仕事に復帰してからも、仕事と自分自身の生活とのよいバランスを実現していくことが必要だと考えるように
- 執筆者の横顔:
- (1)国家公務員、(2)、(3)20代後半、(4)、(5)、(6)1ヵ月間
育児休業の体験から
吉田 朗さん
1 育児休業の取得を決意した想いやきっかけ
妻の妊娠が発覚したのが昨年の10月。その当時私は内閣府の男女共同参画局推進課に所属しており、柔軟な働き方を含め、男女ともにそれぞれの希望を実現できる社会を進める立場にあった。また、同じ職場の男性の先輩で育児休業を取得した方も多かった。このようなこともあり、自然と私自身も育児休業を取得したいと思った。
2 育児休業を取得するに当たっての職場とのやり取り
育児休業を取得するに当たっては、職場の理解が不可欠だと思う。私の場合、特に妊娠初期に妻の体調が不安定なことが多く、一方で仕事が深夜に及ぶこともあったため、仕事と家庭生活の両立に不安を抱えていた。そこで上司に相談したところ、妻の体調に配慮して勤務時間を決めるよう勧められ、また同時に育児休業の取得についても積極的な後押しをいただいた。幸い妻の体調はそれほど深刻になることはなく、体調の悪い時には上司と相談して帰宅を早めるなどして対応できた。しかしながら、妊娠中常に妻の体調を気にかけていただいた上司や職場の理解がなければ、実際に育児休業の取得を決意するにはいたらなかったと思う。
3 育児休業を取得するに当たっての家族(特に妻)とのやり取り
育児休業の取得について妻に相談したところ、当初は驚き、また戸惑っていた。男性が育児休業を取得するということが妻にとって珍しく感じたようだ。しかし育児休業を経た今は、子どもが生まれて間もない精神的にも肉体的にも大変な時期に一緒に子育てができてよかったと言ってくれている。
4 仕事と家庭の両立、子育ての楽しさや重要性など、育児休業中の日々に感じる(感じた)こと
育児休業中子育てに専念できたことはまたとない貴重な機会であった。私の場合は運良く出産にも立ち会うことができたため、子どもが生まれてから日々成長していく時間を一緒に過ごすことができ、これほど楽しいことはなかった。一方で、子育てが想像以上に大変であることも知ることができた。ミルクやおむつ替えなど昼夜を問わない子供からの要求に、時に愛らしくもあり、また時に手に負えないように思い呆然とさせられることもあった。
育児休業中に感じたことは、育児休業を取得したから子育てに関わるのではなく、常に妻や家族と協力して子育てすることの大切さである。自分の子どもであっても、特に子どもと二人だけで長時間一緒にいると、ストレスを感じることがある。ストレスがたまると、自分自身に余裕がなくなり、子どもからの要求を疎ましく感じてしまうこともあった。この経験から、育児休業後であっても、妻や家族と協力しながら子育てをしていくことが大切だと感じた。
5 育児休業取得の経験が子どもとの関係や復帰後の仕事に与えた影響
育児休業取得の経験を通じ、今後も積極的に子育てに関わっていきたいと思えるようになった。その理由は、単に子育てが楽しいというだけではなく、子どもと向き合いつつ良い関係を築くためには、妻と協力して子育てをしていくことが大切だと感じたからだ。そのためには、仕事に復帰してからも、仕事と自分自身の生活とのよいバランスを実現していくことが必要だと考えるようになった。