ご記入の際は、冒頭に必ず【取組事例応募】と明記して、ご記入ください。

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●内閣府仕事と生活の調和推進室ホームページはこちらから
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≪編集後記≫

休暇は、心身ともにリフレッシュし、メリハリのある働き方の原動力となるもの。
メルマガ編集担当内で夏休みについて聞いたところ、その過ごし方は様々。
 ・ 5泊6日で小笠原へ。乗り物に非常に弱い(新幹線でも酔う)のに、片道23時間の船旅という無謀なチャレンジ。
 ・ 家族4人で、ホテルバイキング巡り。
 ・ 引越しで既に消化…。
 ・ 義務的に嫁の実家へ(私の意志は関係ありません)。
 ・ 5泊6日でハワイ。
上記はいずれも既婚者(家族連れ、夫婦のみ)の夏休み予定。かくいう私(独身)の夏休みはというと…。
カレンダーを見ても予定無し。「休肝日」ばかり増えても仕方ない。
なんとかしなくては!(TH)

発行
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100-8970 東京都千代田区霞が関3-1-1 中央合同庁舎4号館
TEL:03-3581-9268