仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現に向けて ひとつ「働き方」変えてみよう!

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パパの育児休業体験記

育休経験を生かして男性の育休や子育て参画促進に向けた啓発活動に努めるとともに、ワーク・ライフ・バランスの取れた働き方・生き方を実践

執筆者と家族の写真
執筆者の横顔:
(1)国家公務員、(2)1,000人~4,999人、(3)30代後半、(4)30代前半、(5)本人・妻・子3人(男児2人(11歳・5歳)・女児1人(4歳))、(6)平成16年1月~3月(3ヵ月間)

文部科学省で初めて育休を取得して

坪田 知広さん

 日中も「子どもと一緒」。育休中の3か月は、これが至福の喜びだった。「男性は仕事が好きで、子育てなんか」というイメージがあるが、男性にとっても、我が子は片時も離したくない愛しい存在である。ただ、長年の伝統・慣習からか、社会が未成熟だったために、男性が「子育てに熱心、仕事は二の次」と見られることが躊躇われていたのだと思う。
 私の場合は、元々、自分の想いに正直な性格だったため、子どもへの愛しさがそのまま育休取得希望につながった。男性でもそういうことは十分あり得る。これに加えて、
 ◇入省10年を過ぎ、子育てを通じて、もう一度、働き方・生き方を問い直したい。
 ◇妻の負担を軽減し、仕事での活躍を支援することで、夫婦関係を改善したい。
という想いと、仕事上でも、
 ◇文部科学省は望ましい子育てや家庭教育を率先すべき役所なのに「まず、隗より始めよ」の精神が希薄であり、自分が範を示したい。
 ◇教育行政全体を、外から、ユーザーの立場で批判的に見て、有効な改善策を見い出したい。
という考えがあったため、育休取得を決意するに至った。
 これを職場において誰彼となく話しているうちに、幹部の耳にも入り、「是非、取りなさい」とまで言ってもらえるように。既成事実化が効を奏したようだが、「将来にプラスにはならない」などと説得されることを想定していたため、少し拍子抜けした感もある。
 それより、妻である。職場でOKが出てから恐る恐る打ち明けたが、第一声は「無理よ。そんなことしなくていい」。長男の時、全面的に任せてしまったこともあり、「あなたなんか当てにしてないわ」という皮肉を言いたかったのだと思う。喧嘩してまで育休取るのも、という弱気な考えも一瞬過ぎったが、私が第1号にならない限り、後輩達が後に続けない。もう後には引けないと思い、「家事も修行するし、月齢9か月ともなれば離乳食も大丈夫だから、お願い、バトンタッチして」などと頼みすがって、ようやくOKが出た。
 育休は、仕事よりしんどい。か弱い命を預かる責任の重さもあるが、一人ですべてをこなさなければならないこと、誰も助けてくれないことが厳しい。ミルクを飲ませたり、泣くのをあやしたりするのはいいが、子どもが寝ている僅かな隙に、炊事・掃除・洗濯などを要領よくこなすことは難しく、失敗の連続だった。もちろん自分の時間など全くなかった。
 育休を取得した私は、3か月という初心者コースではあったが、そのお陰で、
 ◆男性の子育てにも不安はなく「子育ては恋愛くらい面白い」と改めて実感
 ◆子どもと共に平日昼間の地域を闊歩し、多くの人々と触れ合うことで初めて「地域の人」となり、ユーザーとして児童福祉・教育関係行政の縦割りの弊害も実感
 ◆夫婦関係の改善で新たな命が誕生(その年の暮れに長女誕生)し、出生率に寄与
などといった成果を得て、本当に有意義だったと思っている。また、育休後も、
 ○後輩からの相談にのり、男性の取得第2号(それも9か月間)誕生に貢献
 ○おやじの会の全国組織「おやじ日本」の創設と運営への協力。PTA活動への参画
 ○職場の「特定事業主行動計画」策定への協力(経験からの助言)
 ○出向先(三重県)での体験談の講話(県庁職員や県立高校職員会議に対して)
など、経験を生かして男性の育休取得や子育て参画促進に向けた啓発活動に努めることはもちろん、保育園の送りは毎日、迎えも週2日以上は担うなど、ワーク・ライフ・バランスのとれた働き方・生き方を実践し、身をもって範を示しているつもりである。

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