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パパの育児休業体験記

男性育児休業取得第一号。子育ては、妻と一緒に手を動かし、汗をかきながら楽しむもの

執筆者と家族の写真
執筆者の横顔:
(1)会社員(金融)、(2)100人~299人、(3)30代後半、(4)30代後半、(5)本人・妻・子1人(男児1人)、(6)平成20年5月~21年2月(10ヵ月間)

人生の貴重なひととき

小林 武さん

 私は、金融系の上場企業に勤務しており、現在育児休業中の39 歳男性です。従業員は300 名に満たず、女性社員による取得実績はあるものの男性では私が第一号です。平成19年12月に第一子が誕生し、平成20年5月より翌年2月まで10 ヶ月間の休業に入りました。
 この体験記では、育児休業を取得した理由、勤務先とのやりとり、男性の育児休業が最近増えている印象について述べたいと思います。

 まず育児休業を取得した理由ですが、主に二点あります。第一は、子どもが好きで主体的に子育てしたかったからです。自分にとって子育ては、「協力」や「参加」したりするものでなく、妻と一緒に手を動かし、汗をかきながら楽しむものです。
 男性は意図的に育児の時間と環境を作り出さないと、女性と対等の経験とノウハウを得られません。すると母親が主導権を握ることになりますが、私は母親だけが育児を我が事と考え、父親が子どもの進路選択などに口を挟みづらい家庭を作りたくありません。
 第二の理由は、共働きで且つ子どもありの家庭を望む以上、妻のキャリアをサポートするために家事・育児をきっちり分担したかったからです。
 私はもともと共働き志向でした。なぜなら仕事で社会と繋がりを保ち、新聞の政治経済面や社会面の記事も話題に出来るパートナーのほうが、一緒にいて楽しいからです。経済的リスクも共働きのほうが少ないと思います。
 また、「育児を押し付けられるのはイヤ」と結婚に当たり妻は漏らしていたので、私は家事も育児も分担すると約束し、実際に結婚時より家事を分担してきました。残る育児については、妻と同様、私も一時期育児に専念し、母乳以外の一切に責任を持つことにしました。そうすれば私が仕事に復帰した後は、妻と私のどちらでも柔軟に対応できます。

 次に勤務先とのやりとりですが、そもそも妊娠が判明する遥か以前より、人事面談において毎回欠かさず「子供が生まれたら取得したい」と伝え、男性も可能と確認してきました。また現在の所属部署の上司にも、面談の度に話題に出し、様々な準備をお願いしてきました。
 昨年末に息子が生まれ、年が明けてからは取得経験者である先輩女性社員に話を伺いました。待遇面の変化や、復帰後の勤務状況、また休業前後の心境の変化など、とても参考になりました。それらを踏まえて書面を上司に提出しました。そこには関係者への感謝の気持ちに加えて、代替・補助要員の確保、有給休暇の消化、社宅の取扱いに関する具体的な要望と、人事評価方法に関する確認事項を、一通りまとめました。後進のためにも形に出来て良かったです。

 最近、育児休業の男性が増えてきたとしばしば実感しています。例えば私の住む地域には「子ども家庭支援センター」という施設があります。息子が寝返りを覚えた頃、自宅より広いスペースで遊びながら、成長段階の近い赤ん坊と交流できればと考え、母親ばかり集まる場所という不安を感じつつ思い切って出かけてみました。センターに行くとやはり父親は私のみでしたが、母親達からは予期せぬほど温かい歓迎を受け、しかも実は育児休業中の父親がもう一人いることも知りました。その後何度か通ううちにその男性にも会うことができました。
 また私はウェブで育児日記を書いていますが、育児休業を現在取得中の父親も多数友人になって下さり、お互いの日記に共感や励まし、自身の経験などをコメントしあっています。その上、日記が縁で友人になって下さった同じ地域に住む女性は、旦那さんが先日その方と交代で育児休業に入ったことが判明したりしました。

 息子は現在、伝い歩きを覚え、また離れたところで呼ぶと、喜んでハイハイして近づいてきます。長い人生の中で、仕事を休むほど育児を求められる期間はほんの僅かです。私は自分の人生を悔いなく生きるため、勤務先とその上司や同僚に感謝しつつ、今は息子と一日中向き合い、育児を楽しんでいます。

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