パパの育児休業体験記 4-07

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パパの育児休業体験記

泣くことでしか意思表示ができない赤ちゃんの心にじっくり耳を傾ける、そんな大切さを再認識

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執筆者の横顔:
(1)団体職員、(2)0~99人、(3)40代前半、(4)30代後半、(5)本人・妻・子1人(女児(4歳8ヵ月))、(6)平成16年2月~3月 (2ヵ月間)

新米おとうちゃんの育児奮闘記

奥 博史さん

 平成16年正月、第一子の娘が誕生しました。当時、産業カウンセラーの勉強を始めていた私は、乳児期からの親子のスキンシップが大切と感じていました。妻は期間雇用での育児休業中で、産後復職して3月末の任期までは続けて欲しいと思いました。たまたま手にした厚生労働省の広報パンフレットで、パパイヤ鈴木さんの「パパ!(育児が)イヤなんて許されませんよ。育児休業をとりましょう、お父さん。」という文言が琴線に触れました。私自身、育児はやってみたいし、2ヵ月くらいならできるだろう、やってみる価値があるぞと奮い立ち、育児休業を決意しました。
 幸い私の仕事は、企画業務で裁量が与えられ、年度目標はほぼクリアできそうな状況でしたので、すんなり職場の上司、同僚の理解と協力が得られました。代替アルバイトも雇われることとなり、休業前に最大限事務処理をこなして引き継ぎ、妻が産後復職した2月から3月にかけての2ヵ月間、育児休業を取りました。
 実際育児休業中は、生後間もないわが娘にてんてこ舞いの毎日でした。朝、妻を見送ってからは、泣かれるたびにミルクか?おむつか?それとも眠いのか?と右往左往、育児本が頼りでした。そして、時間間隔や吸飲量を気にしながらミルクを調整し、飲めば背中叩いてゲップを出させること、おむつを替えること、わが娘の細い首根っこを親指と中指でしっかり持って沐浴することが私の日課となりました。本当に1日中気が休まる暇がなく、夕方、妻の帰りでほっとしたことが、しみじみ思い出されます。
 また、妻が日中職場でうとうとしないように夜も私が担当しました。初めの頃は、「早くねんねしてよ~」とあやしても、わが娘の目はパッチリ。焦れば焦るほどわんわん大声で泣かれる始末。「いい加減に泣きやんで寝ろよ!」と叫びたくなる気持ちをぐっとこらえ、必死にあやしました。そのうちに私自身が忍耐強くなり、「赤ちゃんは泣くのが仕事」と気持ちに余裕が出てくると、あやしてもすんなり泣き止み、ねんねするようになりました。「そうか~赤ちゃんはそばにいるという安心感が欲しくて泣く時もあるのか」とふと気づきました。なにか勘どころを押さえた感じで、なぜ泣いているのかがある程度わかるようになり、育児が楽しくなってきました。
 そして、育児を通して、泣くことでしか意思表示ができない赤ちゃんの心(泣く意味)にじっくり耳を傾けることをわが娘から学びました。まさにカウンセリングと同じで、相手の気持ちに寄り添うこと、決してスキルだけでなく態度の大切さを再認識しました。また、24時間エンドレスの子育てのしんどさも痛感し、育児も人生での立派な「キャリア」と感じました。
 復職後は、自分の時間がやっと持てたという解放感を味わい、正直ほっとしました。しかし、妻の日中の心労を考え、なるたけ就業時間に効率よく仕事をこなし、さっさと我が家へ子育てに早く帰るようになりました。帰ってからは、あくせく仕事モードからゆっくり育児ペースに切り変えて、のんびりと娘と過ごしています。 
 子育てに少しでも興味があり、職場環境が整っているお父さん。長い職業人生、たとえ産後1週間でも職場から離れて、育児休業してみることをお勧めします。

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