1 日時:平成19年11月28日 8:00~8:30
2 場所:KKRホテル東京 10階 平安の間
3 出席者
(有識者)
佐藤 博樹 | 東京大学社会科学研究所教授 |
武石 恵美子 | 法政大学キャリアデザイン学部教授 |
樋口 美雄 | 慶應義塾大学商学部教授 |
八代 尚宏 | 国際基督教大学教養学部教授 |
(団体の代表者)
使用者代表 | |
紀陸 孝 | (社)日本経済団体連合会専務理事 |
田中 常雅 |
東京商工会議所人口問題委員会副委員長 (醍醐建設株式会社代表取締役社長) |
坂田 甲一 |
(社)日本経済団体連合会労働法規委員会 労務管理問題検討部会長 |
労働代表 | |
古賀 伸明 | 日本労働組合総連合会事務局長 |
横山 陽子 | 日本サービス・流通労働組合連合中央執行役員 |
杉山 豊治 | 情報産業労働組合連合会政策局長 |
4 議事概要
○樋口座長 それでは、定刻になりましたので、第8回「『働き方を変える、日本を変える行動指針』(仮称)策定作業部会」を始めたいと思います。
本日は、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章(案)」、「仕事と生活の調和推進のための行動指針(案)」及び「ワーク・ライフ・バランス社会の実現度指標」について、最終取りまとめに向けた議論を行いたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず、資料について、事務局から説明をお願いいたします。
○濱田参事官 お手元の資料1、資料3に基づいてご説明したいと思います。
まず、前回からの修正点のポイントであります1点目は、より国民にわかりやすく表記していこうということで、カタカナの記述をできるだけ平仮名に直していこうということで記述を改めております。
2点目は、前回からのご意見で、3点ございます。まず憲章の3ページ、1の<2>のところで、2行目に「自己啓発や地域活動への参加」を加えております。
それから、指針の5ページの4のところで、「また、憲章、行動指針の点検・評価を行うため、学識経験者、労使の代表で構成される検討の場を設け、数値目標や実現度指標についても必要に応じて見直すこととする。」という点を加えさせていただいております。
それから、前回はペンディングでしたけれども、6の「実現度指標の在り方」について、改めて表記を確認いただければと考えております。簡単に読み上げさせていただきます。「「仕事と生活の調和」実現度指標とは、我が国の社会全体でみた<1>個人の暮らし全般に渡る仕事と生活の調和の実現状況(個人の実現度指標)と、<2>それを促進するための環境の整備状況(環境整備指標)を数量的に把握するものである。個人の実現度指標については、「1 仕事・働き方」、「2 家庭生活」、「3 地域・社会活動」、「4 学習や趣味・娯楽等」、「5 健康・休養」の五分野ごとに中項目、小項目を設け、環境整備指標については分野を設けず一つの指標とする。「仕事と生活の調和」実現度指標では、本行動指針で定める数値目標とされた指標を含む別紙2の構成要素に掲げられた指標を合成して作成する。この「仕事と生活の調和」実現度指標は、目標として設定するものではなく、仕事と生活の調和の達成度合いを測るものである。なお、本行動指針で定める「就労による経済的自立」、「健康で豊かな生活のための時間の確保」、「多様な働き方の選択」の三つの社会の姿の実現状況も本指標により把握することができる。」、以上でございます。
それに伴いまして、別紙として、横長のペーパーの「別紙2」として「『仕事と生活の調和』実現度指標について」というペーパーをつけておりまして、先ほど申し上げた3つの姿、それから左側に5つの分野ということで、個人の実現度指標をそれぞれこのように分類してございます。また、次のページに、環境整備指標についての分類がなされております。
前回のご意見を踏まえた点は以上でございます。
さらに、前回の積み残しの点が1点ございまして、経産省関係の部分で、指針の3ページの一番下のポツの部分ですが、修文しましたので読み上げさせていただきます。「経済全体の生産性の向上を図っていく観点から、中小企業等の生産性向上(地域資源活用促進プログラムによる新事業創出支援、ITを活用した財務会計の整備、下請適正取引等の推や資金供給の円滑化等)など包括的な取組を引き続き着実に推進する。」という点を補正してございます。
それから、前回の会合で、2回のトップ会議を省略して最終回のトップ会議でご了承いただくという点で、知事会の意見を聞く機会がなかったものですから、事務局のほうで知事会の意見も聞かせていただきましたのでご紹介させていただきます。
1点だけ修文がありまして、憲章の1ページ目ですけれども、下から2行目のところに、「また、職場や家庭、地域では、男女の固定的な役割分担意識が残っている。」という点を修文していただきたいと。その上のほうの「共働き世帯の増加と変わらない働き方・役割分担意識」のところの最初のところで、「かつては夫が働き、妻が専業主婦として家庭や地域で役割を担う」という記載もあるということで、ここに表記を合わせて、やはり「地域」を入れるべきではないかというご指摘を受けて、ここは事務局として修文してございます。
また、国と地方の連携強化ということで幾つかご意見をいただいたのですけれども、これにつきましては、例えば指針のほうで、3ページの「国の取組」の「総論」の最初のポツで、「全国や地域での国民の理解や政労使の合意形成を促進する。」ということで、国だけではなく、地域レベルとも連携してやっていくというようなことを記載してございます。
また、4ページの下から2ポツのところで、「地方公共団体等による育児・介護の社会的基盤づくりを支援する。」というようなことで、既にご議論の中で、国と地方の連携の部分についても相当程度ご意見をいただいてこの中に盛り込んでいるということで、そこの部分はご意見をいただきましたけれども、特に修文まではしておりません。
また、そのほかテクニカルな点を幾つかいただきましたけれども、それについては、今後、点検・評価を行っていく段階で、また事務局のほうでも検討させていただければと考えております。
前回からの補正は以上でございます。
○樋口座長 ありがとうございました。
続きまして、実現度指標についてご説明をお願いします。これは男女局にご苦労いただきましたし、また、佐藤先生にもご苦労いただきまして取りまとめたものでございます。
では、神田課長からお願いします。
○神田調査課長(男女共同参画局) 男女共同参画会議の仕事と生活の調和に関する専門調査会でご議論いただきました内容を、皆さんにお配りさせていただきました「参考1」から「参考3」にまとめております。ただ、これは専門調査会でまとめた内容で、最終的には、先ほど濱田参事官からお話がありました「別紙2」に集約させていただいております。
先ほどお話もありましたので、私から追加することはほとんどないのですけれども、「別紙2」でもう一度確認させていただきたいと思います。
まず、「仕事と生活の調和」の実現度指標については、2つの指標から構成されます。個人の実現度指標と、2枚目にあります環境整備指標の2つです。個人の実現度指標については、そこの左側にあります5分野ごとに指標を作成します。さらに、それぞれの活動の場になっておりますが、その5分野ごとの中が中項目あるいは小項目から構成されます。私どもは、この中・小あるいは5分野ごとの指標を作成することによって、個人がワーク・ライフ・バランスをどう実現しているかを把握することを目指しています。その中・小項目を、行動指針との関連で、「仕事と生活の調和が実現した社会の姿」の3つの柱に分けて整理すると、小項目についてはこのような整理になるという表になっております。
右側には、それぞれの指標をつくる際に、参考とすべき構成要素でございますけれども、こういう指標からそれぞれの指標を合成して指数化するということで具体的に書かせていただいております。
2ページは環境整備指標でございます。これについても、行動指針の3本柱で分けて書いておりますけれども、全体としては環境整備指標一つをつくりたいと思っております。先ほどの個人の実現度指標は、個人がどういうワーク・ライフ・バランスを実現しているかということですが、この環境整備のほうは、そういう実現をする上でどういう機会が個人に対して与えられているかということで、各種さまざまな制度の普及状況、あるいは、地域における保育サービスがどの程度充実しているかという、環境のほうを整理して指標化するということでございます。私からは以上でございます。
○樋口座長 佐藤さんから何かありますか。
○佐藤委員 いえ、特にありません。
○樋口座長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの事務局からの説明を踏まえまして、委員の皆様からご質問、ご意見をいただきたいと思いますが、1点、私から述べさせていただきたいと思います。
第6回の作業部会におきまして私から問題提起しておりました、現在、仮置きの扱いになっております、行動指針(案)の4ページ中ごろにあります「多様な働き方の選択」、「(P)」となっておりますが、その点についての扱いです。
現在、労働契約法案が、去る11月8日に衆議院の議決を経まして参議院で審議されておりましたが、昨日の厚生労働委員会で可決されました。本日28日の参議院本会議で採決が行われる見込みとなっております。同法案中に、衆議院での修正で、就業実態に応じた均衡を考慮した労働契約の締結についての規定が追加されていますが、いまだ最終的に確定した条文ではないことから、さらには、その内容について詳細に明らかにするような議論が行われていない模様でありますので、成立した法律の条文に忠実に記載することが妥当ではないかと考えております。
現時点での法案の条文では、労働契約は、労働者及び使用者が就業の実態に応じて均衡を考慮しつつ締結し、または、変更すべきものとするとされておりますので、その条文の趣旨に照らすと、主体は国ではなく労使ということになっております。したがいまして、4ページの、先ほど申し上げました「パート労働者の均衡待遇の推進」の部分はそのままにしたいと考えております。「企業、働く者の取組」の総論中に記載することが妥当ではないかと考えております。
なお、その際の表現ぶりにつきましては、ただいま申し上げましたような内容を踏まえまして、「労使は、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ労働契約を締結し、又は変更すべきものとする」といったような内容にしたいと考えておりますが、いずれにしましても、成立した法律の条文を踏まえて記載するということで、この点については私にご一任いただければと考えておりますが、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
○樋口座長 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
これに関連しまして、成立が見込まれる労働契約法を含め労働関連法令の周知がまず何よりも不可欠ではないかと思いますので、現行の行動指針の案文中に、「国の取組」として、「法令遵守のため監督指導を強化する」との記載がありますが、この点について、監督指導の前提となる関係法令の周知がまずありきと考えますので、その部分を、「労働基準法、労働契約法、パートタイム労働法等関係法令の周知を図るとともに、法令遵守のための監督指導を強化する」と修正したいと考えております。
厚労省は、この点いかがでしょうか。
○生田参事官(厚生労働省) ただいまのご指摘ですけれども、監督指導の前提として周知徹底を図ることは当然のことですので、そういった内容を記載されることにつきましては、私どもとしては特段問題ないと思っております。
○樋口座長 それでは、ほかの方、いかがでしょうか。
(発言なし)
○樋口座長 よろしければ、そのように取り扱わせていただきたいと思います。
それでは、ほかの皆さんからもご意見をいただきたいと思いますので、どうぞご自由にお願いいたします。
○坂田委員 細かいところからというか、前回議論があったところで、数値目標の「年次有給休暇取得率」で、何回も申し上げて恐縮ですが、10年後は「完全取得」という表現になっております。解説といいますか、その補足を見ても、これをこのまま読ませていただきますと、「企業規模30人以上の企業における、全取得日数/全付与日数(繰越日数を含まない)」ということで、このようにはっきり書いてあります。
10年後の目標というのは、ほかの目標を見るとすべてきちんと数値目標になっております。上の2つが漢字での表現になっておりまして、「半減」というのは50%減でしょうし、「全ての企業で」というのは100%だと思いますけれども、ここだけ「完全取得」という表現です。この作業部会での議論の中ではわかるのですが、これが世の中に示されるときにこの状態で示されると、大概の担当者といいますか、企業経営者なり人事労務の担当者は、完全取得とは100%のことだろうと思うと思います。しかし、この議論の中では、そうではなくて、その留保分はあるのだという話であります。そこのところを誤解がないようにという手立てはどのようにお考えでしょうか。
これはどなたに質問すればいいのか、よくわかりません。
○樋口座長 それでは、厚労省からお願いします。
○生田参事官 ただいまのご指摘につきましては、以前、この作業部会での議論で、11月9日に、A3の紙で、数値目標値の考え方について資料をお配りしております。その中の表現として、「年次有給休暇取得率」のところにつきましては、「完全取得とは、労働者がみずから希望する留保分を考慮したものである」と表現しております。要するに、この部分を考慮したということしかないものですから、そういった趣旨につきましては、この数値目標を周知する段階できちんとお示ししていきたいと考えております。
○坂田委員 ということは、そのA3のペーパーが国民に示されるわけではないですよね。
○生田参事官 このペーパーにつきましては、この当該資料は公開されておりますので、この作業部会の資料として国民に既に示されていると考えておりますけれども、この内容につきまして、周知の段階できちんと対応していきたいと思っております。
○坂田委員 その「きちんと」というのは、具体的にどういうことでしょうか。例えば、官報の内容を国民が全部知っている前提だとか言われても困るわけで、このA4のペーパーを配られるのであれば、逆に、私はここに書けない理由がよくわからないのですが。
○生田参事官 今までの議論の経緯がございまして、A4のペーパーには書いてありませんけれども、A4のペーパーに書き込むこと自体は特段問題ないと思っております。
○樋口座長 A4のペーパーに書くというのは、どこにどういう形で書くわけですか。
○生田参事官 この「(参考)」という、「指標(現状値)の補足」というペーパーがありまして、この中に<6>として「年次有給休暇取得率」がございます。そこに、「『完全取得』と目標値として設定している趣旨は、労働者がみずから希望する留保分を考慮したものである」という注意書きをここにさらに付け加えるということは可能かと思っております。
○樋口座長 なるほど。表の中というよりも、欄外に「注:<12>については、」というものがありますが、それと並んで、「<6>については、」という記述にするということですか。
○生田参事官 「(参考)」の<6>の文章に続けて書くというやり方でもよろしいでしょうし、「注:」という書き方もあり得ると思いますが、<6>の中に書いたほうがわかりやすいと思いますので、<6>の「年次有給休暇取得率」の中に書いていきたいと思います。
○樋口座長 この表の中に書き込むわけですか。
○生田参事官 違います。右肩に「(参考)」とあります、字が小さくて恐縮ですけれども、この<6>のところに、「(繰越日数を含まない)」の後ろに、「なお、10年後の目標値としての『完全取得』については、労働者がみずから希望する留保分を考慮したものである」という感じで書けばはっきりすると思いますので。
○樋口座長 坂田委員、どうでしょうか。
○坂田委員 そうしていただければ、この一連のペーパーの中に盛り込まれているということで、より誤解がないのではないかと思います。
あと、これまた私が誤解されるといけないので、ここでちょっと補足しておきますけれども、決して、年次有給休暇の取得促進にブレーキをかけている発言をしているつもりはありませんで、定義をはっきりさせたほうが問題がなかろうという趣旨でございます。
以上です。
○樋口座長 ほかの皆さん、いかがでしょうか。
○紀陸委員 ちょっと確認ですが、最終的に一般に公表されるのは、資料4の下のほうにA3のペーパーがついていますね。「別紙2」、ここまでが出るということでしょうか。
○樋口座長 これは、内閣府のほうからお願いします。
○濱田参事官 おっしゃるとおり、今回の資料で言えば、先ほどの一部修正があるとしても、資料2が憲章として。それから、資料4が、後ろの「別紙2」まで含めたところで指針の形で取りまとめさせていただくということでございます。
○樋口座長 紀陸委員、どうでしょう。
○紀陸委員 「参考」は出ないということですね。
○濱田参事官 資料1の「(参考)」も含めて、本文、資料1、別紙1、別紙1の参考、別紙2、そこまで入ります。
○紀陸委員 右肩のほうに「参考2」とある資料は出ないんですか。
○濱田参事官 そちらは出ません。失礼しました。私、ちょっと誤解しておりました。
○神田調査課長 専門調査会の報告書では出ますので。
○濱田参事官 指針としては、今、申し上げたように、今ついているこの「別紙2」までで、専門調査会の報告としてはまた別途それは公開されていくものでございます。
○紀陸委員 専門調査会の報告のタイミングはいつになりますか。
○神田調査課長 基本的には、官民のトップ会議で全体が公表になるのと同時を目指したいと思いますけれども、そこのタイミングについては、関係者の方と最終的には詰めたいと思います。
○佐藤委員 いいですか。
○樋口座長 はい、どうぞ。
○佐藤委員 形式的なことだけれども、「別紙1」で「(参考)」とするよりも、この「(参考)」まで入れて「別紙1」としたほうがいいのではないかと思います。普通、これはワンセットだろうから。「(参考)」と書く必要はなくて、「別紙1」がつながっているというほうがいいのではないかと思います。
○生田参事官 それは別に構いません。
○佐藤委員 もう一つは、「別紙1」だけ注意書きが1個だけあるというのは変な感じで、であればこの注も後ろに持っていったほうがいい。ここだけあるというのは変な感じです。
○生田参事官 それも構わないと思います。
○佐藤委員 ここに注を全部入れるか、後ろに持っていくかと。これは形式だけです。
○生田参事官 それはそういう整理をさせていただきたいと思います。
○樋口座長 それでは、確認します。
今の「別紙1」のところですが、「別紙1」の表の下の欄外に「注:<12>については、」というのは、次のページに移すようにしたい。また、次のページに「(参考)」と書いてあるところについては、「(参考)」は外す形で、表そのものと考えるということでございます。そのような扱いにさせていただきます。
また、「完全取得」については、先ほど読み上げられましたような内容にしたいと考えておりますが、それでよろしいでしょうか。
(発言なし)
○樋口座長 ありがとうございます。
そのほかにいかがでしょうか。
(発言なし)
○樋口座長 よろしいですか。
そうしましたら、私から1点だけお諮りしたいと思います。
行動指針の5ページ目、5として「数値目標」の項目があります。その5行目に、「取組が進んだ場合に達成される理想的な水準(<1>‥‥<2>‥‥)」という文面になっておりまして、この「理想的な」という言葉が、皆さんの間でいろいろご議論いただきまして、この意味するところは、まさにこの括弧の中だという了解を得ておりますが、「理想的な」という言葉が一人歩きしてしまうおそれがあるのではないかということを考えまして、この「理想的な」という形容詞を外させていただきたいという提案でございます。
ですので、全文を読みますと、「取組が進んだ場合に達成される水準」、これの意味は括弧の中ですという扱いではいかがかと思いますが、ご意見いただけますでしょうか。
(発言なし)
○樋口座長 よろしいでしょうか。では、そのように扱わせていただきます。
ほかにありませんか。
(発言なし)
○樋口座長 ほかにありませんでしたら、本日皆様からいただきましたご意見も踏まえまして、座長一任として所要の修正をし、必要に応じて関係者の調整を諮った上で、作業部会の案として取りまとめをさせていただきたいと考えておりますが、それでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○樋口座長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
なお、本部会で決定されました憲章及び行動指針の取りまとめ案につきまして、年内に開催するトップ会議に報告の上、決定していただくことになっております。
それでは、上川大臣からご挨拶をよろしくお願いいたします。
○上川特命担当大臣 8月の末から、3カ月という大変短い期間ではございましたが、樋口座長をはじめとして各委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中を精力的に、また、集中してご審議を賜り、本日、憲章及び行動指針の案ということで、この作業部会としての結論の合意をいただいたことに対して、本当にありがとうございます。心からの御礼を申し上げる次第でございます。
私は、第1回の作業部会に参加させていただきました折に2点申し上げました。1点目は、このワーク・ライフ・バランスの実現というのは、我が国の社会が今後とも活力を持ち続けていくために不可欠な課題であり、その鍵となるのが国民の皆さんの理解であるということ。2点目として、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた国民の皆さんのニーズは、都会と地方の違いとか、あるいは、家族や地域の状況など、その個人の置かれている状況によって異なる多様性を持ったものであること、それに対応していくことが求められているのではないかと、こういうご指摘をさせていただきました。
本日、取りまとめをいただきました憲章、また行動指針の案の中でも、本部会での議論を通じましてそういった視点も取り入れていただくことができまして、大変ありがたく思っております。
憲章及び行動指針は、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、今後、大変大きな推進力になると思っております。労使の自主的な取組を促進するとともに、政府全体が一体となって取り組む方向性も示したということでありますし、政府と自治体との関係、あるいは、官民全体としての取組という意味で、国民運動としての展開の大変大きな推進力になるものと考えております。
この憲章及び行動指針の案は、年内に開催される予定の「ワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議」に、今、樋口座長からご報告がございましたとおり、報告の上で決定される運びになっております。また、年内に取りまとめの予定であります「子どもと家族を応援する日本重点戦略」にも反映される内容となっているものでございます。
私としましては、担当大臣ということで、トップ会議における決定に向けて万全を期すとともに、決定後は、この憲章と行動指針に従って、ワーク・ライフ・バランスの推進に全力で取り組む所存でございます。
これまでの皆様方のご尽力、ご協力に心からの感謝を申し上げますとともに、これからがスタートでございますので、引き続きそれぞれのお立場でワーク・ライフ・バランスの実現に向けてのお取組をぜひともよろしくお願い申し上げまして、私からの御礼のご挨拶にかえさせていただきたいと存じます。ありがとうございました。
○樋口座長 ありがとうございました。事務局から何かございますか。
○濱田参事官 特にありません。
○樋口座長 それでは、これで「『働き方を変える、日本を変える行動指針』(仮称)策定作業部会」を終了いたします。
長い間、ご協力、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。