育休をためらわせないためには、職場における環境づくりや意識改革が必要
- 執筆者の横顔:
- (1)地方公務員、(2)、(3)40代前半、(4)30代前半、(5)、(6)平成12年9月~13年6月、16年10月~18年1月、19年11月~20年11月(2年3ヵ月間)
3度の育児休業を経験して
石塚 健一さん
1 はじめに
題名で3度の育児休業を経験してとあるように、私には3人子供がいます。長男「友也」8歳、次男「大祐」4歳、長女「千花(ちはな)」1歳です。3人の子ども生まれて、3回の育児休業を取得しました。そのきっかけ、子育て経験等の話をします。
2 育児休業の取得を決意したきっかけ
きっかけは、「自分は子供が大好き」で、親戚の子供の遊び相手をよくしていました。
妻の妊娠がわかったときは、子育ては是非自分も協力したいと思っていました。妻 の職業は美容師で、勤務先では社員の中のリーダー役として、そして、お客様のために頑張っており、妻を慕っているお客様も多い状況でした。そんなお客様のためにも仕事を長期間休むことは難しいのが現状でした。それなら私が、せっかく男性にも育児休業制度もあるのだから、それを活用して取得しようと決意しました。
3 育児休業取得にあたっての職場や家族とのやりとり
職場についてですが、長男と次男は前勤務箇所で、長女は、現勤務箇所で取得させてもらいました。
両職場とも、上司をはじめとして職員皆さんの応援、協力があったおかげで3度も育児休業を取得できたのです。本当にそれは感謝の気持ちでいっぱいです。しかも山梨県職員初の男性の育児休業でした。
また一方で、初めての育児休業の時は、両親や親戚の反応は予想はしていましたが厳しいものでした。やはり、世間体を気にしていたのです。「育児は母親がするのが当然」と思っていました。でも私の決意は固く、揺らぐことはありませんでした。
「育児がどんなものなのか。身をもって知りたかったし、今、諦めてしまったら貴重な機会を逃してしまう、それにこれは最終的には夫婦の問題。それに父親が育児をしても立派に育てられるんだというものをみんなに見せてやる」そう思い貫き通しました。
両親も親戚も、何を言っても無駄ということがわかったのか、最終的には応援してくれました。次男の時は「またか・・。」、長女の時は「えっ?3人目?」って感じでしたが・・。
4 子育ての状況や感想
子育ては楽しさもあったけど苦しさもありました。育児休業中は専業主夫になるわけですから、家事育児を一切しなければなりません。妻は毎日仕事で帰宅が遅いので、できる限り私がしました。そんな妻のためにも、妻の帰宅後は今日も子供達の様子等話をしてあげました。
育児にはストレスが付きもので、ついつい手をあげたくなることもありました。そんな時、子供達の笑顔を思い浮かべ、グッと我慢をしていました。
そんな家事育児の大変さも、長女を初めとして、父親に甘えてくる姿に、疲れが取れてしまいます。また子供達が「パパの料理はおいしいね。」と言ってくれるとうれしくなってしまって。私は親バカなのかな?とつくづく思う毎日です。特に長女は女の子だけあってかわいいです。最近「パパ」「マンマ」「バイバイ」等と言うようになりました。そしてますます親の甘さが出てしまって、手取り足取りと過保護になりがちな感じです。
5 仕事の復帰
復帰後は部分休業制度を活用させてもらい、16時に仕事を終え、子供達の迎えに行く予定です。その後、買い物そして家事、しかも子供が3人と言うこともあって、今よりも帰宅後は忙しい時間を過ごすこととなると思います。
長男次男で経験したように、仕事との両立は大変です。勤務時間が短い分、仕事に影響が出たり、子供達が病気により仕事を休んで看護した場合、職場に迷惑をかける事が心配です。
そして今まで同様子供達のためにきちんと食事の準備等家事をこなさなければなりません。家ではそんな疲れ切った姿を子供達には見せたくはないので、明るく振る舞わなければと思っていますが果たして大丈夫なのだろうか心配です。でもこれまで乗り切ってきたのだから頑張っていきたいです。
6 経験者として伝えたいこと
私自身、この育児休業は自分の人生にとってプラスになったこと、そして幸せでした。
父親だって、自分で言うのも何ですが、育児をすることができるし、なによりも子供達の日々成長していく姿を見ていくことができるなんて、とても貴重な体験だと思います。だから短期間でもいいので、育児休業を取得して子供の育児にかかわって欲しいと思います。山梨県職員でも私に続いて男性職員が育児休業を取得しているそうです。今後ますます男性職員に育児休業を取得して欲しい事を願っています。
そして、何より大事なことは、職場の管理職や上司が積極的に休暇を取れるような環境・雰囲気作りをして欲しいと思います。私の場合は前にも言ったとおり、育児休業に理解してくれて取得しやすい環境だったからこそできたのであって、取りたくても、ためらいを感じてしまい、みんなに迷惑をかけてしまうと思い、諦めてしまう人が多いと思います。だからこそ、職場における育児休業を取得しやすい環境作り・意識改革が必要であると思います。