仕事と生活の調和関係省庁連携推進会議合同会議(第14回)議事録

1 日時:平成22年5月25日(火)

2 場所:中央合同庁舎4号館4階共用第4特別会議室

3 出席者:

(部会構成員)

樋口美雄部会長、市川隆治委員、海老井悦子委員、大沢真知子委員、大日向雅美委員、川本裕康委員、北浦正行委員、高橋和憲委員、南雲弘行委員、縄倉繁委員(小室委員、榊原委員、佐藤委員、八代委員、横山委員はご欠席)

(関係省)

総務省 : 白水課長補佐(関課長代理)
文部科学省 : 黄地課長補佐(岸本室長代理)
厚生労働省 : 酒光参事官、野口課長、定塚課長
経済産業省 : 松井室長

(内閣府)

福下内閣府審議官、松田室長、岡島室長代理、岡田次長、姉崎次長、武川次長、川又参事官、中垣参事官、本多参事官

4 議事概要

○樋口部会長

 それでは、定刻になりましたので、第14回の連携推進・評価部会を開催いたします。お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 それでは、本日予定している議題がかなりございますので、まず最初に、「憲章」「行動指針」について説明をお願いします。

○本多参事官(内閣府仕事と生活の調和推進室)

 それでは、「憲章」「行動指針」、そして「数値目標」の改定案につきまして説明をさせていただきます。
 「憲章」「行動指針」については、資料1-1、1-2をごらんください。「憲章」「行動指針」の文章につきましては、前回の部会での議論と、その後の委員や各省からの意見を踏まえまして、事務局で改定案をまとめております。また、前回の部会での委員からの御意見とその対応については、資料2にまとめてありますので、資料2も適宜ごらんください。
 今回の改定案には、極力御意見を反映させておりますけれども、反映しきれていない部分もありますので、後ほどお気づきの点を御指摘いただければと思います。
 まず、資料1-1の「憲章」でございます。
 最初に、これまでなかった前文を新たに付け加えております。まず最初のパラグラフは、現在の経済・社会情勢についての認識を述べております。
 長期的な経済の低迷や少子高齢化の進展等、今日の社会経済状況下における現状を述べた後、それに対して、働き方に関する意識や環境がこうした状況に必ずしも適応しきれておらず、一層仕事と生活が両立しにくい現実に直面しているということで、問題意識を述べております。
 2つ目のパラグラフは、個人の視点から見て、仕事とライフの双方の充実が望まれるということを述べております。
 第3パラグラフでは、視点を変えて、今度は社会全体の視点から、若者の自立や性・年齢に関わらない労働市場への参加が持続可能な社会の実現に資することを述べております。
 前文の最後で、「憲章」がどういう性格のものであるか。官民一体となって取り組んでいくために本憲章を策定するということを述べております。
 以降、修正を加えているところを中心に御説明をさせていただきます。
 2ページをごらんください。
 2ページには、ディーセント・ワークという理念を盛り込んでおります。ディーセント・ワークは非常に広い概念ではございますけれども、ここでは、ワーク・ライフ・バランスがディーセント・ワークの一つの要素であると、そういう理解に立ちまして、仕事と生活の調和に向けた取組を通じて、「ディーセント・ワーク」の実現に取り組むということ。併せて、公正な処遇の確保など雇用の質の向上につなげることが求められているという表現にしております。
 また、一方で、ディーセント・ワークという概念の下で雇用の質の向上を図ることにより就業を促進し、自立支援につなげるという観点からも必要であるということを記載しております。
 その次に、メンタルヘルスについて言及をしておりますが、これまでも「数値目標」でメンタルヘルス対策の目標を掲げていたのですけれども、「憲章」「行動指針」で特にそれに触れておりませんでしたので、改めて明文化をしているという趣旨でございます。
 続きまして3ページですが、「新しい公共」とワーク・ライフ・バランスの関わりという観点で文章を加えております。仕事と生活の調和の実現は、「新しい公共」の活動等への参加機会の拡大などを通じて地域社会の活性化にもつながるということを書いております。また、就業期から地域活動への参加など活動の場を広げることは、生涯を通じた人や地域とのつながりを得る機会となる、という文言も加えております。これは、特に男性サラリーマンが定年以降、地域になかなか入って行けないというような問題意識がございまして、そういったことを念頭に置いて加えております。
 ※印で「新しい公共」についての説明を「新成長戦略」での説明ぶりから引用して書き加えております。
 続きまして、4ページでございます。こちらは、仕事と生活の調和が女性の役割の固定化につながらないようにということで、仕事と生活の両立支援と併せて、男性の子育てや介護への関わりの促進、女性の能力発揮の促進を進めていくことが必要ということを書き加えております。
 「憲章」については、以上でございます。
 続きまして、資料1-2の「行動指針」をごらんください。
 こちらは、冒頭、仕事と生活の調和が実現した社会の姿を三本柱で書いておりますけれども、ここについては、特に修正を加えておりません。
 また、2ページから、「各主体の取組」ということで、(1)が「企業、働く者の取組」になりますが、ここについても、労使の方で取り組んでいただくことということで、特に内容は変えていないのですけれども、3ページの上の方にちょっと赤の入っている部分がございますが、ここは、「時間外指導基準」を正確な名称に改めたということで、内容の変更に当たるものではございません。
 3ページの下のところから、「国の取組」の記載になります。ここについては、施策の進捗状況に併せて文言をかなり修正しております。
 まず、3ページ、2つ目の「・」のところで、自営業者など雇用者以外の人も含めた仕事と生活の調和の重要性について理解促進を図る、と入れております。
 次に、次世代法の改正を念頭に置いていた表記については、削除をいたしております。
 続きまして、4ページの2つ目の「・」ですが、生産性の向上を図っていく観点からということで、中小企業関係の施策について、今の施策に併せて中小企業対策をまとめて書いております。
 また、次の「・」では、好事例等の情報の収集に加えて、新しく、業務効率化のノウハウ提供を行うことを予定しておりますので、加えております。
 また、5つ目の「・」には、次世代法に基づく「くるみんマーク」の周知を加えております。
 その次は、政府が行う公共調達でワーク・ライフ・バランスに取り組む企業を評価するという取組。
 また、その次にはメンタルヘルス対策。
 その次には、行政機関も率先して取り組むといったことを加えております。
 4ページの下、「就労による経済的自立」のところも、全面的に書き改めております。ここは文科省と厚労省の施策になりますが、まず最初が、学校段階でのキャリア教育・職業教育の充実ということで、キャリア教育の中では、労働者としての権利・義務、仕事と生活の調和の重要性などについても触れております。
 その次に、ジョブ・カード制度等を発展させ、非正規労働者を含めた、能力開発・評価制度の構築ということ。社会人への教育プログラムの提供や、評価枠組み構築、こういったものも書いております。
 5ページの1つ目の「・」ですが、ここは、いわゆる「第2のセーフティネット」の確立。今検討されております、そちらを盛り込んでおります。
 次に、「健康で豊かな生活のための時間の確保」ですが、改正された労基法への対応と、年休の取得促進のために改正された「労働時間等見直しガイドライン」の周知等を書き込んでおります。
 家事サービス等についての情報提供に対する支援は、これは対応していた事業がなくなっておりますので、削除をいたしております。
 続きまして、「多様な働き方の選択」の部分では、改正育介法にあわせまして「パパ・ママ育休プラス」等について言及しております。併せて、男女が協力して子育てに関わることについての学習機会の提供等を盛り込んでおります。
 地域のスポーツ活動等への親子での参加を促すとともに、保護者や地域住民等の学校支援活動などへの参加を促進し、男性が子育てに関わるきっかけを提供するといったものも盛り込んでおります。
 また、下から2つ目の「・」では、育児・介護の社会的基盤づくりの主体として、地方公共団体に加えて、市民・NPOも入れております。
 「行動指針」の内容については以上ですけれども、6ページに「数値目標」についての記述がございます。ここは確認ですが、「数値目標」の性格が書いてございます。これは、各主体の取組を推進するための社会全体の目標として、政策によって一定の影響を及ぼすことができる項目について目標を設定するということ。また、「数値目標」は、社会全体として達成することを目指す目標であって、個々の個人や企業に課されるものではないということは従前に引き続き記載をいたしております。目標値は、今回は原則2020年の目標値を設定するということで、特に中間的な目標値の設定を予定しておりません。
 「行動指針」については、以上でございます。
 続きまして、「数値目標」でございますが、こちらは資料1-3をごらんください。また、お配りしております資料の下の方に、参考1として、「雇用戦略対話」でまとめられている数値目標の資料、この横長の紙を付けておりますので、こちらも併せてごらんいただければと思います。
 前回の部会で説明させていただきましたとおり、現在、政府で「新成長戦略」を検討中でございまして、その中に2020年の数値目標が盛り込まれることとなっております。その中の雇用関連の目標については、樋口先生、また、労使の方がメンバーとなっている「雇用戦略対話」の場で議論が進められております。ここで議論されていますのが、参考資料1でございます。現在、ワーク・ライフ・バランスの「行動指針」で掲げている目標が14項目あるのですけれども、その中の8項目については、「雇用戦略対話」のものと重複をしております。「新成長戦略」の数値目標も、ワーク・ライフ・バランスの数値目標も、どちらも国が達成することを求められる目標ということでございまして、両方の目標を整合的なものとすることが必要ということで、前回の部会でもおおむね御賛同をいただいているのではないかと思っております。
 資料1-3が、今回の「数値目標」の改定案ですけれども、そういった趣旨から、「雇用戦略対話」で既に議論をされている8項目は、そのまま資料1-3の改定案に取り込んでおります。他にも、14項目の中には、例えば保育サービスは子ども・子育てビジョンで議論をされているといったように、当部会以外の場で議論されているものも取り込んでいるものがございますので、資料1-3の下に赤字で、欄外に注意書きのように書いてありますけれども、この目標のうちの何番については「雇用戦略対話」と同一ですとか、あるいは「子ども・子育てビジョン」から引いているとか、そういったことを書いてはいかがかと思っております。
 それでは、個別の目標の説明をさせていただきます。
 まず、<1>の「就業率」ですけれども、これは、従前の目標と「雇用戦略対話」の目標で、性・年齢区分が異なる部分が若干あるのですけれども、ここは雇用戦略対話の区分の目標をそのまま取り込んでおります。前回の部会で、佐藤委員から、高齢者について、男女別に目標を設定してはどうかという御提案がございました。そこにつきましては、高齢期で男女の就業率の差があることは確かですけれども、その差が生じている原因が、若年期から中年期にかけて生じている男女の差を反映したものであって、また、特に高齢期において、男女別でその対策が異なるわけではないということもございますため、今回、目標は男女別には設定せず、ただ、就業率の動向は男女別にワーク・ライフ・バランスのレポート等でちゃんと把握をしていってはどうかと書いております。
 次の<2>の生産性でございますが、こちらはペンディングで出しております。生産性の目標については、まだちょっと調整をしておりまして、次回の部会では提示をさせていただきたいと思っておりますが、考え方としては、「新成長戦略」で2020年までの平均で、実質2%を上回る経済成長が目指されているということでございますので、それを踏まえた生産性の設定をするべきではないかと考えているところでございます。
 次の<3>のフリーター数は、これは「雇用戦略対話」の目標ですけれども、現行の目標が、ピーク時217万人の3分の2ですが、今回は、ピーク時約半減の124万人を目標としております。
 次の労使が話し合いの機会を設けている割合でございますが、資料1-3の2枚目に現行の目標がございますけれども、現行の目標が、既に「全ての企業で実施」となっております。これは目標の設定以来、直近が52.1%ですが、これは目標の設定時以降で10ポイントほど上昇して改善されつつあります。けれども、まだすぐに目標が達成できるという水準でもないことから、現行の目標をそのまま横滑りで2020年の目標にしてはどうかと考えております。
 続きまして、<5>の週労働時間60時間以上の雇用者の割合ですが、これは「雇用戦略対話」での目標で、直近の10%を5割減ということで目標を設定いたしております。
 次の年次有給休暇取得率ですが、これは、現行の目標は完全取得であるところ、今回の「雇用戦略対話」では70%になっており、希望する労働者が年休を取れる社会を目指すという趣旨の下、具体的な数字を示すことで、70%という数字にしております。
 続きまして、<7>のメンタルヘルスケアですけれども、ここについては、現行の目標、2017年で80%のところを、2020年で100%ということに目標を引き上げております。書きぶりは、メンタルヘルスケアに取り組んでいる「事業所割合」を「職場の割合」に直しておりますが、これは文言整理をしただけで、意味合いとしては変わっておりません。この数値目標の検証のために使うデータも、事業所単位での調査を使っております。
 次の<8>のテレワーカーですけれども、こちらについては、今IT関係の新たな戦略が検討されておりまして、その検討状況を見ながら、国交省を始め関係省庁と数値目標については調整をさせていただいて、これも次回の部会で提示をさせていただきたいと思っております。参考に挙げておりますのは、政府計画の「i-Japan戦略」です。この戦略では、在宅型テレワーカーを目標に挙げているものですから、それを参考までに記載をいたしております。
 続きまして、<9>が短時間勤務を選択できる事業所の割合でございます。こちらについては、育児・介護以外の理由を認める短時間勤務制度がある事業所の割合ということで、目標を設定したものでございます。現在の目標値が、2017年に25%でございますが、これについては、2020年に29%ということで、3年分を少し延ばした目標の設定ということで提案をいたしております。
 次の自己啓発を行っている労働者の割合、これも「雇用戦略対話」で議論されておりますが、これはワーク・ライフ・バランスで目標を設定してから、実績値がいったん上がって、また、その後、ちょっと下がっておりまして、まだ目標値まで大分乖離がある状況となっております。それもございまして、目標値については、2017年の目標をそのまま2020年に持ってきているところでございます。
 <11>の第1子出産前後の女性の継続就業率についても、同様に、2017年の55%の目標をそのまま2020年の目標ということで提示をさせていただいております。
 続きまして、<12>の保育サービスの関係ですけれども、これは、保育サービス、また、放課後児童クラブのどちらも、今年策定された「子ども・子育てビジョン」「少子化大綱」の目標と同一のものとしております。この目標の考え方としては、2017年度までに潜在需要を満たすということを目指しておりまして、ここはちょっと目標年次がずれてしまうのですけれども、2017年度で保育サービス44%、放課後児童クラブについては40%という目標値になっております。
 続きまして、<13>の育児休業取得率でございます。これは、女性についてはペンディングで出させていただいております。これについては、既に目標であった80%を大幅に上回る90%に実績に達していることから、厚生労働省からは、女性の育休取得率については、「数値目標」から落としてはどうかということと、そして、前回の部会でも、育休については、むしろ育休を取得せずに辞職する女性が多いことが問題ではないかという御発言もありまして、その点については、<11>の女性の継続就業率で見ていくということもあるかと思っております。男性については、「雇用戦略対話」で掲げている13%という目標を示しております。
 最後の「6歳未満の子どもを持つ夫の育児・家事関連時間」でございますが、これについては、そもそもの目標を設定した際に参考にしていたのが、欧米各国が日本よりもこの時間が大分長いということで、その中でも一番時間の短いフランスが2時間30分でございまして、それを念頭に置いて2時間30分というところにしていたものでございます。これについても、「雇用戦略対話」ではこの目標はないのですけれども、2020年も据置きの2時間30分ではどうかということで提示しております。
 こちらからの説明は、以上でございます。

○樋口部会長

 どうもありがとうございました。
 それでは、御自由に御議論をいただきたいのですが、これまでの「憲章」「行動指針」あるいは「数値目標」と変更した点が赤で入っておりますので、それを中心に御議論いただきたいと思います。あるいは、黒字でも結構ですので、どなたからでも結構ですから、お願いいたします。

○川本委員

 では、新憲章、指針の部分と、それから、数字のところで1か所、意見と質問をしたいと思います。
 まず、資料1-1の「憲章」でございます。前文が入ったのは、全体の流れとして締まりがあって非常によかったなという感じはしておるところでございます。ただ、最初の3行ですけれども、ここは現在の経済状況等を非常に短期的な視点で書かれているので、2020年までの取組について書いている憲章の趣旨からすると、ちょっとなじまないのかなと。長期的視点に立った前文にする方がいいと思うので、この3行は要らないと思うところでございます。
 それから、その下の部分についてなんですけれども、以前にも申し上げましたけれども、仕事と生活の調和推進には、経済成長も必要不可欠なものだと思っているところでございまして、前文にそのような記載もしていただければなと思っているところでございます。具体的には、経済成長と仕事と生活の調和の推進は車の両輪だといったような認識を盛り込んでいただいた上で、生活者の視点についても記載していただければと思っているところでございます。
 それから、同じ資料1-1の2ページ目でございますけれども、ちょうど30行のところの辺が赤字で入っているところでございます。この中で、ちょうど30行目ですけれども、「ディーセント・ワークの実現に取り組み、公正な処遇の確保など雇用の質の向上につなげることが求められている」となっておりますが、雇用の質は非常に多種多様なものが入っているかと思うので、ここはそのまま「仕事と生活の調和に向けた取組を通じて、「ディーセント・ワーク」や雇用の質の向上につなげる」という表現の方がいいのかなと。あまり例示がなくてもいいのではないかなというふうにちょっと思ったところでございます。
 それから、「数値目標」の話で、資料1-3でございますけれども、これはちょっと質問でございます。資料1-3の<9>でございますけれども、「短時間勤務を選択できる事業所の割合」ということで、2020年度目標29%と入ってございます。その次のページのところ、前回までの2017年目標は25%ということでございましたが、これは29%に修正した何か理由みたいなものを御説明いただければなと思います。
 以上でございます。

○樋口部会

 長それでは、随時それぞれのところについて皆さんから御意見を伺って、後で事務局でどうまとめるかという話をしていただきたいと思いますが、まず、最初の資料1-1の前文のところで、今、川本さんからの御提案は、最初の3行は要らないのではないかというようなこと、あるいは経済成長と仕事と生活の調和の推進は車の両輪であるというようなことを逆にもっと入れるべきだというような御指摘でしたが、これについて御意見をいただけますでしょうか。
 なければ、そのようにということでよろしいのでしょうか。
 そうしましたら、トップ会議の前に、もう一度部会が今のところ予定されています。できればきょうまとめたいんですが、それが不可能であれば、次回まで宿題という形で、事務局と私で相談して、次回提示することにしたいと思いますが、きょうの段階で、何か事務局で案はございますか。最初の3行を取るのは、これは簡単に取れるわけですけど、取って、文章が、最初から「今こそ」というので始まっていいかどうかということとか、あるいは両輪であるというようなところ、何か案があったら。

○本多参事官

 前文を落とした場合に、部会長がおっしゃられたとおり「今こそ」で急に始まるのか、あるいはもう少し整理をする必要があるのかなというところと、経済成長とワーク・ライフ・バランスが車の両輪というのは、皆さんの御賛同があれば入れたいと思うんですが、入れる場所については、今の第2パラグラフにつなげてという、その場所についてはお任せいただいてよろしいでしょうか。

○川本委員

 はい。

○本多参事官

 わかりました。

○樋口部会長

 では、これはちょっと案文を考えてみます。
 2番目の御指摘が、2ページ目の赤字のところでした。ディーセント・ワークの例示は要らないのではないかということでしたが、これについてはいかがでしょうか。

○縄倉委員

 今、御指摘いただいている「公正処遇の確保など」というところの例示を取るという御意見ですけれども、ここはただ単にディーセント・ワークの実現に取り組み、雇用の質の向上といったときに、雇用の質の意味がわかりづらい。川本委員も御指摘のように、いろいろな見方があるのですけれども、ここはあくまでも例示ですが、公正な処遇というものは今後ディーセント・ワークを進めていく上でも最大のキーポイントだと思いますので、これは残していただきたいという点がまず1つ。
 それに加えて2点目ですけれども。そこを読んでいきますと、「ディーセント・ワークの推進は、就業を促進し、自立支援につなげるという観点からも必要である」と。そこまでは異論はないのですが、そこからいきなり「加えて、労働者の健康」というふうに入ってきますが、ディーセント・ワークと労働者の健康確保の検討をこの一つの文章の中でつなげるのはちょっと無理があると考えます。ここは是非改行をしていただいて、ディーセント・ワークが必要であるという一つの考え方、もう一つ加えてということで、労働者の健康確保について記載していただきたい。
 さらに、その文章を読んでいくと、「安心して働くことのできる職場環境を実現するためにメンタルヘルス対策に取り組む」というところがあります。メンタルヘルス対策だけで職場環境が安心して働くことができるようになるかというところを、前回の意見のときにも言わせていただいて、きょう出していただいている資料2にも書いていただいているのですけれども、ここのところは、長時間労働の抑制とか、年次有給休暇の取得促進などともにメンタルヘルス対策が必要というふうに記載をしていただきたいというお願いをしました。
 具体的な「行動指針」の方には、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進も記載していただいたのですけれども、是非ともこの「憲章」の中でも、「長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進などによりメンタルヘルス対策に取り組むことも重要である」と修文をお願いできればというところです。
 以上です。

○川本委員

 今御意見がございましたので、考えたんですが、「公正な処遇の確保」ということで例示を残すのであれば、ここのところに「能力開発・職業訓練の充実」というのも加えていただいた方がいいかなと。順番はどちらでもいいですけれども、「~や公正な処遇の確保」とかですね。そうすると、幅が広がった感じがすると思います。

○樋口部会長

 もう一つの御指摘の、「加えて」以降ですが、これについては、川本さん何かありますか。行替えをして、有給休暇でしたか。

○縄倉委員

 ええ。長時間労働の抑制や有給休暇の取得促進を含めたメンタルヘルス対策と。

○樋口部会長

 よろしいですか。

○川本委員

 はい。

○樋口部会長

 では、そのようにしたいと思います。
 そのほか、今の点でございますか。
 では、よろしければ、今ので合意したいと思います。
 それと、川本さんからのこれは御質問だったと思いますが、資料1-3の<91>「短時間勤務を選択できる事業所の割合」の2020年が、従来は25%だったのではないか。年がちょっと違っていたのですね。2017年で25だったのを2020年で29%にしたのはなぜかという御質問。

○本多参事官

 ここについては、目標設定時から2017年までの伸びを延長して2020年に29%ということで、厚生労働省から意見をいただきまして、それを盛り込んでおります。

○樋口部会長

 要は、3年間で4%アップという。2017年から2020年、3年延びる分で4%、年率1.1と。ということですが、それはよろしいですか。

○川本委員

 特にこだわっているわけではございません。どういう根拠かなと思ってお聞きしただけですので。

○樋口部会長

 それでは、ほかにございましたら、お願いいたします。

○北浦委員

 2つほど質問させていただきます。数値目標を改正されたということですが、年次有給休暇取得率について、前は完全取得ということで、勿論、留保条件があって、留保分を除くと、こういう注釈があったんですが、一応「完全取得」という文言がかなり世間的には重く響いておりまして。それが今回70という数字が出てきて、これは非常に現実的な数字だとは思うのですが、その場合、この70にした根拠といいますか、留保分についてはある程度バックデータ的なものがあってそれでされているのかどうか、この点と。
 それから、7割ということにしますと、これは別に全体としての平均値なのでいいですが、個人では全部取っている方もいらっしゃいますし、いろいろそこも差があるわけで。何か7割以上取ってはいけないのかみたいな感じにならないとは思うんですが、そういったような意味で70にした意味合いをもう少し御説明をいただきたいことが1点。
 それから、メンタルヘルスケアを大変重視されて、100%とかなり思い切って出されたのは結構だと思います。これについて、後ろの方で、措置内容もかなり修文されております。これは健診なんかの項目が入ってきたことなども含めてなっているのだと思うんですが、同じ前の目標に対して、措置内容が変わってきて、それでいて100%と、こういうようなことなので、そのへんのところは吟味されているのかどうか、その点。
 あと1点は、これは質問というより感想ですが、私は、ワーク・ライフ・バランスではメンタルヘルスが一番重要な検討対策の焦点を当てるべき問題ということで付加されるのは大変結構だと思うんですが、全体的に「健康」というような言葉を出してきたときは、身体的健康の問題もありますので、何かそういったものを具体的に数値目標に出す必要はありませんが、何か言及しておいた方がいいのではないかなという気がいたします。これは具体的な意見ではありませんので、感想ということです。

○樋口部会長

 それでは、2点ほど数値目標について、これは厚生労働省お願いします。

○野口課長(厚生労働省労働基準局勤労者生活部企画課)

 厚生労働省でございます。最初の年休の問題につきまして御説明申し上げたいと存じます。
 現在のワーク・ライフ・バランスの指針では、確かに「完全取得」となっておりますけれども、それにつきましては、留保付きでございまして、労働者が希望するものは完全に取れるという意味での「完全取得」であるということになっております。実際問題といたしまして、それは具体的にどういう数字なのかということがそもそもわかりにくいという本来的な問題もあったということの中でどう考えたらいいのかという基本的な問題意識がございました。
 それから、現実に年休の取得がどの程度進んだのかと。勿論、労使の話し合いも含め一生懸命努力をしていただいた中でございますけれども、様々な厳しい経済状況もあり、実はなかなかその目標に比べて、むしろだんだん遠くなっているような状況も見受けられないわけでもないということがございます。具体的には、いわば完全取得の前には60%というのがあったのですけれども、その同じような傾きで伸ばすといたしますと、簡単には、毎年2.2ポイントのペースで年次有給休暇の取得率を上昇させるということになっていたわけでございますが、現実には0.75ポイントの上昇にとどまると。それをどう受けとめるかということで、まず、今回見直しに当たっては、見直す点のそこの基礎数値がそもそもワーク・ライフ・バランスの考えているときよりも下がってしまっていることがまず1つ。それから、ペースの2.2ポイントも本当はいってないということがございます。それから、先ほども、最終目標値の完全取得についての条件付きのところがなかなかわかりにくいというところがございまして。しかし、この0.75ポイントでよしとせずに、現在の水準の倍程度は伸ばしたい、1.5ポイントは伸ばしたいというようなことを総合的に勘案いたしました。それから、数値目標でわかりやすさということもございますので、いろいろ勘案の上、70%というところが妥当な水準として、また、現実に手が届くように頑張るという意味での目標といたしましても、是非頑張らせていただけないかというようなことで、いろいろ御議論の上、そのように固まってきたと承知しています。

○樋口部会長

 もう1点、メンタルヘルスの100%の方は。

○酒光参事官(厚生労働省政策統括官付労働政策担当)

 メンタルヘルスの方は、メンタルヘルスケアを求めている人がすべての職場で受けることができるようにということで100%というような趣旨にしているということであります。
 御質問の趣旨とちょっと違いましたか。

○北浦委員

 結構だと思います。年休の取得については、確かにわかりにくいということと、現実的なものを加味されたということで、こういう数字になったということだと思いますが、完全取得を目指してこういうふうに進んでいくんだと、そういうような精神でしていきませんと、何か後退した感じが出てくる、そういうことがあると思います。現実論として、こういう数値を出されたことは否定はいたしませんが、そういったような前回指針との関係で、一番目立つところなものですから、そこはちょっと感想を申し上げたわけです。
 2点目は、そういうことで結構なんですけれども、メンタルヘルスケアの措置内容が違っていますね。ですから、そういったようなものについて、単純に数字だけ置き換えるのではなく、当然これは周知されると思いますが、どういうところが今回の場合対策として変わったのかとか、そういう点は後ろのところに説明がありますが、そういったようなところも十分説明をしていただいて、それで、数字としてさらに強化したんだと、こういうような説明をいただければと思っております。恐らくそういう趣旨でおっしゃったんだと思いますから、結構だと思います。

○酒光参事官(厚生労働省)

 対策については、また、今後、労使の審議会などでも御議論いただく予定にしておりますので、そこでまたさらに具体的なものになってくるだろうとは思います。

○樋口部会長

 まず1点目の年次有給休暇取得率ですが、数値目標の70%は今のお話でいいにしても、後退したという印象を与えないために、それをどこかで織り込んでほしいというような御趣旨だったと思いますが。

○野口課長(厚生労働省)

 実は、そのへんの御懸念は、委員始めほかの皆様方からも寄せられたところでございまして、私どもも、心して取りかからなければいけないと肝に銘じておりますが、具体的には、例えばその一つの手段として、ガイドラインの見直しということをさせていただいております。お手元に配らせていただいておりますが、このガイドラインの本文におきましては、そもそも完全取得が重要であると。完全取得を目指して頑張るんだと。当面の取得率の目標を、各企業の皆様方に検討いただきたいということを今回のガイドラインに盛り込ませていただきました。実は、先ほど来からの数値目標の意味といたしまして、国全体の目標であると。したがいまして、個々の事業主の方とかの目標ではないということではあるのでございますが、ガイドラインにおきましては、是非、この数字をそれぞれの労使のお話し合いの中で、具体的な数字として御議論いただきたい。その際には、当面の目標であるのですということを強調させていただいておりまして。例えば、ある事業主で6割の目標を立てられたとすれば、6割を達成されている人については、決してそれがブレーキにならないようにというようなことでの趣旨も含めまして、私どもは説明させていただいておりますし、折に触れて、そのへんは誤解のないように頑張っていきたいと思っております。

○松田推進室長

 ちょっと提案ですが、ほかの数値目標で、例えば自殺率の改善とか、「以上」いう入れ方をしている場合があります。「7割以上」と言って、事実上は目指すんだけれども、7割が目安だと。例えば「以上」と付けたら本当にまずいのか。ほかの数値目標では例があるのですけれども、例えばそういう根性は出しながら数字は出すと。そういう何かガイドラインでやっていますからというのは記録に残らないので、そういうやり方もあろうかと思います。一つ御提案ですが、いかがでしょうか。

○樋口部会長

 例えば資料1-2の5ページの2つ目の赤字で入っている「改正労働基準法」以降のところで、そこに「年次有給休暇取得促進を図るために」というところがありますが、ここに「完全取得に向け」という文言を織り込んだらどうかと。どういうふうに織り込むかはこれからとして、「有給休暇取得」については、関連してくるのは多分ここですよね。というふうに提案させていただきますが、いかがでしょうか。文章は、まだこれからちょっと調整させていただきますが。

○本多参事官

 今いただいた御提案で、厚生労働省とも調整をしたいと思いますので、検討をさせていただきます。

○樋口部会長

 はい。
 それでよろしいですか。

○北浦委員

 はい。文章はお任せいたします。

○樋口部会長

 あと1点は、御質問というよりも御意見だったと思いますので、お聞きいたしました。
 ほかにいかがでしょうか。

○高橋委員

 「憲章」という言葉の意味を、どのように考えているのでしょうか。最後の「本憲章を政労使の合意により策定する」という部分の「憲章」の意味が、一般の方に伝わりにくいのではないかと懸念します。つまり、「憲章」という言葉は入っているのですが、法律でも、努力目標でもなく、その意味するところがあいまいでわかりづらいということです。したがって、ここでは「憲章」という言葉自体を使わない方が良いのではないでしょうか。また、使うのであれば、その意味を明確にして使う必要があるのではないかと思います。

○本多参事官

 前回の部会でも、「憲章」が何であるかを書き込んではどうかという御意見がありましたので、資料1-1の「憲章」の前文の第4段落のところに、事務方としては書き込んだつもりでございます。「仕事と生活の調和の必要性、目指すべき社会の姿、関係者が果たすべき役割を示し、新たな決意の下、その実現に官民一体となって取り組んでいくため、本憲章を政労使の合意により策定する」と。「憲章」が社会全般でどうかというようなことよりも、今回のこの「憲章」の趣旨としては、政労使の合意でつくったものであって、その意味するところは、仕事と生活の調和云々、こういう内容を含んでいるということをお示しする以上のものがなかなかなくて、こういった文言で書いておりますが、まだわかりにくい点がございましたら、ここがよりわかりやすければというような御指摘をいただければと思います。

○樋口部会長

 どうでしょう。

○高橋委員

 「本憲章」が指す「憲章」というのは、つまり、やるべきことを列挙しましたというような意味なのでしょうか。少々わかりづらく、非常にあいまいな感を持ちます。したがって、「取り組んでいくためにこの合意を策定する」という記述でも良い気がします。

○樋口部会長

 では、それも含めてちょっと検討をさせてください。

○大日向委員

 女性の能力発揮のことで、前回、生涯学習支援を入れていただきたいと申し上げまして、行動指針に入れていただきましたことはありがとうございます。資料1-2の5ページの上の方ですが、細かいことで恐縮ですけれども、「社会人の大学等における学習を促進する」と書いていただきました。「等」とあるので、これでいいかなと思いつつ、今本当に求められている学習は、大学が提供できるもの以外にも様々な関連機関、社会的な機関があると思いますので、もしできれば、「種々の関連機関等における社会人の学習を促進する」というような形にしていただければと思います。「等」と書いてありますが、こうなりますと、学び・学習=大学と狭く考えられることが若干心配でございまして。細かいことで恐縮ですが、申し上げたいと思います。

○樋口部会長

 今回、大分、文科省関係のものを織り込んでいただいたのですが、これも文科省のところですが、今の御指摘はいかがでしょうか。「社会人の大学等」というよりも、「社会人の大学や種々の関連機関における学習を促進する」。

○黄地課長補佐(文部科学省教育改革推進室岸本室長代理)

 例えば大学以外に考えられるものとしまして、専門学校とか、あと、地域に所在するような公民館とか、様々な教育機関が考えられますので、また、事務局と相談しまして、どのような書きぶりができるのか、ちょっと考えてみたいと思います。

○樋口部会長

 では、そのようにお願いします。

○海老井委員

 今のところに関連するんですけど、その前に、キャリア教育の内容はどういったことをするのかということで、社会・経済・雇用などの基本的な仕組みとか、労働者としての権利とか、ワーク・ライフ・バランスの重要性とか、キャリア教育の内容に触れてくれてあるのは、非常にわかりやすくていいなというふうに思っております。
 それと関連してなんですけれども、今、生涯学習のことが出ましたけれども、そこのところで、学習成果が適切に評価されるような枠組みの構築等によりと書いてあるんですが、今、実際に自己研修とかでいろいろなことをしているのだけれども、必ずしもそれが評価されずに、全く個人的な努力の段階でとどまっているというところがありますので、この評価の枠組みということがこれからは非常に大切になるのではないかなと思うんですね。この評価の方法については、今の段階で、例えばこういうふうな評価の仕方があるんだということのちょっと大まかな考え方があったら教えていただきたいなということと。
 もう一つ知りたいのは、「数値目標」ですが、<11>の「第1子出産前後の女性の継続就業率」の数字と、それから、女性の育児休業取得率、この数値の差が非常に大きいんですね。この数値の裏側にあるいろいろな事情が考えられると思うのですけれども。例えば育児休業制度そのものがどれくらい導入されているのかとか、あるいは、取らないで退職しているのか、取った後で退職しているのか、この数値の向こうにいろいろな実態があるのではないかと思うのですけれども、こういった数値の差の裏側はどういうふうにとらえて、この数値を読めばいいのか、分かりにくい所だと思います。

○樋口部会長

 2点ほどありましたが、1点、評価されるような枠組みのところは、これは何かありますか。

○黄地課長補佐

 文部科学省でございます。
 5ページの一番上の学習成果の評価の枠組みでございますけれども、学習成果と言っても、極めて多種多様なものがございますが、例えば民間の資格検定のようなものもございますので、こういったものをより普及させたり、また、一定のガイドライン的なものを検討したり、いろいろな取組が今後考えられると思いますので、また、検討してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。

○樋口部会長

 この点につきましては、「雇用戦略対話」の方でも議論が大分進んできておりまして、社会的職業能力評価制度というものを、どの程度進むかわかりませんが、構築していこうというようなところで、具体的な案が検討されていますので、ここに書くかどうかは別として、そういった事実はあるということだろうと思います。
 2番目の御指摘はいかがでしょうか。

○定塚課長(厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課)

 女性の育児休業取得率と、それから、継続就業率ということで、かなり数値に差があるという御指摘をちょうだいいたしました。この女性の継続就業率でございますが、38%という数字は、過去かなり長い間変わっていないという数字でございまして。継続就業できずに辞めてしまった方のうち、本当は続けたかったけれども、両立の難しさで辞めたという方々が、別の調査ですけれども、約3割強というふうに我々は把握しております。したがいまして、本当は続けたかったという方の数を上乗せすると55%ということで、55%目標値は、働きたかった方が働き続けられたとしたら何%になったかという数値を目標としております。
 一方で、育児休業取得率の方は、女性は80%を目標としておりましたが、90%に達しているという状況でございますが、一方で育児休業取得率の数値、分母の方に辞めてしまった方が入っていない。働き続けた方のうち育児休業を取れた方が何割かという数字になっておりますので、逆を申し上げれば、継続就業できた方はほぼ希望どおり育児休業は取れている方が多い。逆に、育児休業が取れずに辞めてしまった方というのがかなり多いということで、今後は、むしろ継続就業の方で先ほど申し上げた約3割の方を上乗せをして55%を目指すことが重要なのではないかなと、いろいろな方からも御指摘は受けておりますし、私どももそのように思っております。
 では、この辞めてしまった3割の方をどうやって伸ばすかということでございますが、1つは、企業に育児休業制度が導入されていないというところもまだ一部はございます。法律上は、制度がなくても、育児休業を必ず取得できることになっていますけれども、実際、小さい企業では、就業規則に規程の整備がないというところもございまして、そうした規程の整備を図る。と同時に、規程があっても取りにくいというところ、これはかなり多くございますので、こういった企業さんに規程を整備するだけではなくて、実際に両立支援をする意義等を説明しながら、助成金、指導、次世代の行動計画なども使いながら、規程と環境、この二本柱で進めていく必要があろうかと思っております。

○海老井委員

 ありがとうございました。

○樋口部会長

 ほかにどうでしょう。

○南雲委員

 先ほどの「憲章改定案」にディーセント・ワークの実現という文言が入ってまいりましたので、これをうけて「行動指針」の3.(3)「国の取組」の「総論」もしくは「就労による経済的自立」の中に、ディーセント・ワークの実現に向けた具体策として、「公正な処遇の確保に向けた均等・均衡処遇の推進と労働条件の底支え・底上げに向けた最低賃金の引き上げ」の挿入をお願いしたいと思います。

○樋口部会長

 これはいろいろ御意見がありそうですが、どうでしょうか。

○川本委員

 言われた御趣旨はわかるのですが、最賃の話については、それぞれの中小企業さんの生産性向上も必要ですし、あるいは仕事がないと言って悩んでいるところもたくさんあるわけでございます。そういう意味で慎重な議論が必要と思います。以上でございます。

○樋口部会長

 どうするか方向性を出していただけると、事務方としては、我々としてもこの後作業がやりやすいんですが。

○高橋委員

 今回初めて、この「憲章」にディーセント・ワークという文言自体を盛り込んだことは、相当な前進だと思います。その上で、「行動指針」の中でさらに書き込む必要はないのではないかと考えます。

○樋口部会長

 南雲さん、いかがでしょうか。

○南雲委員

 「雇用戦略対話」においても、最低賃金の文章表現がどうなるかまだ決まっておりませんけれども、流れとしては、最低賃金引き上げについては、今後、国としても取り組んでいくことになっていますので、「国の取組」の(総論)もしくは(就労による経済的自立)であれば最低賃金のことを入れても、私は差し支えないではないかなと思います。いくら上げるというところまで書いておりませんので、国が取り組む内容に追加をすることは問題ないと思います。

○樋口部会長

 どうでしょう。では、これはちょっと交渉が必要になりますので、案文を考えて、それぞれに御相談したいと思いますので。
 他にどうでしょうか。

○縄倉委員

 「行動指針」の改定案の3ページになります。「企業、働く者の取組」の中の「多様な働き方の選択」のところですけれども、育児・介護休業、短時間勤務等々の取組を進めることが書かれておりますけれども、この中に、是非、男性の育児休業取得促進に向けた支援を盛り込んでいただきたいと思います。その5ページにある「国の取組」の中では、「パパ・ママ育休プラス」等も活用した男性の育児休業の促進なども含まれておりますので、これは国だけの取組ではなくて、取組主体である企業なり、我々働く者が取得しやすいようなものを自らもつくり上げていかなければならないと思いますので、是非、この中に男性の育児休業取得に向けた支援も盛り込んでいただきたいと思います。以上です。

○樋口部会長

 まず、働く者の方の代表からこういった意見が出ましたが、企業側として、今の男性の育児休業取得促進の支援どうでしょう。
 これはどこかでも書いているのではないでしょうかね。国の方はもう書いてあるので、企業もそうしますと、そういう文言ですから、これは入れてもいいですか。

○川本委員

 入れてもいいと思います。

○樋口部会長

 では、入れさせていただくということにしたいと思います。
 他にどうでしょうか。

○大沢委員

 2点ございます。1つは、先ほど海老井さんの方からも指摘がありました点ですが、継続就業が全然向上していない中で、育児休業取得率は9割と、そこの矛盾について数字を見ればわかるんですが、全然記述がないわけです。これは、例えば5ページのあたりの「多様な働き方の選択」のところに説明が必要かというふうに思います。育児休業取得率は非常に高まっているが、育児休業を取得できる権利がある女性は変化していないとか、むしろ減少しているとか、数字があるはずだと思いますので、それを上げていくことが非常に重要になってきていると思っていて。
 それと、4ページ目ですが、「就業による経済的自立」で、評価制度の確立も非常に重要だと思うのですが、今いろいろなところで聞き取りをしていますと、相談者の役割が非常に重要になってきています。アメリカなどでも、ビジネススクールなどで、女性で就業中断した女性に対して、いろいろな地域に行ってワークショップを開いて、相談に乗ることで就業を促進しているという、日本だけでなくて、どこの国でも、育児や夫のための離職などで就業を中断する女性はいて、しかも、高学歴で働きたいと思っていると。こういう人に対しての支援は必ずしも大学教育、キャリア教育をするだけではなくて、そういうカウンセラーが地域に行って、日ごろ育児に差し支えないような時間にお母さんと話をしながら相談に乗って、スキルが陳腐化しないような努力を双方でしていくとかですね。それから、辞める前に相談に乗っていくという、そういった相談員の役割の重要性が指摘されています。例えば就職したいとか、相談体制の充実とかというようなことをちょっと入れていただいてはどうかということです。というのは、そういったことに対しての支援が今手薄になってきているということなんですね。大学もあまりやってないし、こういうところは国の役割としても意識啓発をしていくことが重要だと思いますので、御検討をいただけたらと思います。以上です。

○樋口部会長

 2点ほどございました。1点は、育児休業取得率は高いのに、継続就業率は低いという文言、それがもたらす意味について書き込んだらどうかということで、それを5ページの「多様な働き方選択」の中に明文化してほしいということですが、これは厚労省どうですか。

○定塚課長(厚生労働省)

 厚生労働省としては、内容は御指摘のとおりですので、入れるのは差し支えないのですが、ただ、この部分の指針、どちらかというとやるべき内容だけをどの項目も端的に書いてあるという項目なので、ここに入れるのが適当なのかどうか、また、内閣府の事務局とも相談をしながら、どこに入れるべきかということを検討させていただきたいと思います。

○樋口部会長

 今の点ですと、「数値目標」の方の<13>の「男女の育児休業取得率」2020年女性が(P)になっているんですが。

○定塚課長(厚生労働省)

 厚生労働省といたしましては、先ほど、本多参事官からも御紹介がありましたが、女性の育児休業取得率については、分母に継続就業した方が入っていないので誤解を招きやすいという問題点もありますし、目標は既に達成したと考えています。問題は、むしろ、先ほど申し上げたように、継続就業というところにあるという観点から見ますと、<1>からは女性の分は落としまして、「男性の育児休業取得率」のみを目標値として残す。一方、女性の方は、<11>の女性の継続就業率ということで、何とかこれを高めていくという努力をさせていただきたい。このように考えております。

○樋口部会長

 大沢さん、今の御指摘だと、女性の育児休業取得率を目標値から落とすというのはどうですか。

○大沢委員

 むしろ、就業の方で。

○樋口部会長

 継続就業率の方にしていくと。

○大沢委員

 優先順位としては、継続就業というか、就業支援をしていくということが重要かなと思います。

○樋口部会長

 わかりました。であるとすれば、逆に、文章として「行動指針」にそれを書いてほしいということで。では、それはそのようにお願いします。

○本多参事官

 大沢先生から、相談とかカウンセリング、アドバイスなんですけれども、おそらくおっしゃられた趣旨からしますと、今後拡充する施策の中では「マザーズ・ハローワーク」という女性の就職支援をする事業がございます。それについては今後拡充する方向ということなんですけれども、そういった施策について言及するということでよろしいでしょうか。

○大沢委員

 あるいは、「キャリア・ハローワーク」ですか、新しい試みが今始まっているところですが、そういったものをむしろ広げていくということです。ただ、それはどういう形で広げていくのかということについては、公的機関とか、あるいはNPOとか、いろいろな形が考えられると思うのですが。

○樋口部会長

 では、趣旨はよくわかりましたので、それも検討させていただきたいと思います。
 他にどうでしょう。
 ちょっと私が言うのもおかしいのですが、気になったのは、「数値目標」の下に、今度、赤字で入ったところですね。<1>、<31>とかという形で入ったわけですね。これで消去していくと、上の方で、ワーク・ライフ・バランス憲章だけで入ったのは<2>と<4>、<9>、<14>だけというのが、これは逆にはっきりしてきているんですが、ほかは、別のところに根拠がありますという形で。そうすると、ここでは新たに4つしか検討してないのかということになりがちかなと。ほかはどこかから持ってきましたというのが、今度下の方に明記されたわけですね。

○川本委員

 今、先生から御意見がございましたけど、要は、いろいろなところで整合性をとっているわけです。厚生労働省でやっている目標のものと、「雇用戦略対話」と、そして、ここの仕事と生活の調和がございますので、やっぱり段わけは必要だと思うんですね。であれば、「と同じ」とか。要するに、逆を言えば、ここに入ったものが向こうにも盛り込まれているという言い方もできるわけなので、若干書き方を工夫すれば、それでよろしいのではないかなという気はいたします。

○樋口部会長

 そうですね。

○川本委員

 必ず向こうがあって、こちらに持ってきたような話ではなくて、こちらから向こうへ行っている部分もありますので。

○樋口部会長

 むしろ、こっちで出していたものをベースに2020年に検討したので、順番がもしかしたら逆。数値は確かに「雇用戦略対話」の方でやりましたけど、項目とかは、逆にこっちの方が2年も前から出ていたわけですから。

○本多参事官

 要は、整合性をとっているということが言いたかったものですから。後追いではないかというような印象にならないように、きちんと書き直したいと思います。

○樋口部会長

 はい。他にどうでしょうか。

○高橋委員

 細かい部分ですが、「行動指針」の中で、4ページ目にPRということで「くるみんマーク」について書かれています。これは結構なのですが、私どもが聞いている範囲では、特に中小企業等については、このマークの認定基準を満たすのが難しいというケースもあるようです。したがって、認定基準の柔軟化というような趣旨も含んでいただけるとありがたいというのが一点目です。
 もう一点は、同じページの18~19行に、公共調達において仕事と生活の調和に積極的に取り組む企業を評価するということを入れていただいて、非常にありがたく思っています。インセンティブについては、一部自治体では、公共調達以外に低利融資の対象にする等の様々なバリエーションがあると伺っています。可能であれば、そういったインセンティブの例を、1つか2つ加えていただくと、よりわかりやすくなるかと思います。特に中小企業等については、そういったインセンティブが必要であろうという観点から申し上げておきます。

○樋口部会長

 これはどこに。

○本多参事官

 「行動指針」の6ページに、「地方公共団体の取組」というところがございます。この中に「仕事と生活の調和を実現している企業を社会的に評価する」という項目がございまして。これは、表彰制度とか、今おっしゃられたような、低利融資まで入るかどうかわかりませんけれども、この項目に該当する話ではないかと思います。最近、自治体の取組が非常に広がっておりますので、それをもう少しこの部分に何か盛り込めないか検討をしたいと思います。

○定塚課長(厚生労働省)

 「くるみんマーク」について、中小企業でより柔軟化をという御意見をちょうだいいたしましたが、御承知のとおり、「くるみんマーク」については、中小企業について昨年特例をさらに緩めまして、男性の育児休業だけではなくて、子の看護休業や短時間勤務の取得でもかまわないということにしております。一方では「くるみんマーク」は、例えば男性の育児休業や短時間勤務1日でもオーケーという制度になっているものですから、緩過ぎるのではないかという御指摘も各方面からは受けているところでございまして、とりあえず当面は、まだ緩めて日がたってないということで、もう少し様子を見させていただきたいと、このように考えております。

○樋口部会長

 内容については、ここで議論するというよりも、厚労省の審議会の方で。これは審議会なのかな。どこでやるんですか。

○定塚課長(厚生労働省)

 また、別途御相談をさせていただきます。

○樋口部会長

 はい。もう一つの低利融資は。

○本多参事官

 おそらくワーク・ライフ・バランスの関係で低利融資というのは、自治体が地元の金融機関と協定なりを結んでやっているというケースが多いかと思いますので、先ほどの指針の地方公共団体の取組のところで、そういった事例を踏まえて書ければと思っております。

○樋口部会長

 これは公的金融機関。経産省。

○松井経済社会政策室長(経済産業省経済産業政策局経済社会政策室)

 特にワーク・ライフ・バランスに取り組む企業を対象ということではないのですけれども、女性ですとか、若者ですとか、シニアに対する起業家の支援資金ですとか、特に女性、若者、シニアに対する新創業融資の制度などについては、経産省の施策として行わさせていただいているところです。それらに関して、こちらの方に盛り込めるかどうか、別途御相談させていただきたいと思います。

○樋口部会長

 では、これは経産省で責任持って御議論いただくということでよろしいですか。

○松井室長(経済産業省)

 はい。

○樋口部会長

 では、その結果を踏まえて、よろしくお願いします。

○大沢委員

 すみません。ちょっと確認だけですが。

○樋口部会長

 はい、どうぞ。

○大沢委員

 前回、私の意見があったのは、「数値目標」のところで、男女の育児休業取得率を目標値から削除するというふうに。

○樋口部会長

 いや、女性だけです。男性は残す。

○定塚課長(厚生労働省)

 女性の方は、先ほど来御説明しているとおり、もう既に達成をしたということと、女性の育児休業取得率自体にどれほどの意味があるのかという面があるので、むしろ、女性の継続就業率の方で見たいと考えております。
 実は、1月に策定された「子ども・子育てビジョン」の中でも、女性の育児休業取得率を目標値から落としておりまして、育児休業取得率については男性、女性は継続就業率ということで取り組んでおるものですから、よろしければ、そのようにさせていただきたいと考えております。

○大沢委員

 わかりました。
 別に落とす必要はないのではないかというか、男女の差が非常に大きいということがわかりますので、落とすのはいつでも落とせますが。私が言いたかった趣旨は、むしろ育児休業率が問題というよりも、その背後に継続就業が伸びていないことの問題を主張したかったんですが、それを文章の中で述べることが重要だというふうには思いました。でも、そちらの方は、例えばこれを残すと誤解が生じるというように考えられますか。もう達成したからいいのではないかということで、逆に育児支援が。つまり、私が懸念しているのは、もう育児休業制度は、みんなが取っているからいいのではないかということで、継続就業にいくようになってしまうことが懸念されるわけで。育児休業制度そのものは非常に重要なんだと思います。
 問題は、そういう権利がない人が多いということですね。非正規の問題ですとか、もともとそういう権利がない人たちにそういう権利をむしろ拡大していくことがワーク・ライフ・バランスの中では必要だと思いますので、取ってしまって、もうこれでいいんだというような誤解を与えるよりは、ここでは入れておいて、もう少しちゃんと議論をしていくことを私としてはしていただきたいと思います。育児休業制度の話は、この2つは今の段階で削除してしまうよりは、もう少しそこの背後の事情を議論した上で、育児休業取得は9割だけれども、実際に権利を有している者は3割にすぎないとか、そういった補足の文章をむしろ入れることを、私の発言の意図としてはそちらの方が有り難いということです。
 以上です。

○樋口部会長

 育児休業取得率、女性の9割というのは非常に微妙な数字といいますか、1枚めくって別紙1を見ますと、目標値が実は80%だったんですね。それがもう現実に90%ということでクリアした。残りの10%は何かということを考えると、1つは、出産時には働いていたんだけど、辞めてしまった人というのもいるんですが、かなりの人たちは逆に育休を取らないで働き続けているというような人たちで、その人たちを1割以内にします、数値目標ですから95にしますとかというと、それは5%という話になって、ちょっとそれはどうなのかなというというところが実はあって、多分議論の過程としてはそういうふうになってきてということだろうと思うんですね。ですから、90%で、さすがに足もとよりも下がる目標値を出せないので、95とか100という話になってくる、ということではないかと思います。

○本多参事官

 仮に「数値目標」入らない項目になったとしても、ワーク・ライフ・バランス・レポートでは、必ずその動向についてはチェックをして、男性の低さがよりわかるという御指摘もありましたので、男性と比較できるように、レポートの中ではお示しをしたいと思います。

○樋口部会長

 よろしいですか。

○大沢委員

 わかりました。そういうことでありましたら、この点については、今後のワーク・ライフ・バランスの議論の中でということで、数値を取るということについては了解いたしました。

○樋口部会長

 では、そのように。
 いろいろ御議論をいただきましたので、宿題として受けとめている部分もたくさんございますので、これは事務局と相談した上で、次回の部会でお示しし、御議論をいただきたいと思いますので、そのようなことでよろしいでしょうか。
 (「はい」という声あり)

○樋口部会長

 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 では、次の議題「平成21年度の取組状況と今後の施策展開について」。これは各団体からということですね。事務局からお願いします。

○本多参事官

 「憲章」についての議論が予定した以上に時間を要しましたので、きょうは各団体と併せて各府省からも説明をしようと思っていたのですけれども、この残りの時間でそれが可能かどうかなんですが、まず、各団体に持ち時間2、3分で御説明をいただいて、もしそれで時間が入らなければ、各府省については次回に回すこともあり得るかなと思いますので、座長にお任せいたします。よろしくお願いします。

○樋口部会長

 それでは、ちょっと時間が短くなってしまいますが、各団体から御説明をいただきたいと思います。市川委員からお願いします。

○市川委員

 それでは、資料3-1が、私ども全国中小企業団体中央会のペーパーとなっておりますが、その下に、私どもが厚生労働省の委託を受けまして作成をしました「中小企業のための一般事業主行動計画策定・認定取得マニュアル」を付けてございます。中小の企業を中心に9社ほど具体的な事例ということで挙げております。また、「くるみんマーク」の認定基準についても触れておりまして、先ほどちょっと議論がございましたので、ちなみに28ページに「認定基準5」ということで、男性の育休1年以上ということについて、その下でございますが、「従業員数が300人以下の場合の特例」ということで、この点につきましては、中小企業は非常に従業員が少ない中で、男性の育休取得はなかなか難しいということをかねて私どもから厚生労働省に御相談を申し上げておりましたところ、こういった特例を設けていただいたということでございます。
 なお、このマニュアルにつきましては、まだたくさん余部がございますので、御希望がございましたら、お申し出いただければと思います。
 資料3-1でございますが、私どもはこうしたマニュアルの策定でありますとか、研修会の開催ということを精力的にやらせていただいております。
 それから、2.の政策提言ということで、毎年秋口に全国大会を開催いたしておりますが、この全国大会の決議の中におきましても、ワーク・ライフ・バランスの推進について触れさせていただいているということでございます。
 それから、裏のページになりますが、「次世代育成支援対策推進センター」が全国の九十幾つございますが、そのうち4割ぐらいを私ども中央会が担わせていただいているということでございます。
 それから、大きな2.の「取組を進める中で障壁や隘路と感じていること」でございますが、改正次世代法におきまして、従業員101人以上300人以下の企業につきましても、一般事業主行動計画の策定が来年の4月から義務付けをされる、施行されるということでございますが、今のところ、まだ届出状況8.5%と、かなり低い数字になっております。これからも、さらに施策の周知をさせていただき、また、専門家等によるアドバイスを進めることによってその数値をさらに高めていきたいと考えております。
 それから、大きな3番目の「取組をさらに進めるという観点から政府・地方公共団体に期待すること」については、先ほど申し上げた周知でありますとか、次世代育成支援センターの支援機能の強化とともに、一番最後に書いてございますが、総合的な支援対策が必要なのではないかということで、例えば税制面での優遇措置、あるいは低利融資の創設、各種助成金制度の整備・拡充等々、そういったことが必要ではないかなというふうに感じている次第でございます。
 以上です。

○樋口部会長

 ありがとうございました。
 それでは、海老井委員お願いします。

○海老井委員

 それでは、福岡県ですけれども、「子育て応援宣言企業」登録制度を続けております。平成15年9月からですけれども、企業・事業所のトップの方が、我が社の従業員の仕事と子育ての両立を支援するために我が社も取り組むということを宣言してもらって、それを県がまとめて、全県下へ広げていくという手法です。今年度末に3,000社を目標にして取り組んできておりまして、今、2,400社ぐらいです。この間の取組につきまして、優良企業を表彰したり、パネルディスカッションや、基調講演を行っております。そして、さらに県の入札参加資格審査において加点したり、あるいはそういった制度を県なり市町村の方にも拡大をしていくとかといったことで進めてきているわけですが、今年度末3,000社確実に到達します。次からは、また、新たに5,000社ということを目指して取組の拡大を続けていく予定です。もう、ここからは県が関わるのではなくて、ここまで広がってきておりますので、宣言企業自体の中で取組を進めてもらいたいということで、宣言している企業の中に、「子育て応援宣言企業」経営者有志ということで14名の会員の方たちが内部的に宣言気運の拡大を図っていくということを今年から始めております。
 それから、福岡県の男女共同参画センターの方で、ワーク・ライフ・バランスの講座等を進めておりますが、課題ということにつきましては、実は、これも子育て応援にとってワーク・ライフ・バランスの実現は非常に欠かせないものなんですけれども、実は子育て応援宣言企業ということで先にこの事業を始めておりますので、後からワーク・ライフ・バランスという言葉はなかなか付け加えるといいますか、趣旨を少し付け加えた形ですると進めにくくなりますので、実はワーク・ライフ・バランスということは子育て応援宣言企業の拡大の中ではあまり使ってないのですね。しかし、これもおかしいと思いますので、ワーク・ライフ・バランスと子育て応援ということは課題であるんだということをこれからは表に出して進めていくべきかなと思っているところです。以上です。

○樋口部会長

 ありがとうございました。
 大日向委員。

○大日向委員

 男女共同参画推進連携会議から御報告いたします。
 この会議は、男女共同参画社会づくりに向けて、広く各界各層との情報・意見交換を始めとして国民的な取組を推進することを目的としております。
 平成21年度は、7月と12月の2回全体会議を開催いたしました。
 7月の全体会議では、「国・地方男女共同参画推進ネットワーク」を立ち上げるとともに、地域版連携会議の活動・課題等につきまして活発な情報・意見交換を行いました。
 12月の全体会議では、男女共同参画関連施策に係わる最近の動きについて、内閣府から説明がありまして、続けて、「国・地方連携会議ネットワーク」による「男女共同参画・子育て支援推進事業」を実施した団体議員が、事業報告を行いました。
 仕事と生活の調和に関わる取組といたしましては、内閣府や地域版連携会議との共催で、一般あるいは関係団体の方々を対象に、仕事と生活の調和の推進、女性の参画拡大、子育て支援等に資するシンポジウムやセミナー等を開催いたしました。
 また、別紙のとおり、地域版連携会議を含め12団体との間でセミナー等を開催いたしました。
 さらに、国・地方公共団体等で行われている女性の活用や仕事と生活の調和推進等の男女共同参画に関連する企業や団体等を対象とした表彰の一覧を、内閣府男女共同参画局のホームページに掲載いたしました。
 さらに、今後の施策展開ですが、仕事と生活の調和の関する理解を広めるためには、地域に焦点をあてることが重要です。まだ、「国・地方男女共同参画推進ネットワーク」に加入していない他の都道府県に働きかけ、ネットワークを広げることを必要と考えております。
 また、企業や団体等を対象とした表彰の一覧を更新することといたします。詳細は資料3-3をごらんください。以上です。

○樋口部会長

 ありがとうございました。川本委員。

○川本委員

 私からは日本経団連の取組でございますが、資料3-4をお配りしてございます。前回、昨年の12月の会合でも御紹介させていただきまして、それ以降、追加の部分について、網かけにしているところでございます。その網かけの部分について御報告申し上げたいと思います。
 まず1番目でございます。現行の取組でございますが、追加した部分は、1つが全国の経営者協会等でこういう講演会を実施しております。その中で、この仕事と生活の調和推進の必要性、あるいはその取組の方向性について説明をしてまいったということでございます。延べ70回でございます。
 その下でございますけれども、日本経団連で、「経済Trend」を発行しております。この5月号で、「子育てに優しい社会づくり~ワーク・ライフ・バランスの一層の推進を~」ということで特集を組みました。この中で、自治体の市長、大学教授、あるいは企業のトップによります子育て支援を巡る今後の課題等について座談会を開いていただきました。また、ワーク・ライフ・バランスの企業における担当者の座談会ですとか、各種企業の事例等を盛り込ませていただいているということでございます。啓蒙活動でございます。
 それから、2番目に、調査・報告書の作成でございますが、これにつきましては、「経営労働政策委員会報告」を私どもは毎年発行してございますが、この中で、今年も継続しまして、「ワーク・ライフ・バランスの推進」という項目を立てまして、効率的、柔軟な働き方の推進等に向けた考え方等について記載をさせていただいております。
 それから、後ろの方に、厚くなって申しわけないんですが、経団連の「成長戦略2010」という冊子をお配りさせていただいております。これは、必要な成長戦略とか、税・財政・社会保障の一体改革のあり方について取りまとめたものでございます。この中におきましても、ワーク・ライフ・バランスの方向性とか、子育て世代の仕事と育児の両立に向けた各種の方策等も提言させていただいているところでございます。併せて、実現に向けた規制緩和等についても触れさせていただいているところでございます。後ほど、御一読いただければ有り難いと思う次第です。
 それから、冒頭触れました各地の経営者協会におきましても、ワーク・ライフ・バランス推進に向けまして、様々な取組をしておりまして、その一部でございますけれども、2ページ以降、北海道から始まってございますが、各県の取組状況を記載しております。これは調査をいたしまして、回答があったところについて記載しているところでございます。
 それから、ページをちょっと飛んでいただいて、14ページでございます。14ページが、「取組を進める中で障壁や隘路と感じていること」という項目でございますけれども、グラフを載せてございます。昨年9月に経団連で実施したアンケートでも、ワーク・ライフ・バランスに関する諸施策が社内で広く導入・活用していく上での阻害要因として「一人ひとりの意識改革の難しさ」、職場の働く人の理解という問題がなかなか進まないということがあるわけでございます。昨年よりは数値は減ってきておりますけれども、順位としてはまだ1番になっているということでございます。
 続いて、2点目でございますけれども、ワーク・ライフ・バランスに関する諸施策を導入することで要員管理とか労務管理が煩雑になるということが挙げられるわけでございます。短時間勤務、あるいは長期間の育児休業の取得などで不足する労働力を融通することが難しいとか、また、短時間勤務の方や育児休業を取得している方は、通常勤務の方とは異なる個別の労務管理が必要となるということで、要員管理とか労務管理が大変になることが、企業がこの問題に取り組んでいく上での障壁となっていることがアンケートからは見て取れるわけでございます。
 3点目でございます。大都市圏での問題だと思いますけれども、低年齢児向けの保育サービスの絶対量が不足しているという問題があるということでございます。
 それから、15ページでございます。「取組をさらに進めるという観点から政府・地方公共団体に期待することと」という項目でございます。ここでは、先ほど申し上げましたのと同じでございますけれども、これは社会基盤の整備を是非お願いをしたいということです。特に仕事と育児の両立ということを可能にするためには、保育制度の抜本改革を早急に進めていただきたいと。多様な働き方に対応する柔軟な保育サービスの拡充を行っていただきたいと思っているところでございます。公費の投入、あるいは各種規制の見直しを通じて、基盤の整備、それから、企業やNPOの参入を促進することが肝要なのではないかなと思っているところでございます。
 それから、ワーク・ライフ・バランスという言葉自体は、かなり国民の間にも浸透はしてきているのではないかというふうには思っております。内閣府がつくったワーク・ライフ・バランスレポートも非常に好評だとお聞きしておりますし、当方でも、講演会等でお配りすると、非常に好評を博しているところでございますけれども、ただ、正しい理解がまだ十分ではない。あるいは自分自身の問題として捉えられていないというような現状もあるのではないかと思っております。私どもといたしましても、地域の経済団体とか、企業に、多くの機会を通じてこのワーク・ライフ・バランスの必要性を今後とも訴えてまいりたいと思っているところでございます。政府・地方公共団体におかれましても、さらなる推進に向けた情報発信を引き続きお願いをしたいと思いますし、あるいは子育て支援、それから、ワーク・ライフ・バランスに関する様々な事業とか取組を通じて、国全体としての一体感ある国民運動に再構築をしていただければなと思っているわけでございます。
 最後でございますけれども、ワーク・ライフ・バランスというのは、職場の実態に合った取組が必要です。生産性の向上とか、効率的な働き方の追求を通じて、労働時間の短縮とか、年次有給休暇の取得推進などを進めることも重要であると考えております。したがいまして、新合意におきます数値目標等々の具体的な取組については、法的措置に委ねるのではなくて、個別労使の取組の推進、あるいは支援するという観点から諸施策を進めていただければなというふうに思っているところでございます。
 以上でございます。

○樋口部会長

 ありがとうございました。
 北浦委員。

○北浦委員

 生産性本部の方は、民間運動のワーク・ライフ・バランス推進会議の事務局をやらせていただいております。その活動報告をしたいと思います。
 お手元の資料では、まずアピール分、これは前回もお話があったかもしれませんが、3月に発表させていただいております。先ほどございましたが、成長戦略との関係でワーク・ライフ・バランスを捉えると、そういった趣旨でアピールを出させていただいております。
 それから、直近のものとしましては、5番にございますが、2月に「ワーク・ライフ・バランス実践問答」という冊子をつくってございます。これは、私どもは、ワーク・ライフ・バランスをもっと現場段階において普及していくためには、特に現場のマネジャー層の理解が必要であるということで、そこにおきますいろいろな疑問点などを集めまして、それに対する問答集の形でつくり上げたものでございます。回答も必ずしも1つということではなくて、いろいろな観点の回答ということで、それをもとにディスカッションをしていただくなり、あるいは企業の中で気運醸成に使っていただくということを考えたものでございます。
 それから、書いてございませんが、今月開かれました推進会議の委員会におきましては、福島大臣、また、内閣府の方にもおいでいただき、短い時間ではございますけれども、意見交換をさせていただいたということでございます。
 私どもは、隘路というのは特に書いてございませんが、お手元開いていただきまして、参考資料2の、「ワーク・ライフ・バランス大賞」、これは昨年でございますが、第3回の受賞が出てございます。本年も第4回ということで、これから応募に入るわけでございますが、関係団体の御協力もいただきながら進めたいと思っております。
 前年第3回のときには、萩市民病院さんが受賞しておられます。そういったように、これからはワーク・ライフ・バランスの議論を進めるにあたりましては、病院であるとか、介護業界であるとか、とりわけ難しい業界のところ、そういったところの動きも踏まえて、そういったところをアピールしてというようなことが必要ではないかと、内部でも議論されております。
 また、それだけでなく、業界ということで考えますと、特に男性の多い業界、そういうものもございます。あるいは長時間労働が慢性化しているような業界、こういったように、一般論ではなくて、業界別のそういったような特性なども捉えて、とりわけ難しいところで頑張っているところをもっと顕彰していくと、そういったような形が必要なのではないかと、こんな議論をしておりまして、このへんにつきまして、我々としても取組を少し進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
 それから、もう一つは、一番最後の裏でございますが、私どもはワーク・ライフ・バランス推進会議と一対になって進めているものとして「ワーキングウーマン・パワーアップ会議」という女性の活躍を推進するための運動も同時に行ってございます。女性というところに焦点を置きますと、ワーク・ライフ・バランスは必須でありますけれども、さらに、その活躍を推進していく、キャリアを育てていく、そういったような動きと一対でないとこれは定着しない、また、そういうキャリアを育てていくという動きの中で、また、このワーク・ライフ・バランスというものも企業の経営者の方にも理解が進んでいくんだろうと、こういうふうに考えております。そういった意味でパワーアップ会議の取組を一対にしまして、女性活躍推進とワーク・ライフ・バランスの推進と両輪のように進めていきたいと、こういうふうに考えております。
 以上でございます。

○樋口部会長

 ありがとうございました。
 高橋委員お願いします。

○高橋委員

 商工会議所です。資料3-6に書いてあるように多様な活動を行っていますが、1つ目に意見・要望活動ということで、一番下の○の「『新成長戦略』のとりまとめに向けた提言」を、この3月にまとめました。その中の、「少子化対策への転換による多様な保育サービスの創出」ということで、待機児童の解消等について述べています。
 普及・PR活動については、いろいろなガイドブック等を出しています。2つ目の○ですが、これは事例研究です。各会社で直面している困難に、より実務的に対応しようという観点で取り組んでいます。
 他にも様々なセミナー、勉強会等を開催しています。
 続いて、以前ご紹介した「優良事業所の認定」の、船橋独自の事業所認定の事例です。
 次の「出会いの場創出事業」というのは、少子化対策の一環で、いわゆる婚活です。商工会議所が中心になって実施している場合が多いのですが、いろいろな意味でマスコミにも注目され、事業数が相当増えてきています。その一方で、個人情報の問題等、難しい面も多々ありますが、各地域では、この事業に対する関心が非常に高まってきていると感じています。
 障害、隘路の問題に関しては、ワーク・ライフ・バランス推進についての経営トップの意識改革が必要であり、また、中小企業においては、生産性向上の問題と対で実施しなければならなく、いろいろな困難があります。
 それから、「政府・地方公共団体に期待すること」では、「一般事業主行動計画」作成のための支援策、特にアドバイザーの派遣等の問題や「両立支援レベルアップ助成金」の増額など、いくつかの点について書いています。また、ワーク・ライフ・バランスを推進する企業へのインセンティブの付与という点などで、いろいろお願いを申し上げたいと思っています。

○樋口部会長

 ありがとうございました。
 南雲委員、お願いします。

○南雲委員

 資料3-7でございます。
 連合は、2007年に策定されました「憲章」「行動指針」を受けて、2008年に「ワーク・ライフ・バランス社会の実現に向けた連合方針」を決定しまして、現在、構成組織、地方連合会と連携した取組を進めているところでございます。
 具体的な取組といたしましては、「2010春季生活闘争」を中心とする労働条件改善への取組と、連合の政策制度要求と提言に盛り込んだ雇用対策・健康・安全・衛生・子育て支援・両立支援等の実現を目指し、審議会への意見反映、政府との協議・意見交換を行っているところでございます。
 現行の取組の中で、「2010春季生活闘争」では、仕事量の減少により、この間に減少した労働時間を元の長時間労働に戻さないことを含め、総実労働時間の縮減等によりワーク・ライフ・バランスの実現と非正規労働者も含めた雇用の安定・創出を図ることを確認し、課題に取り組んでおります。
 春季生活闘争の1つ目の取組は「総実労働時間縮減の取組」でございます。労基法改正を受けて、時間外割増率の取組では一部法を上回る成果がございましたが、経済情勢の影響を受け、全体としては総実労働時間短縮はあまり前進をしておりません。
 2つ目の非正規労働者の処遇改善などの取組につきましては、この春闘の中で取組を行った組合数は、昨年の2,060組合から、今月の4月末時点で3,135組合に増えております。また、連合がシステム化をいたしまして、労働組合に未加入の労働者が自ら労働条件をチェックするためのサポートとして実施をいたしました「ワークルールチェッカー」は、2か月余りで約20万件のアクセスがございました。多くの労働者に気づきの機会を提供できたと同時に、多くの職場で労働法が遵守されていない実態を改めて明らかにすることができたと思っております。3つ目は、改正育児・介護休業法を受けた労働協約化の推進でございます。
 それから、政策制度の要求と提言におけるワーク・ライフ・バランス関連の政策実現の取組でございますが、連合は、「子育て基金(仮称)」を提案し、構想の実現に向けた取組を進めております。この内容は、出産・子育て・就労との間の多様な選択を可能とする切れ目ない支援の提供を提案するもので、具体的には、多様な保育サービス、休業時の所得保障など、現物給与、現金給付を適切に組み合わせて、切れ目なく体系的に提供できる仕組みの構築を提言しているところでございます。取組を進める中での障壁、それから、政府・地方公共団体に期待すること等については、御参照いただきたいと思います。
 以上です。

○樋口部会長

 ありがとうございます。
 縄倉委員。

○縄倉委員

 私ども情報労連の取組を報告させていただきたいと思います。
 情報労連の取組の中では、情報労連が独自で策定しました21世紀型の働き方を模索した「21世紀デザイン」については、前任である杉山からも報告をさせていただきましたので、詳しくは割愛させていただきます。その中で提起しています「時間主権の確立」というところで、我々としては、働くということと家庭生活を両立させて、地域社会との関わりができる時間を創出していきたいというところであります。その中で、長時間労働からの脱却が極めて重要となるのですけれども、具体的な調査を行っております。「生活実態アンケート」という調査を行ったのですが、その中で、地域社会との関わりの最たるものであるボランティア活動等、地域社会の活動等について「行っていますか」というところで「なかなか参加できない」という回答が多かったのですけれども、その理由のトップは、やはり時間的な余裕がないということであったということであります。長時間労働の抑制とか、健康維持のための休息の確保につながる取組を進めたいというのが背景にあります。
 2ページに移らせていただきますけれども、そのために2ページの真ん中、中段以降、情報労連としては、「中期時短目標」を策定して、本年の3月までに達成することで、年次有給休暇の付与、初年度付与日数を15日以上にするであるとか、休日労働を含めた時間外労働は、厚生労働省の告示である1か月45時間以下にするという目標を掲げて取り組んできました。今年の3月までの目標達成状況で、実施状況については調査中でありますが、正直なところ、集まってきているデータからは、未達成のところがほとんどであるというのが実態になっています。
 とりわけ長時間労働の抑制に向けて、今、情報労連として取り組んでいるのが2点あります。1つは、「連合方針」にもありました「勤務間インターバル規制」の取組の強化です。昨年の春闘から始めました。2009年の春闘では、「労使間論議を促進する」という方針だけだったのですが、今年度は「積極的に労使間論議を行うとともに、可能な組合においては協定の締結を図る」として、すべての関連組合からの労使において論議はしてほしいという目標を掲げました。結果ですが、やはりこれも経済的な情勢等もありまして、新たにインターバル規制を締結できたのは2単組にとどまりました。昨年までに取り組めた単組を含めて、まだ14単組にとどまっています。ただ、正確には4つの単組で交渉を継続しておりますので、年内にも少し前進的な解決を図りたいということであります。
 それから、もう一つは、「36協定特別条項見直し」で、これは今年度から新たに取組を始めましたけれども、現状、36協定特別条項締結をすると、基本的に、特別条項の上限については、青天井で、労使間論議にだけ委ねられております。したがいまして、私どもの中では、情報通信の建設業、これは厚生労働省の告示が規制の適用の除外になりますし、それから、どうしても規制の対象ではあるのですけれども、長時間労働が社会問題となっている情報サービスのいわゆるソフトウェアの開発などの業務、これらについて少し特別条項の適用も含めて条件規制を少し強化したいということで取り組んできております。この結果については、今、締結内容等について詳細な取組を進めているというところです。
 併せまして、これは産業界の方々とも協力してやっていかなければならないものですから、情報サービス産業の事業者団体であるJISAとの共同宣言、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、JISAの地方組織であるとか、その関連企業との連携強化の取組を今進めているところであります。
 「取組を進める中で障壁や隘路と感じていること」は、先ほど来、市川委員や海老井委員、高橋委員の御意見の中にもありましたように、ワーク・ライフ・バランスの重要性について、地方組織に加盟する中小、地場の単組が対置するような企業では、事業主、経営者の理解が不足していて、「余裕がある企業がやるべきことではないのですか」と、「うちはとてもそんなことはできません」というような、そういう言葉がどうしても出てきてしまうということ。それから、働く我々の側にも責任があるのですけれども、中堅層以上の中では、ワーク・ライフ・バランスに対する意識が希薄で、家庭生活や地域社会との関わり合いよりも、仕事中心の考えが必要なのだという考え方がまだ蔓延している部分がありますので、このあたりの意識改革の取組は、労働組合の取組として進めていきたいというところであります。
 政府・地方公共団体に期待することは、先ほど来出ておりますけれども、ワーク・ライフ・バランスの必要性を積極的にアピールしていくことと、それに取り組むことによるワーク・ライフ・バランスの推進に対する政策誘導を求めていきたいということです。
 以上です。

○樋口部会長

 ありがとうございました。
 横山委員から、資料3-9が提出されておりますが、本日急遽来られないということですので、お目通しいただければと思います。
 以上で、各団体からの御説明を終わります。
 府省から説明ということですが、ちょっと時間の関係がありますので、次回にお願いしたいと思います。
 以上の説明につきまして、何か御質問・御意見はございますか。
 なければ、最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。

○本多参事官

 資料4として、今年の「仕事と生活調和レポート2010」の骨子案をお配りしております。レポートは昨年一応御好評をいただいておりますようで、今回も、基本的には昨年と同じ形式でつくりたいと思っております。一番最初のところについては、今回の「憲章」「行動指針」の改定の経緯を盛り込みたいと思っておりますが、ほかの部分については、各団体、きょう御報告いただいたものをベースに各団体の取組を御紹介する、また、データの分析を行うといったことにしたいと思っております。また、御意見がございましたら、次回以降でも結構でございますので、お聞かせいただければと思います。
 今後のスケジュールですが、次回の部会を6月16日に開催したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。ここで、「憲章」「行動指針」について取りまとめを部会としていたしまして、その後、6月の下旬にトップ会議を予定いたしております。
 以上でございます。

○樋口部会長

 ありがとうございました。
 それでは、議題は以上ですので、本日の会合は終了させていただきます。どうもありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。

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