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第4回「働き方を変える、日本を変える行動指針」(仮称)策定作業部会 議事録

1 日時:平成19年10月18日(木)18:00~20:15


2 場所:中央合同庁舎4号館4階 共用第2特別会議室


3 出席者

(有識者)
大沢 真知子 日本女子大学人間社会学部教授
佐藤 博樹 東京大学社会科学研究所教授
樋口 美雄 慶應義塾大学商学部教授
八代 尚宏 国際基督教大学教養学部教授

(団体の代表者)
紀陸 孝 (社)日本経済団体連合会専務理事
田中 常雅 東京商工会議所人口問題委員会副委員長
(醍醐建設株式会社代表取締役社長)
坂田 甲一 (社)日本経済団体連合会労働法規委員会
労務管理問題検討部会長
古賀 伸明 日本労働組合総連合会事務局長
横山 陽子 日本サービス・流通労働組合連合中央執行役員
杉山 豊治 情報産業労働組合連合会政策局長

4 議事概要

○樋口座長 定刻になりましたので、第4回「働き方を変える、日本を変える行動指針」策定作業部会を始めます。
  今回は、最初に「憲章の骨子案」及び「行動指針に盛り込む内容」につきまして、次に厚生労働省の「雇用政策研究会」における数値目標の議論について、そして最後に内閣府の「男女共同参画会議 ワーク・ライフ・バランスに関する専門調査会」におけるワーク・ライフ・バランス社会の実現度指標の検討状況についてそれぞれ御説明いただき、意見交換を行いたいと考えております。
  それでは、まず内閣府の濱田参事官から「憲章の骨子案」及び「行動指針に盛り込む内容」等について説明をお願いいたします。

 

○濱田参事官 それでは、御説明させていただきます。
  まず、前回、前々回で御指摘いただいた項目について、資料は配っておりませんが、事務局の対応の考え方を御説明させていただきます。まず、ワーク・ライフ・バランスの緊要性について、どこから説明して、いかに国民に理解していただくかという点に関しては、国民に緊要性を実感できるようにということで、現実の社会の仕事と仕事以外の生活の間で切実に悩みを抱えていらっしゃる、苦しみを抱えていらっしゃるという姿の記述から始めるということで、そこから生じている諸課題についても、できるだけ平易な言葉で国民がイメージできるように、実感できるように留意して記述しました。
  それから2点目は、ワーク・ライフ・バランスが実現した社会の姿というものでございますが、実現した社会の姿を後ほど御説明するように明示してございますけれども、更に、働き方の問題を解決する3つの具体的な方向性を示すということで記述させていただいてございます。
  3点目は、憲章、指針を作成するに当たって必要な視点ということで、それぞれ憲章や指針の記述に反映させてございますが、憲章の中で、共働き世帯が標準になった時代というものにふさわしい働き方に変えていくべきであるという点でございますとか、社会経済の構造変化に働き方を対応させることの必要性でございますとか、地域や家族のつながりの希薄化への対応等の問題、企業の競争力や生産性との両立といったような問題。ワーク・ライフ・バランスそのものは社会を持続可能にしていくために、社会全体で取り組むべき課題だというような点について憲章で記述させていただいてございます。
  また、指針の中でも、子育てや介護を支える社会的基盤の整備でございますとか、働きたくても働けないような母子家庭の母等への配慮、それから、ワーク・ライフ・バランスを推進していく仕組みや手法についての検討、そういった点について指針の記述に反映させてございます。
  それから、ワーク・ライフ・バランスが実現しない要因についても幾つか御指摘いただきましたけれども、例えば競争激化の中で個人にかかる心身のプレッシャーが強まっている点でございますとか、働き方に中立でない税・社会保障制度の検討といったような点を記述させていただいてございます。
  それから、憲章と行動指針の関係は、前回御議論いただいたとおり、憲章についてはワーク・ライフ・バランスの考え方、実現した社会の姿、緊要性、取組の方向性、それからアクターである企業・働く者、政府等に求められる役割というものを盛り込む。指針については、それを実現するために、企業や働く者等が取り組むべきこと。それを支援する施策の中期的な方針ということで記述させていただいてございます。また、行動指針の名あて人については、政府のみではなく、企業や働いていらっしゃる方、地方公共団体なども含めるという御指摘をいただいた点を踏まえて、行動指針は作成させていただいてございます。
  それでは、資料1の「ワーク・ライフ・バランスの憲章(骨子案)」について御説明させていただきます。
  まず、ワーク・ライフ・バランスの緊要性でございますが、先ほど御説明させていただいたとおり、現実の社会の中で働く者の姿を描かせていただいてございます。冒頭、働くということは当然自立のために必要なことではあるのですけれども、我々の生活は仕事が全てではないという点で、それ以外にも家族と過ごす時間や地域で活動する時間、更には休息といったような時間もある。だけれども、現実の社会を見てみると、働く意欲がありながら、なかなか安定して働けず、経済的に自立できない若者や母子家庭の母のような方々がいらっしゃる。それから、仕事に追われて心身の疲労から健康を害するような働き盛りの世代の方々、また、子育てと仕事、どちらかをあきらめざるを得ない。仕事を続けようとすると、子どもをもつことをためらわざるを得ないような若い夫婦の方々。また、実際に高齢期が長くなったことで介護する側の年齢もだんだん上がってきているわけでございますけれども、親の介護が必要なのに、実際には介護ができないような中年のサラリーマンの方。こういった仕事と仕事以外の生活の間で切実な悩み、苦しみを抱えていらっしゃる方が多くいらっしゃる。
  また、その周りで世帯というものにどういう変化が起きたかという点でございますが、前回も御指摘いただいたように、共働きの世帯というのが大変増えて、今ではサラリーマン夫婦世帯の過半数になっている。また一方では、3世代同居が減少してきている。そういうことによって、共働きが増えて親との同居が減っているにもかかわらず、職場ではやはり仕事以外の生活よりも仕事に専念することを前提にした働き方が根強く残っていて、共働きの世帯では夫婦共に限られた時間の中で家庭生活などに振り向ける余力がなくなっている。
  また、経済構造の変化というものの中で、グローバル化などに伴って競争が激化してございますけれども、そういった中で、経済効率の観点もあるのでしょうが、正社員以外の労働者が大幅に増加している。そうした中で、生活の安定の面でございますとか、企業にとっての技能の育成・承継等に不安が出てきている。
  そういうような状況変化の中で、個人や家族、地域などで何が起こってきたかという点でございますが、個人につきましては、結婚・子育て・介護などに対する切実な想いがかなえられないといったような方が増えている。その一方で、意欲・能力を活用することができずに、自らの将来を描くことができないといった方が数多く存在する。
  また、1ぺージめくっていただきまして、家族については、そもそも家族をもつことができない、家族をつくりたいという思いが果たせない方がいらっしゃる。それから家族と過ごす時間がないといった理由で、過ごしたいという思いが実現できていない方も増えているという中で、家族の団らんが喪失している。
  また地域についても、個人がそれぞれ地域で過ごす時間がないということで、地域のつながりが希薄化している。
  こういった個人、家族、地域の大きな問題の1つの帰結が社会全体としての少子化、人口減少、労働力人口の減少というものにつながっているのではないかという点を指摘してございます。
  一方で、企業について考えてみても、先進諸国と比較して労働時間は長いけれども、時間当たりの生産性は低い。企業の活力、競争力の源泉である労働力の確保、育成というものに取り組まなければ、長期的に見ればマイナスではないかという点から考えて、働き方の見直しに取り組む。また更に、業務の見直しまで踏み込んで効率的な仕事の進め方を追求して、長期的に労働者確保、育成していくということは、負担ではなくて、企業にとって明日への投資だというふうに考えるべきではないか。ひいては、それが社会の持続可能性の向上にもつながるのではないかということを指摘してございます。
  それから、働き方の見直しが大事だ、重要だと考えながら、なかなか進まない要因ということでございますが、依然として働く者は家族や地域の中で役割を果たすより、その時間を仕事に傾注するといったような旧来の働き方が固定化されて、そういったことを評価するという職場風土が変わっていないということで、働き方が単線的になっている、制度そのものも単線的になっているという点で、更に、こういった画一的な考え方、働き方のシステムというのが、近年の、若者を中心とした価値観やライフスタイルの多様化に対応できなくなって、そこに摩擦が生じている。また、経済の高度化等で個人に求められる能力というのも高度化して、また、心身にかかるプレッシャーも強くなっているのに、働き方というのは依然として変わっていない。
  そういった点を踏まえると、3番目でございますが、価値観やライフスタイルの多様化、社会経済の変化というものに対応して、働き方を変えていかなければいけないのではないか。職場風土の形成にも取り組んでいかなければならないのではないか。こういった点からワーク・ライフ・バランスの緊要性を説明してございます。
  また、働いていらっしゃる方の8割以上が企業の中で働いていらっしゃるということで、まず企業の中からそういった働き方の多様化ということを進めて、その変化を国民全体に進めて、我が国全体の働き方を変えていくということで、ワーク・ライフ・バランスについて企業の経営者、労働者はじめ、国民全体の共通理解の促進、更に、その実現に向けた国民運動の展開が必要であるというふうに考えてございます。
  それから、2番目は、ワーク・ライフ・バランスが実現した社会の姿ということで、やや定義めいたものを最初に書かせていただいておりますけれども、国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすということが1点ある。もう1点として、家庭や地域生活などにおいても、ライフステージに応じて、それぞれの切実な思いをかなえることができるような多様な生き方が選択・実現できる社会というものではないか。
  それで、具体的に3つの構成要素に分けさせていただいておりますが、一番最初は、経済的に自立を必要とする人、とりわけ若者がいきいきと、かつ経済的に自立可能な働き方ができて、希望すれば結婚や子どもをもつことができる社会。
  2点目は、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進などにより、仕事以外の時間が確保できて、働く人々の健康が保持されて、家族や地域、友人などとの充実した時間、キャリア形成のための時間などがもてる豊かな生活ができる社会。
  それから3番目が、子育てや親の介護といったライフステージのさまざまな時期に、個人が置かれた状況に応じて多様で柔軟な働き方が選択できて、更に適正な処遇が確保されるような社会。こういったことが実現されることによって、個人についても多様な働き方、生き方が選択できて、多様な能力を十分に発揮できて、企業も生産性が向上し、競争力の向上にもつながる。それらをもって社会全体の持続可能性の向上や活力の向上につながるのではないかというようなことで姿を描いてございます。
  第3としまして、各主体が果たすべき役割でございます。最初に企業と働く者ということで、やはり企業の経営トップの方の意識改革といったものが重要ではないかということで、企業トップのリーダーシップに基づく意識改革、職場の風土改革、長期的視野に立った労働力と労働者の確保・育成、雇用管理制度や業務の進め方、評価基準の見直し、それから柔軟な働き方などに計画的・組織的に取り組む。それから、管理職の方も一面では労働者であるわけでございますが、一方では、自ら管理する職場の雰囲気づくりというものに大きな役割があるということで、そういった点には取り組んでいただきたい。また、経営者や管理職の方々は、自社のみならず、関連企業でございますとか、取引先のワーク・ライフ・バランスにも配慮していただきたい。また、働く方々も自らの働き方を見直して、一日24時間しかないという時間の制約は誰もが同じわけでございますけれども、そういった制約の中でめり張りのある働き方に努めていただきたい。それから、将来を見据えた自己啓発・能力開発に取り組むべきである。また、ワーク・ライフ・バランスがなかなか実現しない要因の1つに、同僚の目といったようなものもあるという点も踏まえますと、ワーク・ライフ・バランスを実現しやすいような職場づくりに働く者自らも取り組んでいただきたいという点を書いてございます。
  それから、2番目が国民ということで、経営者の方も労働者の方も職場を離れれば一人の国民でございますし、それ以外の自営の方でも、学生さんでも、皆さん家庭とか地域にいけば一人の国民ということで、そういった方々全員が自らのワーク・ライフ・バランスのあり方について考えて、家庭や地域の中で積極的に役割を果たしていただきたい。また、この部会でも御指摘いただきました消費者として求めようとするようなサービス、例えば24時間営業でございますとか、即日配達とか、いろいろございますけれども、そういったサービスの背後にある働き方にも思いをめぐらせていただきたい。
  それから、3番目は政府でございますけれども、まず最初が国民的な理解の促進ということで、国民運動や合意形成の推進。また、仕事以外の時間の確保とか、ライフステージに応じた多様な働き方を可能とするような、雇用環境整備を目指したような制度的枠組みの構築や環境整備、それから働き方に中立的な税・社会保障制度のあり方についての検討。それから、ワーク・ライフ・バランスを推進するための多様な働き方を推進したり、多様な働き方に対応した子育ての支援といったようなことに取り組むべきである。また、地方公共団体が育児や介護などを支える社会的基盤づくりというものをやっているわけでございますが、そういうものに対する支援も行っていくべきである。また、最後はざっくり書いてございますが、ワーク・ライフ・バランスに取り組むような個人や企業の取組に対して積極的に支援していくべきである。
  それから、4番目が地方自治体でございまして、それぞれの地域の実情に応じた展開を図っていくべきである。また、先ほど申し上げた育児・介護などを支える基盤づくりを積極的にやっていただく。中でも、最近で言えば、NPO等の民間団体との協働といったものも推進していくべきではないかということを役割として記述してございます。
  続きまして、資料2でございますが、縦長A3のペーパーでございまして、盛り込むべき内容をマトリックスに書いたものでございますが、憲章の中で「ワーク・ライフ・バランスが実現した社会の姿」の中で<1>から<3>まで御指摘させていただいた内容を上の箱に3つ並べて縦のラインにしてございます。また、左の方に企業や働く者、それから国民、政府、地方自治体ということでアクターを書いて、それぞれのアクターがそれぞれの方向性についてどういった取組をすべきかを示した資料になってございます。
  まず、一番上に書いてございますのは、前回も御説明した行動指針の性格でございますけれども、それと行動主体ということで、先ほど申し上げたとおり、企業や働く者の取組、それから、それを支援する国と地方自治体の取組をそれぞれ書くという点と、その中期的な方針であるという点がこの指針の性格及び行動主体でございます。
  それから、一番上の3つの箱にございますそれぞれの条件ですが、1つ目は、みんな経済的自立ができるように働けるということです。みんなが仕事があり自立ができるということで、若者は学校から職場への円滑な移行が図れる。また、若者や母子家庭の母等が就業を通じて経済的自立を図ることができる。意欲や能力に応じて非正規の方が正規に移行できる。就業形態にかかわらず、適正な待遇や能力開発の機会が確保されるといったような点を挙げてございます。
  また2番目が、みんなが生活のための時間があり、健康で豊かな生活ができるという観点でございます。最低限のことですが、長時間労働により健康を害することがない。また、長時間労働や年次有給休暇の促進など、労働時間の設定改善のための業務見直し、要員確保、風土の形成などがなされて、人事評価も見直されている。また、労働時間の関係法令は遵守されている。それから、業務の進め方や内容にまで踏み込んで、業務の見直しなどにより、結果として時間当たりの生産性も向上している。また、企業のみならず、取引先や関連企業、更には消費者についても、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組の趣旨は理解されているというような点を挙げてございます。
  それから3番目が、多様な働き方が選択できるということで、みんなが働き方、生き方を選べるという観点でございます。多様な働き方ができる制度が整備されているという点ももちろんですが、更に、それが利用しやすい職場風土が形成されている。また、地域社会のつながりのことを御指摘させていただきましたけれども、そういった活動がしやすいような環境がある。個人のキャリア形成についても、いろいろ支援するような仕組がある。多様な働き方に対応した地域の子育て支援や保育サービスが整備されている。妊娠・出産等があっても希望に応じ働き続けることができる。男性も含めて、全ての人が育児・介護、地域活動の時間が確保できて実践されること。就業形態にかかわらず、適正な待遇や能力開発機会が確保されるといったようなことを内容として盛り込むことを考えてございます。
  一段下がっていただきまして、それぞれの取組でございますけれども、横串になっているところは横断的にまたがって取り組むべきではないかという点を書いてございます。
  経営トップについては、リーダーシップを発揮していただく。管理職については、ワーク・ライフ・バランスが実現しやすいような職場の雰囲気づくりに取り組んでいただく。労使が実現に向けた目標を定めて、計画的に取り組む仕組みをつくって着実に実行していただく。また、取組企業が自社の取組を点検・評価するような仕組みを構築する。また、労使で働き方を見直して、業務の見直しや個人の能力向上等によって時間当たりの生産性向上にも努める。また、働く者が職場の一員として、ワーク・ライフ・バランスを実現しやすいような職場の風土づくりに取り組むといったような点を掲げてございます。
  それから、下の段でございますが、「みんなが自立できる」については、1つには、長期的視野に立った人材の確保・育成。また、トライアル雇用を例に挙げさせていただいておりますけれども、フリーターも含めて人物本位の採用を行っていただきたい。パート労働者等が正規雇用に移行できるような制度づくりを行っていただきたい。就業形態にかかわらず、適正な待遇、積極的な能力開発を行う。キャリア教育については、もとより企業内だけでは十分な取組ができませんので、学校、地域、関係行政機関とも連携しながら取り組んでいただいて職業意識を涵養する。働く者についても、自らの職業生涯全体を考えて、自己啓発、能力開発というものに取り組んでいただく。
  それから、その右の枠でございますが、「みんなが豊かな生活ができる」のためにも、1つには、時間外の指導基準を含めて、労働時間関係法令のコンプライアンスを徹底する。それから、長時間労働の抑制、年休取得促進などに労使ともに取り組んでいただいて、設定改善のための業務見直し、要員確保、職場風土づくりに取り組んでいただく。管理職も含めて、いろいろな職員の方々の人事評価をワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組を評価する方向に改めていただきたい。また、業務の見直しを徹底して、むだな仕事、会議等の廃止、むだな決済等を廃止するといったような意味での簡素化。誰かが休みたいときに、ほかの誰かがちゃんと情報を持っていて代替がきくというような情報の共有化などによって、結果として生産性の向上を図っていく。それから、社会全体のワーク・ライフ・バランスということを考えれば、やはり取引先への計画的な発注や納期設定にも努めていただきたい。働く方々も時間制約がある中で、めり張りのある働き方を心がける。同時に、自己啓発や能力開発によって仕事の質の面も高めていく。また、働く者は時間の制約がある中で、自分のライフスタイルを実現するために必要な時間を確保するように努めていく。
  それから、右の欄でございますが、「多様な選択を可能にする」ということで、短時間正社員制度でございますとか、在宅就業、テレワークなど柔軟な働き方が可能になるような制度でございますとか、育児・介護休業など、いろいろな状況の方々に応じた働き方を支える制度の普及と、更に、それを実際に利用しやすいような職場の風土づくりを行っていただきたい。女性や高齢者の再就職や、高齢者の方々の継続就業などが可能なようにしていただきたい。また、就業形態にかかわらず、適正な待遇や積極的な能力開発を行っていく。それから、働く者の自己啓発、能力開発の取組に対する支援を行っていただきたい。働く者も、自分の職業生涯全体を含めて、いろいろな選択が可能になるように自己啓発、能力開発を行っていただきたい。働く者としては、自分だけではなくて、同僚に対しても、いろいろな事情がある、それに応じた多様な働き方があるということを理解して、役割分担を柔軟に行うなど、取組に工夫していただきたいという点を掲げてございます。
  それから、一段下がっていただきまして、国民の取組でございますが、国民一人ひとりが、個々人が多様性を持っているということを理解して相互に尊重し合う。それぞれが自らのワーク・ライフ・バランスのあり方について考えて、周囲の理解を得ながら、その実現を目指していただきたい。個々人には家庭や地域で役割があることを認識して、その重要性について互いに理解し合っていく。個々人の置かれた状況や思いに応じて、家庭や地域の中で積極的な役割を果たしていただきたい。消費者の一員として、サービスを提供する労働者の働き方に配慮していただきたい。
  次が政府の取組でございますが、横串のところがワーク・ライフ・バランス社会の実現に向けた枠組みづくりという括り方をさせていただいてございます。
  1つ目は、国民の理解の促進、次が労使の合意形成の促進ということでございます。3番目は、制度的枠組みの構築と環境整備ということで幾つか例を挙げさせていただいてございます。それから、取組企業への支援ということで、これもざっくりと例を挙げさせていただいてございます。とりわけ中小企業に対する支援というのは欠かせない要素ではないかと考えてございます。それから、法令遵守に向けた監督指導の強化。それから、時間当たり生産性の向上というようなものにも支援をしていければいいのではないか。積極的に取組企業を社会で評価する。例えば顕彰制度でございますとか、企業を診断・評価する制度を活用するというような形で評価するような仕組みをつくれないか。それから、取組企業において労使ともに自社の取組を点検・評価することを支援することはできないか。社会全体として進捗状況を把握・評価、それから政策への反映ということで、PDCAサイクルを考慮しながら進めていくべきではないかということで、後ほど御説明する指標の作成・活用なども考えられるのではないか。
  それから、一段下がっていただいて、「みんなが働く」という観点から言えば、学齢期からのキャリア教育というようなもの。フリーターを常用雇用化するような取組。誰でも職業能力開発に参加できて、自分の能力を発揮できる社会の実現を目指す制度の1つの例として、「ジョブ・カード」制度というものを挙げてございます。若者とか母子家庭の母のように経済的自立が困難な方々への就労への支援。働く者の自己啓発や能力開発への取組に対する支援を挙げてございます。
  それから、「豊かな生活を目指す」という点に関して言えば、労使による長労働時間の抑制や年休の取得促進など、労働時間設定改善の取組を支援していく。企業間の計画的な発注、納期の促進というようなものに支援を行っていく。最近でございますけれども、働く者がいろいろなニーズに応じて家事サービス等を利用することが増えてまいったわけでございますけれども、そういった民間サービスについての情報提供を行うなど支援に努めるということでございます。
  それから右の欄、「多様な働き方の推進」ということで、例として短時間正社員等を挙げてございます。また、パート労働者の方も均等待遇ということを推進していく。また、育児休業、短時間勤務制度等、育児期の多様な働き方を充実させていく。また、多様な働き方に対応した子育て支援というものも推進していく。また、近年よく問題にされますけれども、父親がなかなか子育てに参加できないという点に対して、何らかの支援、そういった取組を促進するということを検討していかなければいけないのではないか。また、今年、団塊世代が60歳に到達したわけでございますけれども、あと5年たてば65歳ということで、いわゆる高齢者の範疇に入ってくるということで、そういった方々、700万人からいる団塊世代の方々に多様な働き方を提供していくような支援ということを行っていくべきである。地方自治体が行う育児・介護の社会的基盤づくりというものに対する支援というものも重要になっていくであろう。多様な教育訓練システムの充実など、キャリア形成支援に関わる労働市場のインフラの整備にも取り組んでいくべきであると掲げてございます。
  それから、一段下がっていただいて、地方自治体の取組でございますが、ワーク・ライフ・バランスの意義や重要性に対する住民の理解の促進でございますとか、地方レベルでの合意形成の促進。地方でワーク・ライフ・バランスを実現している企業についての社会的評価に努めていく。
  それから、一段下がっていただいて、真ん中の欄でございますが、地域レベルで仕事以外の時間を活用して、育児・介護等を行う家族を支える社会的基盤の形成といったものに取り組んでいくべきではないか。
  また、右の欄でございますが、多様な働き方に対応した子育て支援など、育児・介護の社会的基盤づくりに取り組んでいただきたい。
  その下は数値目標と実現度指標ということで、また後ほど資料の御説明があると思いますので、私は省略させていただきます。
  以上でございます。

 

○樋口座長 ありがとうございました。それでは、今お話のありました数値目標につきまして、次に雇用政策研究会における議論について、厚生労働省の生田参事官から説明をお願いいたします。

 

○生田参事官(厚生労働省) お手元の資料3を用いまして御説明をさせていただきます。この資料につきましては、9月28日、10月12日に雇用政策研究会で御議論いただきました議論を踏まえまして、雇用政策研究会の座長でもおられます樋口先生とも御相談して取りまとめて提出させていただいたものでございます。
  まず、1の数値目標の考え方でございますけれども、1行目にございますように、国民、企業、政府等の取組を推進するための社会全体の目標として、政策よって一定の影響を及ぼすことができる項目について目標設定するという考え方でございます。その次に書いてございますように、数値目標は社会全体として達成することを目指す目標であって、個々の個人や企業に課されるものではないという点がございます。この数値目標を選びます際には、継続的なデータがあるというのが非常に重要な点でございまして、定期的にきちんと測り得るというのが大きなポイントになってございます。
  それから、目標値の設定に際しまして、後段部分に書いてございますけれども、大きく2つ書いてございます。理想的な水準を想定しておるのですけれども、<1>にございますように、個人の希望が実現すればどれぐらいのパーセンテージになるかといったような指標。それからもう1つは、すでに政府で決定しているような数値目標があるわけですけれども、そういったものを踏まえながら、施策の推進によって現状値や過去のトレンドを押し上げた場合を想定して推計した水準などを基本に設けてございます。目標値につきましては、5年後と10年後を設定おりますが、まず10年後を設定しまして、その中間値として5年後の目標を設定するという考え方でございます。
  2ぺージ目でございますけれども、数値目標につきましては大きく3つに分けた整理をいたしております。左側の方に3つの区分がございまして、1つは就業希望者の就業ということで、辞めずに働き続けることができるという意味合いでございます。それから、2つ目が仕事以外の時間の確保、健康でゆとりある生活の実現。3つ目が働き方の選択肢・多様なライフスタイルの選択の尊重のということでございまして、これらに共通するものとして、一番上に<1>就業率というのがございます。これらの要素を全て満たした場合に就業率に全て現れるものですから、就業率を共通要素として掲げておるところでございます。
  指標について順番に申し上げますが、まず就業率につきましては、次のぺージに横長の表がございまして、これを御説明いたします。まず、年齢区分別に就業率と書いてございますけれども、2006年実績値が現状でございまして、25~34歳の男性につきましては、年長フリーターを中心とした若年労働力の雇用を進めるというような政策効果を発揮することによって、2017年に93~94%になるということで、2012年はその間の数字をとっておるということでございます。それから、25~44歳につきましては、M字型カーブの底を上げるというふうな対策をとる。女性の就業継続等の対策をとるということで、現状64.9%が2017年には69~72%になるということでございます。それから、60~64歳につきましては、高齢者雇用安定法という法律が完全実施をされるものですから、飛躍的に就業率上がるという想定をいたしておりまして、男性につきまして、2006年は67.1%が2017年には79~80%になるという想定ございます。女性につきましては、手元の数字がそれほど高くないということでございまして、少し伸びるというふうな推計をいたしております。それから、65~69歳につきましては、現在70歳まで働ける企業ということで対策を進めておりまして、そういった効果がそれなりに出るのではないかという想定でございまして、現在、45.7%の男性の数値が50~51%になるということでございます。女性につきましても若干の延びが見込まれるということでございまして、これにつきましては、下の注で計量モデルを用いて推計したという推計の経緯が書いてございまして、最終的には2030年までの推計で、これは2012年、2017年というのは途中の数字でございます。こういう数字も数値目標として設定をするという考え方でございます。
  1枚戻っていただきまして、就業希望者の就業の<2>第一子出産前後の女性の継続就業率でございます。これにつきましては、現在、38%という数値がございますけれども、継続就業を希望する女性が全て継続して働いたケースが55%ということでございまして、そういった数値を10年後に置いているということでございます。
  それから、<3>男女の育児休業取得率でございますが、これにつきましては、すでに子ども子育て応援プラン、これは平成16年の12月に決定されているものでございますけれども、その中で女性80%、男性10%という目標がすでにございまして、それを用いてございます。この考え方も育児休業取得を希望する方が取得した場合にはこうなるという数字でございます。
  それから、<4>労働時間等の課題について労使が話し合いの機会を設けている割合でございますが、これにつきましては、労働時間を短縮していくといったような取組につきましての入口だという考え方でございまして、現在、38.6%の企業でこういった機会を設けておりますが、これにつきましては、10年後、全ての企業で実施をするというのを目標にしようということでございます。これにつきましては、労使委員会のような堅い仕組みではなくて、何がしかの形で労使が話し合いの機会を設ければいいという考え方で調査等がなされております。
  それから<5>でございますが、週労働時間60時間以上の雇用者の割合でございます。これにつきましては、長時間労働を抑えるということで非常に重要な指標だと思っておりまして、すでに子ども子育て応援プランで、平成15年には12.2%だったものを、平成20年には1割減にするという目標がすでに設定されております。これはすでに達成されておりますので、それを更に飛躍的に延ばすということで、5年後2割、10年後半減といったような目標を設定させていただいております。
  それから、<6>年次有給休暇取得率でございますけれども、これにつきましても、子ども子育て応援プランですでに数値がございまして、これにつきましては平成20年55%以上という目標でございます。現状46.6%で、なかなか達成しそうにない状況でございますけれども、以前、歴史的に見ますと、56%というのが一番高い数字でございまして、そういう率だったら達成できるはずであるということで、5年後60%、10年後は理想の姿として完全取得というふうに書かせていただいております。この完全取得につきましては、100%に限りなく近いという意味でございますけれども、何があるかわからないということで年休をどうしても残される労働者の方もいらっしゃるということで、数字を100と書けないということもございまして、漢字で完全取得と書いてあるということでございます。
  それから、<7>メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所割合でございます。これにつきましては、平成14年、300人以上の規模の企業で規模別にそういった数字がすでに掲げられてございまして、これを着実に伸ばしていただくということで、5年後90%、10年後は全ての企業で実施ということで、300人以上規模の企業につきましてこういった目標値を設定させていただいております。
  それから、<8>働き方の柔軟度でございまして、上のテレワーカー比率につきましては、勤務場所の柔軟度ということで、すでに倍増という政府の決定がなされておりますので、それをそのまま使わせていただいております。それから、短時間正社員制度の導入につきましては、育児ということで、育児期間中について短時間を導入している30人以上規模の企業はすでに50%ございますけれども、ここで想定しておりますのは、育児・介護といった制度を導入している企業が多いのですけれども、それ以外の短時間制度というのは少ないということもございまして、育児・介護プラスα、何がしかの形のものを組み合わせた形で短時間制度を導入していただいている企業を、5年後25%、10年後50%に持っていきたいという目標値でございます。
  <9>でございますけれども、自己啓発につきましては、自己啓発を行っている労働者の割合が現在そこに書いてございますけれども、10年後の70%、50%の数字は、これは自己啓発したいという労働者の割合でございまして、これをそのまま理想値として使っております。それから、応援している企業につきましては、現在そこに書いてある77.3%、38.0%という数値がございますが、自己啓発を行っている労働者の割合の伸び率と同じように、支援している事業所が伸びるという考え方に従いまして、大体つかみで10%ずつ伸ばすという考え方でございますが、正社員につきまして95%といいますのは、100%というのは難しいのではないかということで95%という考え方にいたしております。
  それから、<10>6歳未満の子どもをもつ男性の育児・家事関連時間でございますが、これにつきましては、子ども子育て応援プランで、すでに先進国並みにするというふうな目標が設定されてございます。現在60分ですけれども、先進国と言われる国の中でフランスが一番短くて2時間半という時間でございますので、フランスの水準を10年後の水準として設定させていただいております。
  最後に、その他検討中ということで、保育等の子育てサービスを提供している割合というのがございます。これにつきましては、予算と直結するということもございまして、財政当局等との調整も必要ということでございまして、具体的な数字は現在書いてございませんが、今後検討して盛り込んでいきたいと考えているものでございます。
  以上でございます。

 

○樋口座長 ありがとうございました。そうしましたら、もう1つございましたワーク・ライフ・バランス社会の実現度指標の考え方につきまして、「男女共同参画会議 ワーク・ライフ・バランスに関する専門調査会」において議論なさっているかと思いますので、男女共同参画局の神田課長から説明をお願いいたします。

 

○神田課長(男女共同参画局) よろしくお願いします。では、資料4に沿って説明をさせていただきたいと思います。
  まず、ワーク・ライフ・バランス社会の実現度指標とは何かということですが、そこに書いてございますように、仕事、家庭生活、地域生活等の幾つかの視点から、我が国の社会全体で見たワーク・ライフ・バランスの実現の状況及び官民の取組状況を数量的に示し評価するものだということでございます。
  では、なぜそういう指標をつくる必要があるかということですが、2の(1)の目的ですけれども、ワーク・ライフ・バランスの実現の状況及び官民の取組状況について、数量的にはかり、分析・評価することにより、ワーク・ライフ・バランス社会の実現の阻害要員、また取り組むべき政策、政策の優先度を把握することを目的とするということで、PDCAサイクルの中の1つのツールというふうに考えてはどうかということでございます。ここで恐縮ですけれども、一番後ろについてございますA3の1枚紙を広げていただきたいのですけれども、資料4の参考です。これがワーク・ライフ・バランスの実現度指標をイメージで示したものです。左側は、なぜワーク・ライフ・バランスが今必要なのかということを、社会、企業、個人レベルでの課題という形で書いています。
  ワーク・ライフ・バランス社会の実現の姿ということですけれども、まず2つの切り口があると思っています。1つは個人レベルで見るとどうか。もう1つは、それを支える環境としての官民の取組がどうであるかということだと思います。前者の個人レベルで見るということで、ここでは5つの場を想定しています。第1は仕事、働き方です。第2が家庭生活。第3が地域活動。第4が学習・趣味。第5が健康・休養ということでございます。こういう5分野でそれぞれの人たちが自ら希望するバランスでワーク・ライフ・バランスを実現するということが現実だろうと思います。ただ、それを指標化する際は、個人レベルでのワーク・ライフ・バランスを捉えることはできません。したがって、そこではどうしても個人の総体、要するに全体を積み上げたときに、社会全体としてどういう状況になっているかということで、個人の総体で見た実現指標ということになろうかと思います。それが右側に書いてあるものです。
  では、次に官民の取組はどうかということですが、ここは企業の取組として幾つかの政策がございますし、政府の取組としても幾つかの指標が出てくるかと思います。恐らくは、官民が共通に取り組むべきものということがかなりあるのかなと思います。こういった官民の取組指標をまた指標化するということ。この2つの指標をそれぞれ合成するということで、最終的には、ワーク・ライフ・バランス社会の実現度指標ということになると思います。
  それぞれ括弧の中に行動指針に盛り込まれる目標値というものが書いてございますが、恐らく今、御説明のありました目標値の中で、やはりこういうものをはかるのに適していると思われるものについてはここの中に入ってくるだろうと思います。そうしたものについては、達成度についても評価できるのかなというふうに考えております。
  では、ワーク・ライフ・バランス社会が実現したらどうなるかということで、その下になりますが、成果として何が期待されるかということが書いてございます。この成果は、例えば企業の競争力、あるいは時間当たりの生産性、これは必ずしもワーク・ライフ・バランスの施策、あるいは実現だけで影響されるものではない。経済社会一般の影響をかなり受けるものだと思います。そういったものについては、ワーク・ライフ・バランスの指標の中に入れるのではなくて、中長期的な視点でチェックをしていくということです。実際に上がっているかどうか。もしそうでなければ、どうしてだろうかということで、中長期的に動向をチェックするということを考えています。それで、最終的には、その結果、多様性を尊重した活力ある社会、持続可能な社会が実現できるのではないかということでございます。
  すみませんが、もとの資料の1ぺージに戻っていただきたいと思います。2の基本的な考え方の(2)です。ワーク・ライフ・バランス実現に向けた社会全体の方向性でございますが、ここでは、ワーク・ライフ・バランスというのはあくまでも個人で実現をしていくものですけれども、それをアグリゲートした働く人々全体で見ると、やはり現状の働き方がややワーク・ライフ・バランスの妨げになっているということもあるのではないか。それで、私どもは、個人レベルではなく、社会全体のアグリゲートで考えるということも意味があるというふうに考えている次第です。そこはその趣旨で書いてあります。
  (3)は、活動分野ということで5分野ありますと。ただ、一番最後に書いてありますが、官民の取組指標については、何がどの分野に影響するのかというのはなかなか決めにくい点がございますので、そこについては5分野に分けずに1つのグループにしたいというふうに思っています。
  (4)実現度の捉え方ですけれども、これは個人が希望する形でさまざまな活動を選択することができるように制度・環境の整備がなされ、その結果、個人の希望がかなうことをもってワーク・ライフ・バランスの実現が高まるというふうに考えているということでございます。
  その次の紙ですけれども、ちょっと具体的にどういうイメージでつくるのかというのがまだわかりにくい点があると思いますので、別紙を使いながら説明をしたいと思います。
  ここでは、先ほどの2つの切り口のうちの前者、個人の総体で見た実現指標というものはどういうふうなグルーピングでつくっていくのかということです。まず仕事、働き方ですけれども、仕事が仕事以外の活動の充実を妨げず、人生の段階に応じた柔軟かつ過重な負担とならない働き方をしているかということです。その下のポイントにございますように、希望する働き方を実現する機会が設けられているか。例えば企業から見て、フレックス、あるいは裁量労働みたいなことを採用している企業はどのぐらいあるか。あるいは、育児・介護のための勤務時間の短縮制度などをどの程度の企業が実際に導入しているのだろうかということを指標としてとりたいというふうに思っています。
  次のポツですが、そのもとで柔軟な働き方を実際に選択できているのだろうかということです。これは、従業員側、あるいは雇用者側に立ちまして、テレワーカー、あるいは短時間雇用者というものがどのぐらいいるのだろうか。あるいは、家族の転職・転勤のために離職を余儀なくされているような人たちがどのぐらいいるのだろうかというような問題。また、その選択肢が、待遇がちゃんと公平であるかということもやはり選択する上で非常に重要なポイントになると思います。それで、正社員とそれ以外の間の賃金格差、いろいな要因がありますので、ここはなかなか難しいところがありますけれども、そういう公平性の観点も盛り込みたいと思っています。
  3つ目は、多様な主体が希望に応じて働けるかということですが、これは女性の参加、就業希望率、実際それが実現しているかというようなこと。女性、高齢者がどれだけ労働市場に参加しているのだろうかということ。また、女性が参加していても、例えば勤続年数が短いというような問題がございます。それは、男性と女性の平均的な勤続年数を比較してみて、その差をとってみるというようなことも考えたいと思います。また、先ほどの目標にもありましたが、第一子出産後の就業継続割合はどの程度なのかということも女性の継続を見ていく上では重要な指標だと思います。
  4つ目は、過重な負担となったり、生活の維持ができないような働き方をしていないかということですが、これは文字どおり、過重な労働になっている人、先ほど週60時間ということもございましたが、その労働者の割合。あるいは通勤時間のようなものが入ってくるだろうというようなことを考えております。
  IIの家庭生活ですけれども、これは例えば家族で過ごす時間とございますが、家庭での平日の在宅時間がどのぐらいだろうかということを男女でとってみる。また、その次の家庭内での男女の家事・育児等への関わりはどうか。これは、実際に育児あるいは介護に男女がどのぐらい関わっているかということを男女比でとっていきたい。男性と女性の割合ですね。どのぐらいの割合で分配しているかを入れていきたいというふうに考えています。
  また、3つ目の地域活動。これは、地域活動といっても広い意味でして、ボランティアもあれば、交際・つき合い、社会的なネットワークがどのぐらいできているのだろうかということです。実際には、ボランティアの参加率、あるいは参加時間、何人ぐらい参加しているかというようなこと。地域つき合いも同じです。どのぐらいやっているか、どのぐらいの時間を使っているかということです。また、多様な主体がそうした行動に参加できているかということで、男性・女性、高齢者、年齢別に見てどのような特徴があるか。働き盛りの人が参加できているのだろうかというような視点で見てみたいと思います。
  4つ目は、学習・趣味・娯楽ですけれども、学習・趣味・娯楽のための時間はあるかということでは、やはり学習・趣味にどれぐらいの人が参加しているか、行動しているか。また、行動時間はどのぐらいかというようなこと。また、実際に行動している人々の多様性はどうか。男女、年齢で見てどうだろうかというようなことをやってみたいと思います。
  最後は健康・休養。これは働き方とも非常に関係あるところですが、仕事を通じて心身の健康を害することはないかということでは、仕事を理由としたストレスをどのぐらいの人が持っているのだろうかということです。また、休養のための時間はあるかということでは、有休取得率とか、あるいは休養・くつろぎをどのぐらいの人がやっているか。それも生活調査みたいなものでとれますので、そういったことをとっていきたい。また、十分な睡眠はとれているのだろうかというような指標がございますので、その辺を組み合わせていきたいと思っています。
  それぞれ今申し上げましたのは個別の指標ですけれども、最終的には、その個別の指標を合成して、1つ、あるいは幾つかの指標にまとめて、なるべくわかりやすい形でワーク・ライフ・バランスの実現社会というものがどういう状況なのかというようなことをお示ししたいというふうに考えています。
  私からは以上でございます。

 

○樋口座長 ありがとうございました。今、厚生労働省と内閣府の方から御説明いただきましたが、ほかの役所でこれに関わることが前回から議論が出ておりますが、いかが御検討いただいていますでしょうか。まず、経済産業省、どうでしょうか。

 

○大川室長補佐(経済産業省) 検討というと。

 

○樋口座長 目標値であるとか、そういったところについての検討、あるいは今後どうなさるかということは。

 

○大川室長補佐 目標値については、まだ検討がそれほど進んでいません。恐縮でございます。

 

○樋口座長 時間当たり生産性とか、この間から議論が出ておりますが、それについて御検討いただくことは。

 

○大川室長補佐 生産性の向上については、こちらにも書かれていますが、成長力加速プログラムですとかがあります。

また、経済産業省全体で生産性の向上に取り組んでおりますので、そういったものはもちろんやっております。ただし、目標値については、まだ政府全体で合意するというようなものはできておりませんので、それについては少し考えたいと思います。

 

○樋口座長 それでは、また今後検討いただくということで、文科省はいかがでしょうか。

 

○伊藤課長補佐(文部科学省) 文部科学省といたしましても、数値目標等々につきましては、まだこれについて深く検討しているという段階には正直ありません。持ち帰りまして、これについて文部科学省全体としてどのように考えるかということについては、内部で検討ということになろうかと思います。

 

○樋口座長 では、今日の議論を踏まえまして、また御検討いただければというふうに思います。
  それでは、今日、多々御説明をいただきましたので、幾つかに分けて御議論いただけたらと思います。
  まずは、「憲章の骨子案」及び「行動指針に盛り込む内容」について、濱田参事官の方から御説明がありましたが、その点について御意見、御質問をお願いいたします。

 

○坂田委員 まず感想として、憲章の冒頭の書き方ですけれども、いきなり否定から入っている。これに非常に違和感を感じます。「我々の生活は仕事が全てではない」と。確かにそれはそのとおりなんでしょうけれども、何も仕事というものをこんなばっさり切り捨てるような書き出しをしなくてもいいのではないかと思います。考え方はいろいろありましょうけれども、大よそ働く者にとって仕事は生活の中心である。これは、時間が長くても短くても、生活の中心であるということは今も昔も変わるものではない。しかし、仕事のし過ぎであるとか、その他課題が残っているとすれば、それで、弊害があるなら、それにみんなで対処しましょうと、こういう持っていき方にすべきではないかと思います。つまり、いきなりノーから入るのではなくて、イエス・バットというような、より納得してもらえるような書き方が必要ではないか。
  その上で、憲章とはどうあるべきかを考えたときに、やはり多くの国民に現実に読まれ、親しまれるということが大事ではないだろうか。その上で、趣旨がきちんと理解されていくということが大事で、そうしますと、やはり簡潔さとわかりやすさというのが求められるのではないかというふうに思います。その意味では、ちょっと分量は多いし、わかりにくいところもところどころ見られるというふうに思います。具体的には数カ条ぐらいでいいのではないかというふうなイメージを持っておりますけれども、もしそれで語り切れない、表現し切れないというのであれば、別に解説をつけるなり、そういう工夫があっていいんじゃないかというふうに思います。
  それから、ワーク・ライフ・バランスの必要性ということですけれども、これも今後
  10年という話ですから、経済の変動であるとか、それから市場を巡る環境変化によっても変わり得るし、どう変わっていくか実は誰もわからないような部分がございまして、ひょっとしたら、この言葉自体なくなっているかもしれない。そういうことを考えると、緊要性などに余り多くの字数をここで割いて分量を増やす必要はないのではないかというふうに思います。
  それから、ちょっと細かい話になりますが、いろいろと書いてある中で、3ぺージの「ワーク・ライフ・バランスが実現した社会の姿」というところで、<1>、<2>、<3>というふうにあるわけですが、<1>と<3>と違って、<2>だけが具体的な手法まで書き込まれている。長時間労働の抑制、年次有給休暇の取得促進、ここだけが各論で不自然ですので、ここに置く必要はないだろうというふうに思います。
  それから、長くなりますけれども、各主体ということで企業、働く者、国民、政府というふうに書いてございますけれども、これを憲章の段階で細かく書く必要はないのではないかと思います。というのは、基本的にこれはそれぞれの主体が自主的に考えて、企業と働く者であれば、これは労使自治の中で考えていくべきことではないかと考えるからであります。
  こういうことを考えますと、憲章の姿としては、1つにはワーク・ライフ・バランスの定義といったものを含めた簡潔な前文があって、その上で推進の意義、めり張りのある働き方を通じて生産性が向上し、企業の競争力の維持強化を伴いながらというような意義、そして3番目に目指すべき社会の姿。役割については、ここでは憲章の段階では政府の役割を置くぐらいでいいのではないかというふうに考えております。
  以上であります。

 

○樋口座長 ほかにいかがでしょうか。

 

○横山委員 憲章のところにも、1の働き方の問題で、現実の社会の中で「働く意欲がありながら安定した仕事に就けず、経済的に自立することができない」というふうな文がございます。また、これを受けた行動指針の中の一番左の上のところでございますが、「みんなが仕事があり、自立できる」というところに何回か出てきてございますけれども、経済的自立という文が2回ほど出てきているかと思います。その中では、これは非常に大切なものだと思うのですけれども、現実に今、仕事に就けないというところも増えている。もう一方で問題なのは、仕事に就いていたとしても、実際、生活水準を維持できるような働き方になかなか収入という面では追いついていかないといった側面がございます。そういうところが前提としてあるのであれば、この行動指針の中の政府の取組のところですけれども、これを受けた形で、生活できる水準の確保という観点での新しい最低保障制度や生活保障の制度の構築について、いろいろあるかと思うのですけれども、視点としては、1つは非正規労働者、なかなか仕事に就けない、なかなか新しい仕事が見つからない長期失業者の部分、それから貧困層等の自立に向けてというところの新たな支援というようなものの創設であるとか、それから、社会や労働保険の機能というような部分での新たな最低生活の保障のような、そういった部分制度の構築を入れていく必要があるのではないかというところでございます。
  以上です。

○樋口座長 では、古賀さん、どうぞ。

 

○古賀委員 私が言うのは何ですけれども、私も「我々の生活は仕事が全てではない」というのは非常に違和感がございまして、書きようは、正直言って、先ほど言われた仕事が生活の中心であるというのもいかがなものかと思うんですよね。ここは、やはり本当にバランスがとれた生活が求められるみたいな、そういう表現にすべきだというふうに思います。
  それから、憲章のスタイルですが、先ほどおっしゃったように、ぜひわかりやすく親しまれることが重要ですけれども、それは打ち出し方のときの例えばダイジェト版をつくるとか、そういう問題であって、やはり憲章というものについてはこれぐらいのボリュームできちんとやるべきではないかというふうに私は思います。
  それから、しつこいようでございますけれども、何度か言ってきたのですが、やはり指標で示す施策が具体策に結びつけなければ意味がないんですよね。そういう意味では、もちろん数値目標として全体の格好で今、行動指針は出されているわけで、それはそれとしても、少なくとも全体の指針の数値目標というのは個別の積み上げであることは事実ですから、やはり私がこの前言ったように、例えば次世代育成支援計画のようなスキームをつくって、そして、その中で各企業労使や企業や自治体がそれぞれ目標を掲げて行動計画をつくっていく。そういう枠組みをつくらないと、本当に具体的に結びついていくのかという疑問がありますので、そのことをあえてまた提起をしておきたいといふうに思います。
  以上です。

 

○樋口座長 ほかにどうでしょうか。

 

○八代委員 まず最初に骨子案の方ですけれども、これは別に今後10年間で日本の景気がどうなるかとは関係のない話であって、不況になろうが好況になろうが、やらなければいけないことです。また、女性の就業率が高まり、高齢者が増えてくる。そういう構造変化の中で、今までのような専業主婦付きの壮年男性を前提とした働き方がもたないというのは自明のことでありますから、そこはやはりきちんと書く必要があるのではないか。そういう意味で、緊要性ということは当然のことだろうと思います。長さは趣味の問題ですけれども、憲章だけ読んでもある程度わかるような内容のボリュームは必要かと思われます。
  それで、1ぺージから順番にいくと、「世帯の変化」の中で、「共働きの世界が夫婦世帯の過半数」というのはちょっとあいまいな数で、これはサラリーマン世帯の過半数ということですね、自営業を入れればそれはとっくになっていますので。
  それから、「経済構造の変化」ということで、何か競争が激化したからこれをやらなければいけないというのは抵抗がある。つまり非正社員が増えたのは競争が激化したせいだというようなことを言えば、高度成長期の方がよほど競争は厳しかったわけです。やはり長期経済停滞が非正社員を増やした1つの大きな要因ではないかということです。
  それから、2ぺージ目の「『働き方』の見直しが進まない要因」というところで、働く者はその時間を仕事に傾注するという旧来の働き方ということですが、ここにぜひ男女の固定的な役割分担というのを入れていただきたいわけです。つまり、前にも言いましたように、世帯単位ではワーク・ライフ・バランスはすでにあるわけで、それを男性も女性も個人単位でワーク・ライフ・バランスをするという意味では、固定的役割分担というのがキーワードではないかということです。
  それから、余り企業にお説教するなというのは、私もそうは思うのですけれども、今の先進的な企業はこんなことはとっくにやっているというふうに思いますけれども、しかし一方で、ある程度そうでない企業の方が大部分なので、やはりこういうことはお願いすべきではないかという形で書くというのは、第3章の場合、大事ではないか。
  第2章の中で高齢者をどこかに入れていただけないか。つまり、ワーク・ライフ・バランスというのは若者や子育て中の母親だけではなくて、高齢者が基幹社員として働ける。残業をしなくてもきちんと生産性を上げられるというような働き方は、これからの高齢者の活用のためには不可欠であろうということであります。
  その中で、先ほどちょっと神田さんが言われたことですが、通勤の問題です。つまり、この前、電機労連の方が言われたときに私も言いましたが、企業の中でも長時間通勤に対するインセンティブが出るような通勤手当というものがある。これはぜひ中立化する必要がある。それは労使の自治で決めることでありますけれども、少なくともそういう問題意識を持っていただきたい。
  同時に、政府の方には働き方に中立的な税・社会保障制度というのがありますが、企業にも同じように、例えば配偶者手当というのは男女の固定的な役割分担を促すようなインセンティブであるわけで、これもぜひ普通の賃金、あるいは子育て手当とか、そういう就業に中立的な形に変えることが望ましいのではないか。
  それから、地方自治体に関するところでは、これは政府の方だと思いますが、やはり地方分権ということはここでもきちんと言っていただきたい。つまり、地方自治体が地域の実情に応じた展開をするためにはやはり分権が不十分であって、例えば一例を挙げれば、保育所の設置基準も都市と農村では基礎的環境が全然違うのに、画一的な基準が国から置かれている。そういうものもできるだけ地方に任せることで、初めて育児・介護などを抱える社会的な基盤づくりが地域レベルで構築できるのではないか。ですから、政府の役割にかなり重点を置いてやる必要があるというのは全くそのとおりだと思いまして、これで見ると、企業の方が政府より長いので、それはやはり逆にすべきではないかと思っております。
  以上です。

 

○佐藤委員 憲章の骨子案は皆さんからいろいろ御意見がだされたので、資料2の行動指針ついて意見を述べさせて頂きます。憲章で書かれたことを踏まえて、それぞれのアクターがワーク・ライフ・バランス社会を実現するために何を具体的に行動するかということがわかるものを行動指針に盛るのだと思うのですけれども、資料2を見ると施策がたくさん書いてある。それを見ると、今までいろいろなところで挙げられた、いろいろな施策をみんな放り込んだという感じがしないでもなくて、ある面ではみんなやってきた。では、なぜワーク・ライフ・バランス社会が実現できないのということにもなりかねないので、私は、それぞれが大事じゃないとは言いませんけれども、柱ごとにそれを実現するために、多分、数値目標も入るわけですから、それぞれで一番優先度の高いもの、あるいは、ワーク・ライフ・バランス社会のそれぞれの柱を実現する上で、寄与度がより重要なものを選んで載せたらどうなのか。つまり、今やっていること、やるべきものをすべて並べるのではなくて、これだと行動指針が 100ぐらいなるでしょう。私は、15とか20はわかりませんけれども、それぞれアクターが少なくとも5年間、これは絶対やるんだというものがはっきりわかるものにするということが大事なのではないかと思います。例えばみんな仕事があり自立できるといった柱であれば、企業としては、少なくともこの2つはやる、あるいは国としてこの2つはやると指針を絞るべきです。それと下にある数値目標をリンクさせて、行動指針で数値が達成できるものだということがわかるようにしないといけい。現状の提案ではそれぞれのアクターが何をやればいいのか。あるいは、それをちゃんとやったということがわからないのじゃないかという気がします。これまでのいろいろな政府の大きな取り組み、若者自立挑戦プランもそうだったと思いますけれども、各府省がそれぞれの政策を入れようとすることは、前にも言ったのですが、それはぜひやめてほしい。
  ですから、何が重要なのか。これまでやってきたものが乗ってもいいのです。それが重要であれば。あるいは、新しくやらなければいけないことは何なのか。重要度が高いわものに関しては、当然それを実行する上での予算的裏づけがわかるような形で出していただきたいというのがお願いです。

 

○大沢委員 私も、資料1の最初の「我々の生活は仕事が全てではない」というところですが、ここについては、それぞれの人が多様な希望を持っているという形で考えていいのではないか。仕事中心の人もいるだろうし、家族中心の人もいるし、そういう多様な価値観というのがそれぞれに尊重される社会ではないのではないか。どちらもバランスしなくてはいけないというふうに捉えるのではなくて、そういうところを強調した方が、さまざまな人がさまざまな価値観の中でバランスをとろうとするときに、とれていないと感じている人が非常に増えてきたというような形の議論にしていくと、私たち国民にとってはむしろわかりやすく感じると思います。多くの6割ぐらいの人がバランスをとりたいと思っても、とれないという現状があるわけですが、中には、もっと家庭を中心にしたいという人もいるので、そこら辺を配慮した書き方がいいかなと思います。そして、なぜそれができなくなってきたかというと、多分、世帯の構造が変化して、経済の構造が変化したという両方の面で希望と現実のギャップが大きくなっていって、結果として労働生産性が下がったり、格差が大きくなったり、あるいは社会保障の長期的な維持が困難になったりといった問題が起きている。最終的にそれを見ると、働き方に起因した問題が今の日本の問題なのだというような形で、憲章を単純にわかりやすくしてみたらどうかというふうに思います。
  その中でもう1つは、私たち個人・企業・国それぞれが、新しい時代に向かって変わっていかなければならない役割とありますが、やはり国の役割も非常に重要であって、どういうライフスタイルを選択したとしても損しない、同等に評価される社会保障制度・税制度であるのかが、今問われているように思います。どういう選択も尊重して、すべての人が社会システムの中に組み込まれ疎外されていないと感じられるような社会の仕組みをつくる。そのために、みんなが自分のワーク・ライフ・バランスがとれるようにするのがこの憲章の目的であるというような位置づけをしてもいいのではないかと思いました。感想です。

 

○樋口座長 ほかにいかがでしょうか。

 

○田中委員 前回少し表にまとめて頭を整理しました。自分なりに整理したのを今日お配りしたのですが、そこで今、憲章と行動指針について少し私なりの意見をお話ししたいと思います。憲章の中にいろいろと混在している話がたくさん載っており、私の頭の中では整理がつかないので、こういう整理をつけました。
  それから、行動指針についてもやはり整理がつきません。先ほど坂田委員が言ったように、働き方に起因する諸問題というようなことから始めていく話ではないのではないかと思います。まず、ワーク・ライフ・バランスの実現というのはどういうイメージなのかというようなことが、直近の問題点ではなくて、理想としてちゃんと語られないといけないのではないか思うのです。もちろん、働きと暮らしのバランスのとれた多様なライフスタイルの実現というようなことなのかと思うのですが。それともう一つは、成熟した社会人の育成というような項目がないと、いろいろな場合の中で、社会参加とか社会人としての役割が登場する場面がなくなります。ですから、そういうことをちゃんとイメージでうたうべきだと思います。それをブレークダウンして一体イメージがどうなのか。先日来お話ししている、いきいきと働いたり、豊かに暮らすというようなことのイメージを掲げるのがまず憲章の話ではないかと思うのです。
  その後に、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、各役割分担の行動指針が出てくるということが大事だと思います。そうでないと、国民はわかりません。今ここで出てくるほとんどの話は、労使間の話としてしか捉えられないですね。ですから、話が膨らまないと思います。事実、ここに出ているほとんどのことも労使間の話しかないと私は感じます。まず、働き方ということについても、多様性とか、いろいろなことを言っている割には、労使間の話しか出てきていないですよね。それをもう少し整理をしていただきたいと考えました。
  特に私が感じるのは、10年ぐらいを考えて一番大きな問題は、急速な高齢化だと思います。急速な高齢化に対応するためには、年寄りも働けという解決策しかここには見えていないんです。そんな話ではないでしょう。いつまで働かせるんだというのが国民の一番大きな意見です。そういう話の中ではワーク・ライフ・バランスを語れないと私は思います。例えば、高齢者は所得確保のために仕事をすることから、生きがいの追求とか、社会貢献といったような視点で働くというような視点が出てきていいはずですが、ここにはどこにもそういう要素がないです。高齢者の就業率がファクターに出てくるのは、本当に普通の国民として腹がたつと思うんです。そういったことに対して、例えば年金や社会保障が成り立たないことを、企業とか個人にツケを回すのはおかしいと思います。そういったことをちゃんと議論をしてほしいと思うんです。
  そういうことが至るところで全体の話の中で抜けているような気がするのです。労使間の話しか見えない。やはり社会としてどういうことを考えていかなければならないのかということが見えていないような気がします。豊かに暮らすということはどういうことなのかどこにも出てきていないですよね。そういう話を言うと、やはり働き過ぎで大変だからという話だけですが、これは労使間の話です。それは理想に掲げる話ではないように思うので、ぜひもう一度検討いただきたい。私の感じていることについて言えば、ワーク・ライフ・バランス憲章という議論にはなっていないような気がします。
  ちょっと先に言ってしまったのですが、それはそんな難しい話ではなくて、もう少しイメージを簡単に出せばいいだろうと思うのです。私が考えているのは、ここで言っているようなワーク・ライフ・バランスの実現とか、ワーク・ライフ・バランスのイメージをしっかりうたえばいい。それから、できること、できないことがあるとは思いますけれども、そういう社会にしていこうというような方向性を出さないと、やはり今目の前にある問題だけ解決しようということでは、そうならないような気がします。
  とれあえず憲章についてはそういうことです。

 

○八代委員 今提起されたのは重要な問題ですが、若干誤解があるかと思うので、その点だけちょっとコメントさせていただきたいと思います。
  まず、高齢者の就業率を挙げたのは諮問会議の方なので、それは働きたくない人に無理やり働かせろという意味のターゲットではなく、これは既婚女性もそうですが、働きたいと思っていてもなかなか働けないような制約条件が既婚女性にも高齢者にもある。例えば定年制もその1つですし、それから高齢者になると一種の年齢差別的な取り扱いを受ける。アンケート調査をとっても、働きたい高齢者はたくさんいるわけで、そういう人たちが充実した働き方ができるようにする。高齢者の就業率も、まさに希望率との関係でいろいろな形でとっていると思いますので。それはとり方もあります。だから、決して無理やり働かせるという思想はここには全くないはずです。
  それから、企業や個人にツケを回すなということですが、政府は税金を取って仕事をするわけですから、結局それは企業や個人の負担にならざるをえない。高齢化というのは国民全体でちゃんとカバーしていかなければいけないので、今それが非常に非効率的な形になっている。働きたいと思っても働けないような人がいる。だから、それは結果的に、どうやったら効率的に分担できるかという問題ではないかと思います。また、成熟した社会人という言い方が私はむしろ引っかかる。そういうことは政府が言うべきことかどうか。むしろそれは個人が考えればいいことであって、政府が考えることではないんじゃないか。
  労使関係が全てではないとおっしゃいましたが、自営業の人はかなり自由な働き方が今できるわけで、まさにワーク・ライフ・バランスをやろうと思えばできる。問題は、やはり労使関係というのはいろいろな制約があって、企業の方も労働者の方も、過去のいろいろな制度・慣行に縛られていて多様性がなかなかとれない。だから、どうしたら多様性がとれるかということを考えるのであり、労使の問題は労使だけで考えればいいということではないわけです。やはりそれは非常に多くの影響を持っている。だから、こういうところで考える必要があるのではないかということです。ちょっと誤解があるかもしれませんが。

 

○田中委員 今のお話に関係するのですが、例えば急速な高齢化に対応するということについては、もっと時間をかけて解決してもいいのではないかと思うんです。例えば、今、とりあえずの瞬間的な解決策ではなくて、少し息の長い解決策を導入したらどうかと考えているので、そういう意味では、瞬間的に企業とか個人にツケを回している早急な解決法では解決できないのではないかという意味で私はお話をしました。
  それから、自営業は自由に選べるのではないかというようなことを言われますけれども、自営業に対して、やはり労働時間であるとか、いろいろなことについても同じように問題が出ているように思います。それから、地方の過疎化といったことも含めて、そういったことを取り上げなければ解決策にはならないような気がします。
  それから、生産性というようなことばかり考えていますが、社会の役割分担から言えば、やはり高齢者について、社会のサービスの方に回っていただくようなことも1つ誘導することもある気がします。高齢者が働く機会を失っているというのは、私どもの会社もそうですが、年金がもらえるような状態で、ある程度時間が短くて、所得にこだわらないで勤められるような状況であれば、高齢者の方は企業にとどまっていられると思いますし、企業もそうしてほしいと思っています。ただ、今の状況で言うと、年金が払えなくなっている、支給の年がどんどん上がっていくから、その部分は企業で働くことしかしようがないねというようなイメージにしか我々企業は捉えられません。根本的な解決策をもう少し議論した方がいいのではないかと思います。

 

○八代委員 過疎化はもちろん大きな問題ですが、それはまさに、例えば経済財政諮問会議とか、いろいろなところでやっているわけで、このワーク・ライフ・バランスの会議でまた過疎化を議論し始めたら、発散してとても収拾がつかないのではないか。大事なことであるのは全くそのとおりだと思いますが。だから、ある程度ワーク・ライフ・バランスというのをもう少し狭く議論しないといけないのではないか。そうしないと収拾がつかないということが1つ。
  それから、つけ焼き刃でやってはいけないというのはおっしゃるとおりで、ここで議論すべきことは、当然、10年をターゲットにおいて長期的な改革であることは全くそのとおりですが、スタートは直ちにしないと、すでにもう遅れているわけです。高齢化の問題もおっしゃいましたが、こんなことは20年、30年前から言われていることで、それなのに十分な高齢化に対する社会保障制度も含めて対応がとれていないわけで、長期的な問題だからじっくりやればいいということにはならないのではないかと思います。
  それから、年金の支給開始年齢を上げているのは、政府が勝手に上げているわけじゃなく、まさに人口構成の変化からそうせざるを得ないのであり、決して企業にツケを回しているわけではない。寿命が延びていれば、それだけ働く期間が延びるというのは、ある意味でほかにツケを回すことはできないわけですから。では、なぜ労働者が長期にわたって企業の中で働けないかというと、それは年功制とか、さまざまな過去の制度・慣行がいわば邪魔をしているわけです。だから、それはエイジフリーといいますか、年齢に関わりない働き方に変えていけば、別に働きたいと思う人はいつまでも働けるわけで、あるいは、まさにワーク・ライフ・バランスとか、フレキシブルな働き方があれば、年をとってきつくなればそれだけ短時間で働くという柔軟な働き方ができるのではないか。それを妨げているのは、やはり今の労使慣行にあるのではないかという問題意識で・・・。間違っているかもしれませんが。
  だから、労使関係がここの問題の中心にあるわけであって、それが中心でないかどうかはもう少しきちんと議論しないと、いつまでたっても意見がすれ違うので、そこはもう少し事務局の方でも、選択肢という形でもいいですが、そこが食い違っていたら全然この会議の意味がないので、きちんと整理する必要があるのではないかと思います。

 

○古賀委員 先ほど佐藤さんでしたか、提起のそういうオーダーとすれば、3ぺージの「ワーク・ライフ・バランスが実現した社会の姿」みたいなことを最初に持ってきても全然構わないと思いますよ。ここの文言や項目があれであれば、やはりこういうことだと思うんですよね、前段の。文言等々はいろいろ誤解がありますけれども。
  それと、私これを見ていて、すべてが労使関係かというと、そうじゃないと思いますよ。まさに一番最初にあるように、働く意欲がありながら安定した仕事に就けず、経済的に自立することができない若者たちがたくさんいるわけです。まさにこういうことは労使関係で解決できませんよ。
  それと、この前も言いましたけれども、5,500万人雇用社会ですよ。そういう中で、家族も含めれば、好むと好まざるとにかかわらず、やはり雇用される側と雇用する側という、それは労使の関係ではなくて、八代先生に言わせたら我々の組織率は18.2%ですから、そういう雇用される側と雇用者を含めて、その関係というのは日本社会の中で極めて大きな位置づけであるということは間違いないことじゃないですか。しかも、一日24時間のうち、少なくとも所定労働時間は少ないところでも7時間何ぼになっているから、7~8時間は過ごすわけですから、そういう労使関係というよりも、雇用される側と雇用の関係といいますか、ここが比重として大きくなるのは当然だと私は思いますけれども。

 

○樋口座長 今の御意見についていかがですか。

 

○坂田委員 これまでの議論と、それから示された資料を振り返ってみますと、この憲章と行動指針に書かれている全体像としてのワーク・ライフ・バランスですけれども、これはみんなで仕事をそれぞれが望むように分かち合って、仕事以外の時間は育児や介護に充てて、みんながハッピーだと。非常にばら色な将来を描いているわけですが、本当にそうなのかということを考えてみる必要があるのではないかというふうに思います。
  例えば、行動指針の底に一貫して流れるトーンに、例えば正社員については働く時間を制限ということですけれども、これはつまり働く側からすると、より短い時間で結果を出すということですから、今よりなおハイパフォーマーしか生き残れないということになる。更に、例えば制限時間を設けて、その範囲内で勝負するというのは実は大変過酷なことであって、一口に長時間労働と一把一からげで言っていますけれども、特にホワイトカラーにあっては内容に大きな違いがあるだろう。一方の極に、例えば、能力が高くて意欲も旺盛だから長く働く人がいる。これ仮にA君として、対極には、能力は開発途上だけれども、がんばり屋さんのB君というのがいる。このようなケースでも、A君とB君は入れかわりながら職業生活を送る。こういったことも現場ではよく見られるわけで、働きの長さだけに注目して内容に目を向けないのはどうかと思いますし、しかも、今の労働法では、アウトプットがどうであるかにかかわらず、時間だけで賃金が決まる。生産性を上げてがんばって、より短い時間で結果を出すようにすればするほど、ボーナスは別としても、月給は減っていくというようなことにもなるわけで、そのあたりの矛盾をどうするかということについて、このあたりには触れられていないわけですけれども、目を配る必要があるのではないかというふうに思います。
  思うに、こういったことを、何か事をなそうとするときには、もちろんメリットもあるわけですけれども、副作用もかならずあるはずだと思います。つまり、メリットがあれば、デメリットもある。それを比較して、こういういいこともあり、こういう悪いこともあるけれども、トータルでプラスだから踏み切るのだと。あるいは、今回は踏みとどまるのだというような議論が最初からないような気がいたします。ワーク・ライフ・バランス社会を、あらかじめ与えられた何か幸せな花園みたいに描いて、それに疑いをはさまない議論しかしないというのはちょっとどうかなというふうに思います。
  それと、先ほど私の話した働く者は仕事が中心ということに関して、ちょっと誤解があったようなので話をさせていただきますと、働く者で仕事が10の人、これは仕事が中心そのものだと思いますけれども、働く人で仕事が5で家庭が5という人、これは仕事も家庭も中心というふうに中心が2つできる、これが多様性ということだと思います。家庭が10の人というのは働かない人ですから、これはこれでいいというぐらいの意味合いで言ったので、一貫して多様性を認めて、それに対する寛容さが求められるのがワーク・ライフ・バランスだと言っているわけですから、仕事が中心なのが働く人だと画一的に言ったつもりではないということは御理解いただきたいと思います。

 

○樋口座長 今の御指摘は、「ワーク・ライフ・バランスの実現した社会の姿」といったときに、問題点もあるという話を入れろという御指摘ということでしょうか。

 

○坂田委員 最終形は国民に示すわけですから、別にそれを入れる必要はないですけれども、あるけれどもどうするかというのは、少なくともこういう議論の場では少しはあってもいいんじゃないかということです。

 

○樋口座長 では、ここでは社会の姿というのは、あまり問題点を書くと憲章にならないから、それはいいだろうということですね。

 

○坂田委員 そうですね。最終形を示すときにも何もそんなことをわざわざ言う必要はないと思います。

 

○樋口座長 わかりました。

 

○紀陸委員 全体的に論議の外延が非常に広がっているという感じがいたします。先ほど八代先生がちょっとお話しされましたけれども、憲章なり指針というのは、国とか自治体などが果たすべき役割は大きいはずなので、それをもっと書き込んで、全体的には国民運動ですから、当然企業の労使、もう少し広げて働く人と企業の役割を書き込むというような立てつけになるんじゃないかと思うのです。憲法論議で、健康で文化的な生活というのは何かというようなことはここで改めて論議するという話ではなくて、柔軟かつ多様な働き方をどうやってこれから挑戦していくか、そういう話だと思うのです。働き方の改革、その見直しの挑戦だというふうに思います。今、坂田さんが言われたように、先行きみんながハッピーになる世界を描いて、そこにいこうというようなことでなくて、毎日毎日いろいろな、5年なり、ここでは10年でしょうけれども、その間にどういう取組をみんなで協力してやっていったらいいか、その取組の課題を書きましょうという話であるべきと存じます。抽象的な論議をここでしていたらまさに切りがないわけでありまして、余り広げていって論議をすべきではないというふうに思います。そういう意味で、この憲章は、なぜ今こういうようなワーク・ライフ・バランスの見直しが必要なのかというような論議と、あと望ましい社会、基本的な柱は4つか5つですが、その辺の柱を書く。要するに、読んだ人が、しかも、ほとんどこの論議に参加していない人が読むわけですので、わかりやすさというか、納得感というは絶対必要なわけですね。そういう意味で、個別の労使はさまざまに柔軟に対応せざるを得ないわけです。ただし、国がやるべきこと、自治体がやるべきことというのはあるわけでありますから、そこはきちんと出していただきたいというふうに思います。
  憲章のほかに、次に指針の方の論議もしなければいけないので、こちらの方に移らせていただきますが、これは資料2で縦横にマトリックスになっている。要するに、指針は最終的にどういうふうな形にされるおつもりなんですか。同じことがたくさん書いてありまして非常にわかりにくい。狙っている趣旨はわかりますけれども、出し方として、憲章が1条から7条まであって、それぞれ各条に対応した補足を指針で書き込むというイメージになるのか。それに今度は指標がありますよね。数値目標と一番最後の実現度指標、このかみ合わせ方といいますか、全体像が姿として余りうまくイメージできないのですけれども、立てつけをどういうふうにされるのか、ちょっとそこら辺を教えていただければと思います。

 

○樋口座長 ほかになければ、今まで出てきた御質問について、事務局としてどう考えるかちょっと整理していただけますでしょうか。

 

○柴田政策統括官 まず、否定から入るのはいかがかという議論が出まして、まさにそういう議論を期待して書いたところです。というのは、何度も申し上げますけれども、今、紀陸委員のお話にもありましたけれども、ワーク・ライフ・バランスということを言っても、まだ聞いたこともないという方がほとんどだろうと思います。そういう方にどうやってわかっていただくかということを考えたときに、日常で感じているところから入るのが一番いいのではないかという考え方でこれをつくりました。ですから、先ほど多様性とか、そういうところから理想を掲げて書くということも当然私どもも考えましたけれども、そこからいくと、いきなり多様性と言われてもピンとこないなという感じになるのではないか。そこはもちろんどちらもあると私は思いますし、それはこの場でお決めいただければいいと思いますが、余り考えたことがない普通の方が、自分の日ごろ感じているところから解き起こしていった方が、よりわかりやすいのではないか。そういう考え方でつくらせていただいたのがこの案でございます。もちろん御議論いただきたいと思います。
  それから2番目ですけれども、労使関係ばかりじゃないかというお話がありましたけれども、これは、先ほど古賀委員がおっしゃったようなことと私どもも考え方は似ているのですけれども、やはり日本の社会、それから国民の大多数を考えたときには、ほとんど多くの人が職場と切れないだろうと。そうすると、そこにまずターゲットを当てないと話にならないのではないかということです。ですから、まとめ方も、国民と企業、働く者の取組というのを分けたのは、企業の場で経営側と労働者側が一緒に考えましょうという場の話と、家に帰れば、経営者であろうと、管理職であろうと、一般の労働者であろうと一国民ですから、そういう立場で整理した方がわかりやすいのではないかということで区分してあります。これも、もちろん御議論いただいて、これはおかしいというのであれば直していただければいいと思いますが、原案はそういう考え方でつくりました。
  それから、指針のイメージはどんなものかということですけれども、この前いろいろ議論がありましたので、それぞれの論点について表頭表側に掲げてとりあえず整理してみました。確かに、見ると、たくさんだということでありますので整理の仕方は考えようと思いますけれども、これまで議論では、行動指針の主体というのは、区別は我々のところでしましたけれども、企業、そこで働いている方、そして一般国民、政府の取組、これは自治体も入っていますから、やはりそれぞれに書いていくのがいいのかなと事務局のイメージとしては思っています。ただ、紀陸委員がおっしゃったように、例えば働く場でこういうことをするということと、それを政府の側で応援するということとは裏表の関係にありますから、どうしても主体別に書くと、それぞれが裏表に出てきてしまう。それぞれ似たようなことが出てきてしまい、語尾だけが違うというようになるので、そこは編集上どう整理するかというのは我々ももう少し考えてみたいと思います。けれども、一応、指針というのは主体に応じてどう取り組むかということで整理していくということであれば、左側の主体に応じて何をしていくというのを書くのが自然の姿ではないかと今のところはイメージしているということでございます。大きなところはそんなことかなと思います。
  それから、これは佐藤委員からお話がありましたが、厳選して施策を書くべきではないかというところにつきましては、これもまたこの場で御議論いただきたいと思います。ただ、政府のやるべきことを書くときには、ある程度5年のレンジで書くというのもあるのですけれども、例えば予算はどうしても単年度主義になっているものですから、正直言って非常に悩ましいところがあるということは御理解いただきたいと思います。
  以上です。

 

○樋口座長 多分、憲章にしろ、行動指針にしろ、わかりやすいものにしろ、ということは誰もがそう思うと思うんです。これに反対する人はまずはいないだろうと思うのですが、問題は、総論に対して具体的にどうすればわかりやすくなるかというところかと思います。
  時間のこともあるのですが、少し御議論いただきたいのは、今問題提起されたような身近な問題からスタートして、なぜワーク・ライフ・バランスというものが必要なのか、ワーク・ライフ・バランスというのはいかなるものかというようなことを書いた上で、それぞれのアクターの行動していくべきことを書いていく方法をとるのか。それとも、最初からワーク・ライフ・バランスが実現した社会の姿というところからスタートしていくのか。この点について決めていただいた方が、この後、具体的に作っていく上でやりやすいかと思いますので、御意見いただけますでしょうか。

 

○杉山委員 杉山です。こちらの方がいいという確固たるふうには思っていないのですけれども、私としては、やはり個人レベルのワーク・ライフ・バランスのあり方を優先させるよりは、社会的な要請に基づいた絵づらを書いた方が望ましいのではないかというふうに思います。具体的には、資料2で見たときにも、地域レベル、地方自治体の取組等々が書かれておりますけれども、地域を活用するということは、地域に何かを要請せざるを得ない状況が社会的要請としてあるというのは間違いのないことだろう。では、そこを支えるのは誰か。そのためには、個人レベルでのワーク・ライフ・バランスを推進して、そこを支える時間なりパワーをつくらなければいけないだろう。多分そういうことなんだろうというふうに理解しますので、そのロジックからいった場合には、まずはこの国の社会的なシステムとしてどういうありようがいいのかというのから入ったらどうかと思います。
  あと、ついでというわけではないのですけれども、国民の取組のところで1点だけ。これは、国民が消費者の一人として働き方に配慮するということで、そのとおりだろうとは思うのですけれども、多分、国民が一人一人配慮しても何も変わらないだろう。では、配慮させて、認識させて、行動させるためには、やはり政府・国として大きな旗振りをしないと、ここはなかなか意識改革は進まないだろうと思いますので、これは国民の取り組みだけに入れるのではなくて、やはり政府として、具体的なやり方は別にしましても、何らかの取組をするべきではないかというふうに思います。
  そこに関連すれば、第1回か2回のときに教育の関係も触れられていましたけれども、実際にワーク・ライフ・バランス社会をつくっていく上で、そこにおける価値観というのはここに書かれていますけれども、そういったものをしっかりと身につける教育というのは、一方でしっかり確立しておかないと、全く違う価値観で育ってきて、いきなりワーク・ライフ・バランスということにもならないでしょうという意味でのリンケージといいますか、整合性はしっかりとっておくべきだろう。そのためにも、どのような社会像がまずあるべきなのかという方が非常にわかりやすいのではないか。その社会像に向けて、労使も含めて何を努力すればいいのかというのを少しフォーカスする方が作業としてはやりやすいような感じがいたします。
  以上です。

 

○八代委員 
  今お話になったところでちょっと気がついたのですが、主体の中に「国民」というのを入れる必要があるのかどうかということで、国民というのは同時に働く者でもあり、あるいは地域住民でもあるわけで、地域住民でも労働者でもない国民というと、消費者なのかもしれませんが、住民も消費者であるわけで、何か「国民」という言い方が、わざわざ言うほどというか、今もおっしゃったように、国民として何か1つの統一的な行動をとれるような、政府や企業や自治体のようなパラレルな存在なのかというのが非常に疑問を持っております。それだけです。

 

○樋口座長 よろしいですか。

 

○田中委員 おおよその整理は皆さんのお話のとおりだと思うのですが、まず1つ、ここでもう一度確認したいのは、先ほど来、企業に勤めている労使関係にある人がまず1つのメジャーなターゲットだということはわかったのですが、例えば労使が運命共同体である中小企業であったり、個人企業であったりというようなところに対しては、ここではことさら対象にしないのか。もしくは、そういうところはどういうふうに考えるのかといったようなことをもう一度確認させていただきたいと思います。

 

○佐藤委員 労使関係といったときに、労働組合が組織された企業の労使関係を想定したものでなく、雇用関係の下で働く人という意味なのなのです。さっき皆さんは「雇用社会」と言われたわけですが、もちろん自営業や家族従業員も一定の比率を占めますが、今では企業に雇用されて働く人が多いのです。日本は雇用社会化しています。そこでの働き方をどう変えるか議論する場合には、雇用された人の働き方、つまり24時間の中で企業で働くということが時間的に多いわけですから、そこでの時間の使い方、働き方が変わるということがないと、仕事以外でやりたいことややらなくてはらなないことに使える時間が確保できない。ですから、雇用者を想定して議論しているわけです。

 

○田中委員 それは同感ですけれども、中小の雇用者というのが、では誰かに言ってそういうふうになるのか。例えば労働時間が短くなるのだろうかというと、やはり労働時間が長くなっている現実もあると思うのです。では、そのために解決はどうしたらいいのかという話だと思うんです。我々とすれば、その方が、どうしたらいいんだろうということになってこようかと思います。

 

○樋口座長 ただ、それについては、むしろ国が言うべきことではなくて、それぞれの企業において、職場において、その問題をどう解決していくかという、むしろ自由度があった方がよろしいんじゃないですか。それぞれの事情というのが違っているでしょうから。

 

○田中委員 国がこうしろと言って治る問題ではないですよね。それはもとよりそうだと思うのですが、商工会議所が今のワーク・ライフ・バランスを推進している企業にとったアンケートが来週ぐらいに出ると思いますけれども、実際に優良なそういうことを推進している企業でも、目標を定めてやったりする効果が余りなかったり、行き詰まっているところが見えているのだと思います。ただ、目標を掲げていけばいいかということではないというふうに思います。それをもう少し突っ込めないかというのが私の意見です。

 

○樋口座長 むしろ国がどういうふうにサポートするかとか、そういったところを行動指針として。

 

○田中委員 そうですね。現実にどうしたらいいのだろうかということだと思います。

 

○樋口座長 わかりました。皆さんのお話を聞きますと、どこからスタートしたらいいのかの妙案があるわけではないのですが、やはり私は個人が主役である、そういう社会像が今後メインになっていくのかなと。その中において、現状としてどういうような問題が起こっているのだろうかということを書いていくと、読んだ人達にもこれは他人ごとじゃなくて、自分の問題だと感じる人が多くなってくると思います。どうでしょうか、掲げる理想像というのはこうであって、具体的にそれに進むためには何を進めていくべきなのかというような書き方にしたらどうかというふうに思うのですが、一度それで作っていただいて、また皆さんに御議論いただくという方向でいかがでしょうか。

 

(「異議なし」と声あり)

 

○樋口座長 ありがとうございます。では、そのように。
  では、続きまして、厚生労働省から出されました資料3に基づきまして、御質問、御意見をどうぞ。

 

○佐藤委員 3つあるのですけれども、ワーク・ライフ・バランス社会の大きな3つの柱ごとに数値目標が設定され必要があると思います。そうすると、1つの質問は、みんな仕事があり自立ができる、ここに何の数値目標が入るのか。厚生労働省としては就業率が入ると言われると思いますが、就業率だけで十分なのか。男女共同参画会議の専門調査会での議論では、就業率だけじゃなくて、まだ確定ではありませんけれども、例えば時間当たりの賃金率とか、絶対的貧困率などを入れるという議論があります。つまり、そういうものはなくていいかどうかというのが1つ目の質問です。
  あと2つ目の質問は、先ほど議論が出た雇用社会ということで、やはり働く時間ですね。もちろん、今まできたように、仕事が人生だということを否定するわけではないのですけど、やはり過度の長時間労働みたいなものはおかしいだろう。「みんなが生活のための時間があり、健康で豊かな」と柱についていうと、過度な長時間労働は、個人の選択の結果として、社会全体として今よりも減るだろうということでご提案の数値目標が出されていると思います。週労働時間60時間以上雇用者比率というのが目標として挙げられているわけ、この週労働時間60時間以上雇用者比率というのはどのように計算されたものなのか。経済財政諮問会議の労働市場改革専門調査会では、フルタイム労働者を分母として、週労働時間60時間以上の比率をだしたわけです。ご提案の数値は、分母にパートタイマーが入っているとすると、分母が動くとこの比率が動いていってしまうということになるので、問題だと思います。この週労働時間60時間以上雇用者比率の定義をお聞きしたいのが2番目です。
  3番目は、先ほどの就業率、みんなが働き方、生き方を選べるということですから、女性で今働きたいけど働けない人が働けるとか、高齢者で就業意欲や能力がある人が働ける。多分そういうことで、ここに就業率や就業希望者就業が3番目に入ると思うのですけれども、このときに、この(1)、(2)、(3)で数値のつくり方が違うのですね。(2)、(3)は希望がかなったというようなことによる数値目標です。つまり、第一子出産前後の女性で就業を希望する人が働けるようにしていく。この38%を45%にするのは、もちろん自分から積極的に子育てのために辞めることを否定するわけではないですけれども、働きたいけれども、両立支援策が活用できずに辞めざるを得なかったとか、ごく一部ですけれども、辞めるような状況に追い込まれたという人がいるので、そういう人が働けるようになると38.0%が45%。つまり、希望がかなったときの数値目標です。
  次の男女の育児休業、これは男性は取らなければいけないという意味ではなくて、男性の中でも取りたい人がいるから、そういう人が取れたらどのぐらいになるかというという数値目標です。
  ところが、(1)の就業率はコンピュータを回してつくった数値です。私はそれが悪いとは言いませんが、国民がわかりやすいということからすると、この就業率だけはなぜこういう推計値を目標にするのか。例えば高齢者のところですけれども、別紙のところですが、60~64歳の女性、これは計算すると、2006年が39%で、2010年が40%ですが、例えば60歳前半の女性の中で働きたい人を積み上げるともう少し高くなる。私は、数値目標のつくり方ですが、例えば高齢者や女性の就業率目標も、働きたい人が働けたらということでそれを目標にするという方が、数値目標のあり方として一貫するのではないかと思います。そうすると、例えば高齢者の就業率目標はもう少し高くなると思います。この点に関して御意見を伺えればと思います。

 

○樋口座長 それでは、まず最初に、その前にむしろ経済的自立で最初に何か代案があったら。いかがですか、佐藤さん。

○佐藤委員 これはまだ議論の途中ですが、専門調査会の方で幾つか議論しているのは、先ほど少しお話ししましたように、例えば時間当たりの賃金率とか、絶対的貧困率など働き方が選択できるためには、ある程度ミニマムが保障されることがまずベースになるだろうということで、そういうものを入れたらどうかというようなことを経済的基盤で議論しています。

 

○樋口座長 賃金は高いけれども、働くことができない人がたくさん出ると、逆に貧困の方がいいのかなと。貧困度指標とかというのは幾つかありますよね。そういうものを目標にする方が、経済的自立というところではいいかと聞きながら思ったのですが、その点も含めて生田さんの方から。

 

○生田参事官 まず、自立できるという観点から、指標につきましては、基本的には就業率と思っていたのですけれども、それ以外のものといたしまして仮に何か考えるものがあるとすれば、不安定に働いている方につきまして、安定的に働けるという状態をどうやって測るかといったような指標が考えられるのではないかと思っておりまして、これは私どもの方でまた詰めて御報告させていただきたいと思います。
  それから、働く時間が60時間以上の雇用者の割合ですけれども、これは従来の子ども子育て応援プラン時代からパートタイム労働者を含めた総労働者数分の60時間以上の雇用者の割合でとっていまして、政府目標はそれでできておりました。ですから、それに引っ張られて今回もそういう考え方になっております。これにつきましては、従来の政府目標の設定の仕方自体の問題だと言われてしまうとどうしようもないものがあるのですけれども、パートタイム労働者が増えれば自然に下がるという面はもちろんあるのですけれども、ただ、それよりもはるかに加速させた割合で減らしているということで目標を設定させていただいておりまして、私どもはこれでいきたいと思っておりますが、ただ、この場で御議論いただくのは結構なことではないかと思いますし、その結果によってまた考え直す必要があるのかもしれませんが、現在のところはそういう考えです。
  それから、最後の目標値の設定方法でございますけれども、継続就業率とか、育児休業取得率は、確かに希望する方については全員かなえるということで設定しております。これらの率につきましては、今まで率の設定をしたという実績がある等、実現が非常に見込まれるということで、比較的安心して設定しておるものでございますけれども、就業率につきましては、そんなに希望した方が全員働けるようにするということ自体を政府の政策なり何なりですぐ実現できるかというところはなかなか難しい面もございまして、従来から、就業率の推計につきましては、雇用政策研究会の方で、一切何もしないというわけではなくて、一定の政策効果が出るということを前提にモデルをつくっております。例えば男女間、年齢間の賃金格差の解消といったような問題ですとか、あるいは先ほど言いました60~64歳までの高齢者雇用につきましてはいろいろな制度的な対応ですとか、あるいは労働時間の短縮を進めるとか、男性の家事、分担割合の上昇ですとか、そういったようなものをモデルに組み込んで計算して、現実味のあるものとしてこういう目標の設定をいたしておりまして、それにかえて、希望だけということで、全部の目標を設定していくということについては、ものによってはなかなか厳しいのではないか。一応、国民運動の目標ということではございますけれども、やはりできるだけ実現可能性が高いものにしていった方がいいのではないかという厚生労働省として考えがございまして、こういう設定をいたしております。

 

○八代委員 生田さんが言われたことはもっともですけれども、1つ気になるのは、安定雇用比率というのを考えているということですが、これは働き方の多様化ということと矛盾しないか。安定雇用か不安定雇用かというより、均衡ルールといいますか、むしろそちらの方が大事ではないかという意見も当然あると思うので、むしろ先ほど樋口さんがおっしゃったような、貧困率とか生活保護受給世帯比率を一定以下にするとか、もう少し直接所得に関わる部分の方が重要ではないか。

 

○杉山委員 今の八代先生のとすごく関連するのですけれども、均等・均衡の実現、どこをもって均等・均衡というかというハードルはあるのですけれども、例えば多様なライフスタイル選択の項目の中では一番重要な指標になってくるだろうというふうには思いますので、どのような形で織り込むのかはお任せですけれども、ただ、その視点は入れておいていただきたいというふうに思います。

 

○生田参事官 今いろいろな御意見をいただきましたけれども、一応私どもとしては、数字できちんと計測できるというのが大前提でございまして、考え方によって左右されるようなタイプのものではなくて、きちんと数字が取れるようなものを前提に考えさせていただきたいと思っております。今の御意見もきちんと踏まえながら、何ができるか考えていきたいと思っております。

 

○紀陸委員 時間がオーバーしているので、かいつまんで申し上げたいと思いますが、資料3と4を合わせてですが、特に資料3で数字が出ていて、しかも注が余りないですよね。これだけ見ると何だかよくわからないですね。しかも、目標値も、この意味合い自体が最初のペーパーに書いてありますけれども、要するに、これはどういう意味合いなんだということと、それから、個々のそれぞれのデータの数値は一体どういう対象で意味なのか。それがよくわからないで、こういうものがひとり歩きすると非常に誤解を招きやすい。例えば、オーバータイムの割合が60時間以上というふうなことを言っていても、この60時間というのは、例えばある一月そういうふうな時期があってもいけないと言っているのか、年平均で言っているのか、そういうような意味合いが違いますよね。年休の取得率といっても、年間40日の有休がある人と、本当に5日しかない人、その場合の完全取得といっても全然意味合いが違うので、一体そういうようなことをどういうふうに考えるのか。それから、名変といっても、これは取り上げている数値が大企業だけですよね。だから、個別に見ると、我々として疑問がある点ではありますので。
  それからもう1点は、資料4の方の最後に大きな絵が書いてございますが、この中に、個人の総体でみた実現指標ということで、行動指針に盛り込まれる目標値というものと、実現度指標の数値と2つありますよね。ここのつながりがよくわからないので、先ほど御説明がありましたが、ちょっと聞き逃したので、行動指針に盛り込まれるものと実現度指標の目標値の関係はどうなるのでしたか。

 

○樋口座長 確かに、今3つがそれぞれバラバラに出てきているので、どういうつながりになっているのかというのは一度整理しないと、なぜこの指標が選ばれたのかというのが見えてこないところがあります。指針には今3つの柱が立っていますので、その3つの柱にどれがどう対応してくるのかというような整理をしていただいたほうがよろしいかなと。今、数値目標の資料2で言いますと、横は全部通しているのですけれども、ここに枠ができて、これはこれに該当しますよというような形で示してもらうと、今、紀陸さんが言ったような意味合いも少しはっきりしてくるかと思いますので、その点については、皆さん、いかがでしょうか。そういう形でよろしいでしょうか。
  ありがとうございます。その上で、実現度指標についても同じようにできるかということですね。数値目標は3つですが、指標は5つに分かれるので、なぜ5つになったのかという、ここのところだけまた新たに説明しなくてはいけないことになってしまっているのですが、その点どうでしょうか。

 

○神田調査課長 5分野は、生活のための時間、あるいは健康、あと働き方・生き方に分けることは可能だと思います。具体的には、生活のための時間というのは、家庭の問題、あと学習、地域活動、この辺が入ってくると思います。働き方・生き方については恐らく仕事ですね。健康は、真ん中の健康で豊かな生活というので分けられるかなとは思います。ただ、ちょっとバランスが悪いと思いますが、一気通貫でもしこの3つの柱で通すのであれば、もちろんそういう形での御説明は可能だとは思います。ただ、ちょっと悩ましいのは、みんな仕事があって自立ができるというところはやや横断的な視点ですので、指標の考え方と、整合的に整理できるかというところはやや難しい部分もあるところはあるのですけれども、実はこの辺が、先ほど貧困の話などが出ていますけれども、指標としてはどうしても薄くなります。実際に若者がどれぐらい雇用されるかというようなところについては、今のところは、それほど若者に焦点を当てて指標をつくるような作業を今はしていないということと思います。

 

○佐藤委員 多分、それぞれワーク・ライフ・バランス社会をどういう側面から見るかということで、実現度指標が作られています。こちらの3つの柱は並列ではなくて、まずみんな仕事があれば自立ができる、これがベースですね。例えば時間当たり賃金が非常に低くて長時間働かなければいけないということがない。あるいは、仕事にも全然就けないということではなくて、少なくともあるミニマムの経済的基盤が確保できるようにしていく必要がまずある。その上で適切な労働時間があって、そういうものがあると、それぞれのライフステージにおいていろいろな働き方、ライフスタイルを選べる。そういう社会ができると、では個人から見て、家庭生活とか地域とか社会がどうなるかということを見ているものが実現度指標です。だから、実現度指標は、ワーク・ライフ・バランス社会はこの3つの柱がきちんとできた社会に生きている一人一人の生活を5つの分野で見るとどうなるかというふうに見ているので、別に両者は矛盾することではなく、3つの柱をきちんと実現できると、我々のつくった5つの分野で見たワーク・ライフ・バランス社会実現度指標がプラスの方向で大きくなっていく。そういうものをつくって、ですから、私は3つに5分野の実現度指標を無理に3つの分野に分けない方がいい。それ自体として見ればいいのではないかというふうに私は思います。

 

○樋口座長 ただ、その場合、またこの5つを説明しなくてはならないんです。3本柱でずっとここまできて、実現度指標のところで5つの考え方というのはどういうことかとなるので、無理は言わないのですが、できれば一気通貫で読む方は読みやすいのかなと。

 

○佐藤委員 3つの柱の上に乗ったワーク・ライフ・バランス社会の実現度を測定しているものなのです、3つの柱が実現した結果を測定しているものです。だから、3つの柱の取り組みが進捗すれば、我々がつくった実現度指標もプラスの方に動いていくというようなイメージなのです。行動指針と実現度指標は、それぞれ別に議論を始めたのでこうした関係になっているという側面もあります。ただ、数値目標はワーク・ライフ・バランス社会の支える柱の実現度を見ているもので、実現度指標は、その結果としてでき上がったワーク・ライフ・バランス社会の実現度を測定しているというようなものですけれども、わかりにくければ少し考えます。

 

○樋口座長 というのは、数値目標と実現度指標というのは全く別ということなら良いですが、かなりダブッている項目があるんですよね。先ほど御説明があったような項目で、長時間労働の話があったり、自己啓発のところがあったりするので。

 

○佐藤委員 余り細かい議論をしてもしようがないですけれども、基本的には、我々がつくっている実現度指標としては目標ではない。実現度、進捗度を測定する指標をつくっているのです。てずから、合成変数である実現度をつくる素材として数値目標が入っているというふうに考えていただければわかりやすいかと思います。。ただし、政府の数値目標が出ますから、その数値目標だけのトレンドをフォローするような作業も行う予定です例えば、実現度指標では、適切な労働時間という指標をつくる、その中に例えば残業の長時間とか有休を合成してつくってしまうというイメージです。だから、実現度指標は、何年後に幾つにするなどの目標ではないのです。

 

○樋口座長 もちろんそうでしょうね。

 

○佐藤委員 ただ、わかりにくければ少し考えなければいけないですね。ただ、もともとそういうものをつくれと言われて始めたわけですから。

 

○樋口座長 少なくとも、対応関係がわかるようにはしておかないと、これは新しいものが出てきているわけじゃないですから。

 

○佐藤委員 そうですね。

 

○坂田委員 数値目標と実現度指標の話ですけれども、やはり私としては、この位置づけと関係がよくわからないので、それを明らかにした上で、どういう指標があり得るかを検討すべきだと思いますし、それから、直感的な感想ですが、この数値目標なり実現度指標に入ってきたことを達成し、その数値を上げていったところで、本当にワーク・ライフ・バランス社会が実現されるのかということの確からしさについて、果たしてそうかというところにまだ私自身はちょっと疑問があります。数値目標を達成したけれども、そうなっていないということがあってはいけないと思いますし、その辺の検証というのも必要ではないだろうかというのが感想であります。
  時間的な制約もございますし、これは提案ですけれども、今日たくさんの資料を御提示いただきましたけれども、なかなか消化し切れないところもございますし、問題も指摘し切れなかったということもございますから、残された会議の日程も数少ない、3回ぐらいだと思いますので、できれば後日、事務局に企業側の意見を提出させていただければといふうに思いますけれども、よろしくお願いします。

 

○樋口座長 それはよろしいですか。委員の皆さんからいただくということでよろしいでしょうか。

 

○柴田政策統括官 結構でございます。

 

○樋口座長 それでは、もう時間も過ぎておりますので、そろそろ終わりたいと思いますが、次回の作業部会までに憲章骨子案等について更に御意見をいただけたらと思っております。皆さん考え方がまさに多様でありますのですべて満たせるかどうか分かりませんが、それを調整した上で、次回の案を作成することとしたいと思います。事務局からほかに事務連絡がございますか。

 

○濱田参事官 既に御案内してございますが、次回の作業部会は10月31日、水曜日、13時から15時、場所はこの会議室の隣の共用第4特別会議室の方で開催いたしますので、よろしくお願いいたします。
  以上でございます。

 

○樋口座長 それでは、本日の作業部会は以上で終了したいと思います。遅くまでどうもありがとうございました。