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パパの育児休業体験記

育児によって、人を思いやる気持ちがますます強くなり、今の仕事に取り組む姿勢に繋げる

執筆者と家族の写真
執筆者の横顔:
(1)会社員、(2)1,000人~4,999人、(3)30代後半、(4)30代前半、(5)本人・妻・子3人(男児1人・女児2人)、(6)平成19年5月~6月 ( 3週間)

自分の成長のために

岩上 誠さん

 「今度は大丈夫です。」この言葉をどれだけ待ち望んでいたことか。平成18年の秋、第2子の妊娠が確認されるまで、第1子の出産から4年間子宝に恵まれなかった。子供が大好きで、暇さえあれば兄弟おそろいの子供服をどうするかだとか、いっしょにハイキングに行こうだとか話をして、楽しく過ごすように努めていた。一方で、妻も育児休業取得後も仕事を続けていて時間のやりくりが厳しいにもかかわらず、婦人科に通い続けた。しかし、妻に子宮筋腫が見つかり、その核出手術を受けてからは、さすがに心身ともに追い込まれていた。そんな私達にとって、この吉報は何にも替えがたい喜びであった。
 ところが、喜んでいるのもつかの間、想定していなかった懸念が出てきた。先の子宮筋腫の手術のため、第2子の出産は確実に帝王切開になり、今回の開腹方式が通常と異なるとのこと。そして、1ヵ月程度は絶対安静で自由に動けず、日常生活もままならないだろうというのである。長男の保育所への送迎を始め、いろいろと手数がかかるうえに、赤ちゃんの育児は相当の負担である。まして、安静にとなると買い物も行けず、育児用品の調達も滞るだろう。さらに、普段の生活でも、重いものは持てないとか、極端には赤ちゃんもだっこできないことも想定される。私は、せめて妻が普通に生活できるようになるまでは、赤ちゃんの育児をしたいと心から思った。ただ、私自身の状況は、平日いつも帰りが遅くなるまで仕事があり、1日とて休むことが可能とは考えられなかった。加えて、妻も産後休暇後に引き続き育児休業を申請しており、果たして私が育児休業をとることが可能か制度面でもわからなかった。
 しかし、あんなにも欲しかった赤ちゃんのこと、また、4年間、病気と闘い、長男の育児にがんばってきた妻のことを思うと、居ても立ってもいられず、思い切って上司に私が休暇をとることの相談をした。そしたら即答で、「わかった。しっかり休んで奥さんを手伝え。お前の仕事は俺がフォローする。」と言ってくれた。私の上司はゴルフが好きで、仕事も余暇もきっちりこなすタイプである。育児に男性が携わることになじみのない世代であるが、仕事と生活を両立するという観点で、好きなゴルフと育児をシンクロさせて考えてくれたらしく、本当に良き理解を得た。さらに、制度面でも勤務先の人事部に相談したら、妻の産後8週間は配偶者も育児休業取得可能であると教えてくれて、育児休業の取得を勧めてくれた。私の勤務先では、かつて男性で育児休業の取得者は居ない。しかし、私の心に迷いは無かった。
 結局、3週間の育児休業であったが、私にとって非常に有意義な時間であった。赤ちゃんと一緒にいられたことは、個の尊さ、周囲の協力への感謝を想起させ、人を思いやる気持ちがますます強くなった。このことは、今、私の仕事に取り組む姿勢に繋がっており、部署のメンバーやお客様とコミュニケーション、コラボレーションを大切にしながら常に困難なテーマにチャレンジしている。仕事と生活の両立は何よりも仕事面で高いパフォーマンスを挙げるために必須であると強く感じた。家族、上司を含め、協力してくれたすべての方に今は感謝の気持ちでいっぱいである。
 最後に、育児休業を取得した経験から一言加えたい。男性が取得しやすい状況を構築するためには、時間面、金銭面、意識面の3点が揃って為し得ると考える。このうち、時間面では、配偶者の産後休暇8週間内での取得等、柔軟に対応できる。金銭面でも、育児休業給付金のみならず、地方公共団体の福祉制度の利用で対応可能である。あとは、意識面である。取得を希望しているが、単に気持ちの上で思いとどまっている方が多いのではないだろうか。そういった意味では、取得経験者の体験談や利用した制度を聞くことは非常に参考になろう。私ならば、「取得して間違いない。」と自信と確信をもって伝えたい。

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