仕事と生活の調和関係省庁連携推進会議合同会議(第8回)議事録

1 日時:平成21年6月5日(金)15:00~17:00

2 場所:共用第3特別会議室

3 出席者:

(部会構成員)

樋口美雄部会長、市川隆治委員、海老井悦子委員、大沢真知子委員、川本裕康委員、北浦正行委員、古賀伸明委員、小室淑恵委員、近藤英明委員、榊原智子委員、佐藤博樹委員、橋本葉子委員、横山陽子委員(杉山委員、八代委員はご欠席)

(関係省)

総務省 鈴木課長、文部科学省 寺門室長、厚生労働省 生田参事官、小林課長、定塚課長、経済産業省 松井室長

(内閣府)

松田室長、山田次長、本多参事官、酒巻参事官、川又参事官

4 議事概要

○樋口部会長

 それでは、定刻を過ぎましたので「第8回連携・推進評価部会 関係省庁連携推進会議」合同会議を開催します。
 お忙しいところを、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 では、事務局から本日の議事について、説明をお願いします。

○内閣府本多参事官

 議事次第をごらんください。本日は、「仕事の生活の調和レポート2009(案)について」と「21年度版の当面取り組むべき事項について」を議題としております。また、今日の委員の御紹介ですが、小室委員が遅れての御出席になります。杉山委員、八代委員が御欠席でございます。ほかの委員は遅れていらっしゃるかと思います。
 以上です。

○樋口部会長

 それでは、「ワーク・ライフ・バランスレポート2009(案)について」、まず、事務局から説明をお願いいたします。

○内閣府本多参事官

 それでは、このレポートの案につきましては、2日に事前に配布をさせていただいたところでございますので、要点を御説明申し上げたいと思います。
 事前に配布したものから、若干字句の修正等がございます。
 最初にまずスケジュールを御説明しておきたいのですが、資料3をごらんください。
 このレポートの検討に、3回を当てたいと思っております。今日とあと2回です。
 この資料1の1枚目に構成が書いてございますが、今回は全体の中の第1章から第3章を議論していただきたいと思っております。そこでの議論を踏まえまして、第4章の今後の課題と当面重点的に取り組むべき事項についても、今日御議論いただきまして、その議論を踏まえて、次回に第4章の案をお出ししたいと思っております。
 まだ今お配りしているものは、レイアウトですとか色遣いが不ぞろいなところ、見にくいところがあるかと思いますけれども、最終的には、外部で版をつくって印刷いたしますので、その際に調整をしたいと思います。
 まず資料1の1枚目は、事前配布の際にはなかったものでございますけれども、作成の目的を明らかにするために追加をいたしております。
 このレポートを作成する目的といたしましては、憲章・行動指針の策定以降の各主体の取組を今後の展開を含めて紹介するとともに、仕事と生活の調和の実現状況の把握をした上で、今後の課題を洗い出して、重点的に取り組むべき事項を整理すると、そういう趣旨のものでございます。
 レポートが対象としておりますのは、企業と働く方、国、地方公共団体、それぞれで仕事と生活の調和の実現に向けて取り組まれる方に、更なる展開を図っていただく。それを進めるということと併せまして、国民の一人一人に仕事と生活の調和に対する理解を深めていただくことを期待しております。
 レポートのタイトルですが、これは単刀直入に「仕事と生活の調和レポート2009」といたしておりますけれども、こちらについても御意見があれば、いただければと思っております。
 作成主体は確認をさせていただきますが、この連携推進評価部会と関係省庁連携推進会議の連名になります。
 構成については、ここで第1章から第4章まで、1枚目に大ぐくりのものを載せておりまして、参考として憲章と行動指針そのものをつけようと思っております。
 2枚目から細かい目次をつけておりますので、こちらも御参考にごらんください。
 第1章でございますが、「憲章・行動指針の策定と推進体制の整備と活動」ということで、ここは簡潔にこれまでの経緯を述べております。第1節「憲章と行動指針」については、その内容を要約をしながら紹介をしております。
 第2節については、「推進体制の整備と活動」ということで、この連携推進評価部会を設置をして開催をし、PDCAのサイクルを実施してきたということ。実現度指標の改定をしたということ。緊急宣言を発出した、こういったことを書いております。あとは仕事と生活の調和推進室を設置したということを書いております。
 第2章は、こちらは、当室で原案をつくりまして、それを各主体、労使の各団体と各省庁に執筆していただいたものでございます。こちらについて、作成に御協力をいただき、ありがとうございました。
 内容は、これまでの各主体の取組状況ということで、この部会でも発表をいただいているものがほとんどでございまして、また第2章については、事前に配布したものからほとんど変更はございませんので、詳細についての説明は省きまして、構成だけを説明させていただきます。
 まず第1節の「企業や働く者の取組」のところですが、ここはこの部会のメンバーになっていただいている使用者団体、労働団体、生産性本部産の取組を書いていただいております。
 産別組合の取扱いですけれども、産別については、ほかの産別組合もいろいろ活動していらっしゃるということで、事例としての御紹介という形にいたしております。
 続きまして、第2節の「国の取組」のところでございます。こちらは、非常に政策のメニューがたくさんございますので、事業の内容の紹介は、簡略なもの、概略にとどめております。ただ、ほとんどの施策が、各省のホームページ等で紹介をされておりますので、そのURLを記載して、詳細についてはそちらをごらんいただけるようにしております。
 もう一つは、それぞれの事業で実績が把握できるものについては、極力実績値を盛り込んでいただくように、お願いをいたしました。
 構成は、総論と憲章で掲げている3つの柱という構成にしておりますけれども、非常にいろんな柱にまたがっている施策が多いものですから、そういったものは総論のところに盛り込んでおります。結果として、各柱の中で、施策の数が少なく見えるというものもございます。
 続きまして、第3節が「地方公共団体の取組」でございます。こちらは、我々の方で都道府県と政令指定都市を対象に調べた結果をまとめております。今回ちょっと詳細を調べる時間的な余裕がなかったものですから、メニューを絞って、宣言や提言を策定しているかとか、あるいは会議を設置しているか、そういった主なものの有無を調べているところでございます。
 都道府県等の事例としまして、福岡県と8都県市、埼玉、千葉、東京等の8都県市が連携をして今ワーク・ライフ・バランス推進キャンペーンをしておられますので、そちらの取組。あと兵庫県の取組は、NPOとのネットワークを活用しているということで、そういった3例を御紹介いたしております。
 第4節は「国民の取組」でございます。ここについては、どういう内容を載せるか難しいところですが、まず一つは内閣府でまとめた「パパの育児休業体験記」を見ますと、育児休業をとるために職場でこんな工夫をしたとか、あと周りからこういうサポートがあったという体験がいろいろございましたので、その中から幾つかを抜粋して紹介しております。こちらは非常にミクロの観点で事例を集めたものですが、もう一つ、第2節に以前に行ったインターネット調査で、個人として「日頃、ワーク・ライフ・バランスのために努力しているか」という質問をしておりましたので、その結果を載せております。「かなり努力をしている」「まあまあ努力をしている」方が2割弱ということで、「具体的にどのような努力をしたか」といったようなことも入れておりまして、「効率よく仕事する」等々が挙がっております。
 続きまして、第3章の第1節でございます。これは最初に配付した原案と次の事前配布のときに、大分構成を変えたものを配付いたしました。今回、この章の位置付けでございますけれども、第1節については、仕事と生活の調和の状況について、憲章策定後の動きを中心に概観をするという趣旨で記述をしております。
 ただ、全体をバランスよくというだけではなくて、非正規の問題が特に注目をされているということで、そこについて少し資料として記述を厚くしております。ここも、憲章の柱に沿って記述をしております。
 第1節の2ページ目が「就労による経済的自立」でございます。これはデータを紹介する関係で、中には、第2節以降の数値目標とダブっている数字もございますが、それもここで主なものについては触れてございます。最初が就業率になりますけれども、就業率の話を最初にしまして、そのあと非正規雇用者の比率が高まってきているというデータと、一方でフリーター数のデータについては、これも数値目標で出てきますけれども、2004年以降、2008年まで連続で減少しているという話を書いております。
 非正規については、問題意識として、自発的に選択されている方もいらっしゃいますし、やむを得ず選択をしている場合もあるということ。あと、社会保障のセーフティネットが十分でないといった問題が指摘されているということを書いております。
 また、足元の状況といたしまして、雇用者数の動向を見ると、これまで正規雇用者を中心に減少していたのですけれども、この図1-3でございます。直近のところで2009年の第1四半期では、非正規も減少しているという動きが見られることを御紹介しております。
 続きまして、3ページですが、非正規の関係では、能力開発の面で問題があるのではないかということで、ここでは図1-4で教育訓練の実施状況を、正社員と非正規社員を比較したものを出しております。非正社員の方が実施率が低いという結果になっております。
 また、満足度で見ると、非正社員の方は、正社員に比べて労働時間や休日等の労働条件は満足度が高い。一方で、雇用の安定性や教育訓練について満足度が低いということが、このデータになっております。
 続きまして、正規、非正規別の男性の有配偶者率を図1-6として出しております。これもよく使われるグラフでございますけれども、非正規の方の方が有配偶者率が低いということでございます。
 次が2つ目の柱、「健康で豊かな生活のための時間の確保」でございます。こちらは一般労働者の年間総実労働時間が、ずっと高止まりの状況ということになっております。ただ、その中で、数値目標で掲げている、特に長い労働時間の方、週の労働時間が60時間以上の雇用者の比率というのが、直近のピークが2003年ですけれども、そこから5年連続で低下しているということでございます。これも足元の状況として、2009年に入ってから、非常に急激に所定外労働時間が減少していることを紹介しておりますけれども、書き方としては、「仕事と生活の調和への影響の観点から、今後の動向を注視する必要が」あるという記述をしております。
 続きまして、「多様な働き方の選択」ということで、まず、基礎的なバックデータとして共働き世帯の数が増えているというデータを、図1-8として挙げております。
 その次に、女性の育児休業取得率が、直近のデータでは約9割に達するなど、一定の定着を見ていますけれども、図1-9で第1子出産前後の妻の就業経歴を見ると、就業継続をしている人の比率は、長期的にはあまり変わっていないということにも、触れております。
 両立のための保育サービスの状況を、次に挙げております。待機児童の数がずっと減少してきていたのが、昨年の4月でまた少し増えたということ。最近の経済情勢の中で、更に保育所の不足が、大きな問題になっているということに触れております。
 図1-11では、男性の家事・育児時間と第2子以降の出生の状況を紹介しております。これは、「21世紀成年者縦断調査」というパネル調査からとったデータですけれども、第1子出生後の男性の家事・育児時間が長いほど、調査対象期間で、第2子が生まれた夫婦の比率が高いという結果になっております。
 最後に、今後、介護と仕事の両立も大きな問題になるであろうということに、触れております。
 第1節は以上です。
 数値目標と実現度指標については、酒巻の方から説明をいたします。

○内閣府酒巻参事官

 それでは、第3章の「2 数値目標設定指標の動向」につきまして、御説明をしたいと思います。こちらは数値目標の現状と、それから幾つかの指標につきましては、関連のデータも含めまして、背景について、検討したものです。
 1ページ目に全体の状況を記載した表を載せております。赤で色をつけておりますのが、改善した項目、青が悪化、その他更新できないものが3項目ございますが、改善が10項目、悪化1項目ということで、おおむね改善しているという状況でございます。ただ、改善している中でも、顕著に改善しているものと、若干の変化にとどまっているものという違いもございまして、また改善していたとしましても、少し留意点がある指標もございますので、本文の中ではそうしたところに言及しております。
 個別の指標についての動向を、次ページ以降で御紹介しております。
 最初に「就業率」でございますけれども、高齢層と若年層をとっておりますが、おおむね高齢層の方は上昇してきている。特に60歳から64歳のところは、中間目標の水準に達しているという状況にございます。
 若年層については、男性はほぼ横ばいでありまして、女性はやや増加しているというような状況かと思います。全体の就業率は、景気の影響で前年を下回る動きになっておりますけれども、数値目標で採用されたものを個別に見ますと、例えば男女計の60歳から64歳の伸びはだんだん低下してきておりますが、その他は横ばいのものでありますとか、上昇しているものもございまして、まちまちな動きになってございます。
 (2)「時間当たり労働生産性の伸び率」につきましては、一進一退で推移しているという状況でございます。
 (3)「フリーターの数」でございますけれども、こちらは、15歳から24歳につきましては、低下してきておりまして、25歳から34歳については横ばいのような動きになっています。数値目標としては若年層の状況に着目をしているということかと思いますが、そうした意味では、改善してきているという状況かと思います。
 それから(4)の「労働時間等の課題について労使が話し合いの機会を設けている割合」については、改善の動きが見られます。
 (5)「週労働時間60時間以上の雇用者の割合」につきまして、少しデータを詳しく載せまして、背景の検討もしております。動きといたしましては、2004年以降減少してきており、数値目標としては改善しているということであります。図3-9は、年齢別に動向を見たものでございまして、各年齢層で減少しておりまして、特に年齢別に違った動きをしているということはございません。水準としましては、30代、40代で比率が高くなっておりまして、このあたりに負担がかかっているという状況は依然として続いているということかと思います。
 それから、図3-10は、「週労働時間別雇用者数」の動きを見たものでございます。90年代後半から2000年代の前半にかけまして、週35~48時間雇用者が減少しております。それから、週1~34時間の短時間の雇用者が増加しておりまして、週60時間以上の雇用者も増加しているということで、労働時間の面からは、二極化のような動きがあったということかと思います。それが2000年代中ごろ以降、週60時間以上が減少してきておりまして、週35~48の中間的な労働時間の雇用者数の水準が、高まっているというような動向になっております。
 図表の3-11は、正規、非正規の職員・従業員別に動向を見たものでございまして、正規の職員・従業員では、週49時間以上の長時間の雇用者がやはり減少してきている。それから週35~48時間といったところで2006年、2007年は増加している。非正規につきましては、短時間だけではなく、少し長い労働時間の35~48時間職員従業員も増加してきているというような動きがございまして、これは基本的には、極端な長時間の労働者の比率は減ってまいりまして、中間的なところが増えてきているということで、業務の平準化によりまして、極端な長時間労働者は減ってきているのではないかというような推察をしているというところでございます。
 それから図3-12でございますけれども、これは「週60時間以上の労働者の比率と所定外労働時間」の推移を見たものでございまして、基本的には、残業時間が増えれば長時間労働者が増えるだろうというふうに考えられるわけですけれども、2003年あたりまではそうした動きが見られまして、この2つの指標は連動した動きを見せております。
 しかし、その後、動きが乖離しておりまして、所定外労働時間が景気の拡大もありまして増加する中で、長時間労働者の比率が低下してきている。今までとは違った動きになっております。
 この背景につきましては、先ほど申し上げたような業務の平準化によりまして、全体の残業時間は増えても、極端な長時間労働者というのは、減ってきているのではないかということが一つございます。
 それともう一つは、3-13で示しておりますけれども、パートタイム労働者の所定外労働時間を見ますと、かなり大幅に増えているという動きがございますので、このあたりも少し影響を与えているのではないかというふうに考えておりまして、その旨を記載しております。
 (6)の「年次有給休暇取得率」でございますけれども、90年代半ばから減少してきておりまして、2000年代前半から横ばいというような動きになっております。
 企業規模別では、大企業で取得率が高い。それから、産業別では少しばらつきがございまして、飲食店・宿泊業といったあたりで、取得率が低いというような状況がございます。
 図表3-17は、取得率を付与日数と取得日数別に見たものでございますけれども、最近は両者横ばいで動いておりますけれども、2000年初めくらいまでの動きを見ますと、付与日数が増えている中で取得日数が減っているということで、取得率は低下しておりまして、なかなか休暇の取得が進まなかったというような状況があったことが見てとれます。
 (7)は「メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業所割合」ということで、こちらは増加しております。
 (8)「テレワーカー比率」、(9)「自己啓発行っている労働者の割合」は、いずれも増加の動きが見られます。
 (10)「第1子出産前後の女性の継続就業率」でございますけれども、こちらは横ばいで推移しておりまして、出産の後、退職する女性は減っていないというような問題がうかがわれます。
 (11)は「保育等の子育てサービスを提供している割合」でございまして、数値としては増加しております。ただ、最近、待機児童数が増加するということもございまして、保育所の不足ということが大きな問題になっておりますので、数値をご紹介し、その点に言及しているということでございます。
 (12)の「男女の育児休業取得率」でございますけれども、こちらは女性につきましては、顕著に上昇いたしまして、9割を超える水準になりまして、数値目標も既に達成したという状況がございます。ただし、こちらにつきましては、本文に書いてございますが、「一定の定着をみている」という評価をすべきことかと思いますけれども、図表の3-21で見たように、第1子出産前後の女性の就業継続率が横ばいで推移しておりまして、このあたりが顕著な改善はないということでございますので、その辺を留保して見る必要があるということかと思います。
 もう一つ、男性の育児休業取得率につきましては、直近では増加しておりますが、水準としては非常に低い水準でございますので、この辺も問題であるということかと思います。
 図表3-26、3-27というあたりで、男性、女性の取得意向でありますとか、制度の利用しやすさというところのデータを御紹介しております。
 (13)でございますが、「6歳未満の子どもを持つ男性の育児・家事関連時間」ということですが、若干の増加は見られますけれども、引き続き低い水準であるという状況かと思います。
 数値目標の動向については、以上のような状況でございまして、次に3「『仕事と生活の調和』実現度指標」につきまして、結果を掲載してございます。こちらにつきましては、以前、評価部会の中でも、御説明させていただきましたので、それと同じ情報でございますので、詳細は省略させていただきますけれども、構成といたしましては、最初に(1)「『仕事と生活の調和』実現度指標の概要」といたしまして、どういった指標であるのかといったところの御説明をいたしまして、(2)で「個人の実現度指標の推移」ということで、「仕事・働き方」「家庭生活」「地域・社会活動」「学習や趣味・娯楽等」「健康・休養」という5つの分野の指標の推移を示しております。
 それから、「仕事・働き方」分野につきまして、憲章で示されました3つの社会の実現度に組み替えた指標を(3)として示しております。「就労による経済的自立が可能な社会」「健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会」「多様な働き方・生き方が選択できる社会」ということでございます。
 それから、この指標の中に「環境整備指標の推移」というものもございまして、(4)として示しております。
 指標の結果だけでありますと、どういった指標かというところが少しわかりにくいかと思いますので、指標の全体図につきまして、その後に、資料として掲載をしております。
 指標の説明の中で、少し内訳がこうなっているという情報がありますが、これだけですとわかりにくいかと思うのですが、余り細かく載せますと、全体も見にくいところがございますので、内訳の数字につきましては、資料の方に掲載するということで、検討したいと考えております。
 説明につきましては、以上になります。

○内閣府本多参事官

 そのほか、コラムをいくつか設けておりまして、例えば男女共同参画推進連携会議、通称「えがりて」でも関連の活動をやっておりますのでその紹介をしております。
 また、厚生労働省の仕事と生活の調和推進プロジェクトは、施策の中に入っておりますけれども、特に大きなものですので、その内容を御紹介しております。
 あとは、大学における研究等ということで、佐藤先生がやっておられるワーク・ライフ・バランスの研究プロジェクト、お茶の水大学でも研究が行われております。学術会議の方でも、樋口先生のおられる分科会で取り組まれているということで、簡単に御紹介をしております。
 そのほか、ワーク・ライフ・バランスのコンセプトブックということでつくったものの紹介と、今日、最後に参考でつけておりますけれども、内閣府経済社会総合研究所で行った「ワーク・ライフ・バランスと生産性に関する調査」の紹介。さらに、男女共同参画局が以前に、企業が仕事と生活の調和に取り組むメリットという発表をしておりますので、それも改めて紹介をしております。
 レポートの概要については、以上でございます。

○樋口部会長

 ありがとうございます。
 それでは、今のお話について、何か委員からの御質問、御意見がございましたら、お願いいたします。

○市川委員

 私どもの「全国中小企業団体中央会における取組」というところにあるんですけれども、今日はお手元の資料として、冊子をお配りいたしております。これは厚生労働省の委託事業でございまして、「中小企業のための一般事業主行動計画の策定・認定取得マニュアル」でございます。
 中に10社ほどでございますが、中小企業で優良的な取組をしているところも具体的に取り上げておりますので、御参考になるかと思います。
 2万部ほど印刷をしまして、労働局、関係団体に既に配布してございますが、まだ予備もございますので、必要に応じて提供させていただきます。
 以上です。

○樋口部会長

 ほかにどうでしょうか。

○古賀委員

 内容は、ちょっとまだ精査しておりませんけれども、非常に基本的なことを提起して申し訳ないですけれども、このレポート2009そのものというのは、どういう活用をするのか。
 結局これぐらいの分厚いレポートというのは、非常に関心のある人、あるいは専門家の人しかおそらく読まないでしょうね。そうしたら何か概略版みたいなものをつくりながら、まさにこの種のことは、もう当初からいろんな議論があるように、国民運動的なものとして取り組まなければならないということであれば、そういうものも何かつくる必要があるのか。このあたりはどう考えておられるかということを、少しお尋ねさせていただければ、ありがたいと思います。

○樋口部会長

はい、では事務局から。

○内閣府本多参事官

 御指摘のとおりかと思います。これはこれで御活用をいただきたいのですが、プレスリリース用というか、エグゼクティブサマリーというか、そういったサマリーで3枚ぐらいをイメージしているのですけれども、時間のない方でもそれを見れば、ワーク・ライフ・バランスの現状等がわかるというものをつくりたいと思っております。

○樋口部会長

よろしいですか。

○古賀委員

 はい。

○樋口部会長

 ほかにどうでしょうか。

○横山委員

 先ほど労働時間のところの御説明があったかと思いますけれども、今後、注視していきたいというような形でまとめられて、まさに注視というところが大切かなというふうに思います。
 この憲章と行動指針をつくるときの最初の表題が、働き方を変える、日本を変えるということがありましたので、まずはここが現状把握ということになろうかと思います。
 また、先行事例みたいなものの共有ということも大切だと思うのですが、ここだけだと、働き方を変えていく結果、労働時間が短くなったということが、まだ見えてきていないということになろうかと思います。
 ですので、ここに労働時間が短くなった要因としては、1つにはパートが多くなった。3つ書いてあります。そのとおりだと思うんですけれど、この注視というところを、今後この会でどのような形でやっていくのかというところで、ひとつお尋ねをしたいということです。
 あと、ちょっと小さいことですけれども、第2章のIV「多様な働き方の選択」23ページに、四角囲いに(1)から(5)まで書いてあるのですけれども、順番が重要度をあらわしているとは思わなですけれども、最初に「テレワークの普及・促進」というふうにありまして、多様な働き方の一つというふうに思いますので、できれば、順番から行きますと「育児・介護休業法の見直し」から、逆に言うと(5)から上から書いていただいた方が、表題としては合うのではないかということでございます。
 以上です。

○内閣府本多参事官

 ここの掲載順は、非常に役所的ですけれども、建制順という役所の順番に沿って原則として並べておりまして、内容は勘案しないで並べておりますが、ほかのところもおっしゃったような視点で全部並べ替えた方がいいのか。ここは機械的にそうしているからということで、整理をした方がいいのか。いかがでしょうか。

○横山委員

 ただ、働き方の選択を推進していこうという方から言うと、少し表題からしてみると、これは方策のうちの1つであって、今後もっとテレワーク以外にも、いろいろな働き方があげられていれば話は別ですが、テレワークとほかの(2)から(5)を並列で書くというのも、若干違和感があります。
 ましてやそこが1番目となると、国民に多く選択肢を与えるという点で法律関係を最初に出した方が、趣旨的には沿っているかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○内閣府山田次長

 優先順位の置き方というのは、いろいろ御意見があろうかと思いますので、そこら辺も含めて御議論をいただいて、もっといい形があれば、そちらで対応したいと思います。

○横山委員

 意見として申し上げておきます。

○樋口部会長

 今、提案をなさっているわけですから、その提案に、逆に皆さんでそうじゃないというのがあったらお聞かせいただいて、そして決めたらどうですかね。
 どうでしょうか。今の、まずは(5)が大切じゃないかということで、最初に「育児・介護休業法の見直し」を最初に持ってきたらどうかというような提案ですが、厚生労働省は。

○横山委員

 (5)(4)(3)(2)(1)の方が基本的じゃないかなと思うんです。

○厚生労働省生田参事官

 既に定められています行動指針の中のページでいくと、3ページの「多様な働き方の選択」というところの並べ方が、最初に「育児・介護休業」と書いてありまして、あと「短時間勤務」「短時間正社員制度」「テレワーク」「在宅就業」という順番に並んでございまして、この会議の場で決まったのでしょうから、こういうのも参考にして並べるのがいいのではないかと思います。

○樋口部会長

 テレワークが最初に来ることに、違和感があるということですね。

○横山委員

 はい。

○内閣府本多参事官

 どの施策が重要かという価値判断も、皆さんによっていろいろかと思うんですけれども、もし今の御提案で皆様、御異論がなければ、そのように変えさせていただきたいと思います。

○樋口部会長

 いかがですか。皆さん、順番をちょっと直した方がいいというような提案に対しては。それでよろしいですか。
 (うなづきあり)

○樋口部会長

 それでは、そのように。

○内閣府山田次長

 先ほどの労働時間の関係ですけれども、先ほど説明したところで、長時間労働者比率は、所定外労働時間が増えている段階から、かなり減り始めておりまして、通常いわれる残業が減っているので、長時間労働者の比率が下がっているのではないかということは、若干、事実と違うのです。
 そうすると、長時間労働者比率が下がっている要因というものをどう考えるのか。これがさっき説明があったように、残業の平準化みたいなものが、もし職場において、実際に起こっているとすると、この前も議論がありました、景気がまたよくなったときに、同じように長時間が増えるのではないかというようなところについては、構造的に若干変わっているところがあるのかもしれないということで、ここは現実の姿がどうなっているのかというのは、重要な点かなと思っています。そういった意味では、企業の経営なり労働の現場なりを見ておられる立場から、どんな感じなのかというのを、是非、教えていただきたいというふうに思っております。

○樋口部会長

 今、ボールが投げられましたけれども、北浦委員、どうですか。今の山田さんからの、現状が少し構造的に変わってきているのではないかというふうな認識で、書いてよろしいかどうか。難しいところだと思いますけれども。
 どなたか、どうでしょうか。では、川本委員、どうでしょうか。

○川本委員

 今の、いわゆる労働時間、働き方の構造的変化という御指摘があるのかないのかという話ですけれど、まだ、事実を把握するのは難しいです。
 ただ、いわゆる労働基準法の改正が決まって、来年から変わる、そういう動きがあるとか、あるいは労働時間を、なるべくむだな仕事はなるべくやめて、効率的に働こうという流れは、最近出てきて、多くの企業でもノー残業デーを設けたり、そういう啓蒙というのは進んでいるように思います。
 一方、100年に一度といわれるほどの経済の不況が来ている中で、あらわれてきている部分もあるわけなので、明確に構造変化が起きているかどうかと言われたら、それはまだわかりませんと。そうではないかという話はしにくいという状況だろうと思います。
 ただ、非常に効率的な働き方をしていこう。あるいは仕事と家庭の調和、ワーク・ライフ・バランスという言葉がだんだん広まってきて、そういう意識が高まっていることは間違いないだろうというふうに思っております。
 私ども日本経団連でも、様々な冊子でそういうことを呼び掛けておりますし、啓蒙に努めているところですが、だんだん浸透してきているだろうという思いはありますということを、まずお伝えしたいと思います。
 それから、先ほど(1)番のテレワークのところから(5)番の育児・介護のところを入れかえた方がいいのではないかという御意見がございました。
 正直な話、私といたしましては、全くどちらでもこだわりません。ただ、逆に言えば、では「育児・介護休業法の見直し」というのが一番重いのかといったら、そうでもないというふうに思っております。ここで言っているのは、多様な働き方の選択肢をどうやって増やすのかという視点の表題だと思いますので、必ずしも順番を並び替えたから、重い順ですということではないのかなと。
 ただ、そういう御意見がございましたので、変えていただいて結構です。
 以上です。

○樋口部会長

 ありがとうございます。
 どうぞ、佐藤さん。

○佐藤委員

 今のでなくてもいいですか。

○樋口部会長

 関連についてまず古賀委員にまず伺おうかと思いますが。

○古賀委員

 私もこれはわかりません。ただ、データは、具体的にいったら2008年というのは、いつの段階ですか。

○内閣府本多参事官

 年平均です。

○古賀委員

 年平均でいったら、2008年暦の平均ですか。

○内閣府本多参事官

 はい。

○古賀委員

 これは、見ないといけないのは、今年でしょうね。今年のものを見ないと、簡単には。今年はやはりぐっと減るでしょうから。この3-12のデータを見れば、まさしく2004年ぐらいから2005年にかけて、週60時間以上雇用者の割合がぐっと減っていっているということは、事実でしょうね。
 本当にこれは、平準化が進んでいるということで言い切れるか、という僕の印象です。そこまで言い切れるかどうかということが、1つと。
 2つ目はやはり2009年というのがどうなるかというのが、非常に大きなポイントになるだろうということと。
 3つ目は、これは次の議論になるかもしれませんけれども、先ほど山田さんもおっしゃった、これはどう見ても、いろんな経済情勢の中から、時間外労働がぐっと減っているはずです。いつどういう格好でどの程度、経営環境や経済が伸びるかはわかりませんけれども、言ってみたらその壁あるいは山、トンネルを超えたときに、その前と一緒のような状況をつくってはいかん、つくるべきではないということだけは、言えるでしょうね。
 これをどういうふうな格好で、現場で労使の間でどういうふうな認識をするのか。あるいは国として、どういうサポートをするのかということは、極めて重要な課題だろうというふうに思っています。
 そのことも提起をしておきたいと思います。

○内閣府本多参事官

 本日、一応議題としてはこのレポートの議論と、今後取り組むべき事項ということで、分けて2つ書いておりますけれども、今、古賀委員からもお話があったように、このレポートの内容を精査していく中で、このレポートをどう書き変えるか、第1章から第3章をどう書くかというところにとどまらず、今後、第4章を書く際の今後の課題、それに対してどうするかというところも、合わせて御議論をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○樋口部会長

 佐藤さん。

○佐藤委員

 これは2章のところの構成が、ちょっとわかりにくくて、多分、憲章と行動指針、関係者が果たすべき役割のところの総論、あと就労による経済的自立、健康で豊かな生活の時間確保、多様な働き方の選択に即しているのだろうと思いますが、2章の1が「企業や働く者の取組」、第2節が「国の取組」の総論があって、2から多分3つの柱に対応しているのですね。
 そうすると、「企業や働く人の取組」も行動指針から言えば、総論的な取組と3つの柱の取組になっているのですね。国も自治体も、総論的な取組と、3つの柱に即した取組という構成になっていたのですが、何かそのイメージが、これを見るとよくわからないなという感じがあるというのが、1つです。
 2章をどういうふうに整理するかなんですけれど、もともとは社会的気運の醸成みたいなものが、国も自治体も企業もやりますよというのがあって、あとは、3つの柱に即して国、自治体、企業、働く人が取り組むという構成になっているのですね。
 ですから、それぞれ取組をレビューするとなると、多分それに即していった方がわかりやすいと思ったときに、原案はちょっと違うかなというふうに思います。
 もう一つは、国のところの3つの柱になっているときに、例えば多様な働き方で、もともとは多様な働き方、生き方の選択になっている。生き方の方がなくて、働き方しかない。それで2つ目の健康で豊かな生活、時間のところも働くところだけ、もともと自己啓発、地域活動への参加というのが入っているけど、それが落ちてしまっている。だから、取組はあるのだろうと思うけれど、当然、厚生労働省だけの取組になれば、多分、働く方の取組があると思うんです。
 もともとは地域への参加とか、自己啓発はいいかもわかりませんけれど、仕事以外の地域生活や、そこでの参加というのが2つ目の柱だった。そうするとその取組はやっていないのならやっていないでいいけれども、こちらはない。
 2章の書き方をどうするか。ちょっと御説明をいただくと、ありがたいのですけれど。

○内閣府本多参事官

 今、佐藤先生がおっしゃったように取組主体別ではなくて、柱に合わせてというのは、確かに一つの選択肢かと思うのですが、ただ、そういう観点で見ますと、国以外の各主体の取組は、恐らくほとんど総論のところに入ってしまうのかなと思います。
 あとは見られる方が、柱別に見たいのか、あるいは各主体がまとめて、どういう取組をしているのか、全体を見たいというニーズもあるかと思いますので、そこはどちらに合わせるか、御意見をいただければと思っています。
 あと3本の柱の名称で、生き方が落ちているというのは、こちらのミスです。すみません。確かに、そこに重点を置いたというものは、今のところまだ手薄なのかもしれません。

○佐藤委員

 2章の初めに、どういうふうに、この2章を構成しているかというのをちょっと書いていただくといいかなというふうに思います。
 もう一つ、追加的に言うと、行動指針に書いてあったかどうか、ちょっと正確には覚えていないんですけれど、国自体、つまり政府の職員の皆さんの働き方の見直しみたいなものが入っていたような気もするのですけれど、その部分も落ちている。自治体のところはちょっと書いてあるのだけれども、行政内部の方の働き方、八代先生がかなり言われていたのですが、そうすると、企業のことはずっと書いてあるのだけれど、行政の中の方はどうなのというと、書いていないような印象があります。

○内閣府本多参事官

 すみません。国自身の職員を対象とした取組というのは、こちらの部会でも御報告させていただきましたように、まずは内閣府がパイロット的にやったところでございまして、そこについては、総論の8になりますが、入れています。ページ数で言うと総論の中の15ページ「仕事と生活の調和に関する調査等の実施」の(3)で、「内閣府ワーク・ライフ・バランス改善推進プロジェクト」として、簡単ですけれども、御紹介をしております。
 佐藤先生から御提案をいただいた第2章の最初のところに、どういう構成になっているかを書いておくというのは、それは対応したいと思います。

○樋口部会長

 ちょっとよろしいですか。第2章の第1節で「企業や働く者の取組」となっていて、各団体の取組というのが出てくるわけですけれど、その前にというか事例でもいいのかもしれませんけれども、企業そのもの、個別企業で幾つかそれぞれの団体の人に御推薦いただいて、コラムにするのか、事例にするのか、まさに企業そのものがどういうふうに取り組んでいるかという事例があった方がよろしいのかなというふうに思いますが、やはりそれは難しいですか。

○内閣府本多参事官

 そういう意味では、一番代表的なのは厚生労働省でやっている10企業のプロジェクトを、それを一番後ろのコラムの中に1枚入れております。

○樋口部会長

 大企業だけでなくて、先ほど市川委員からご紹介いただいた事例を掲載するなど、ちょっと御相談いただかないといけないと思いますけれども。

○内閣府本多参事官

 それを是非、紹介させていただきたいと思います。

○北浦委員

 今の企業事例については、私どもも、ワーク・ライフ・バランス大賞というのを出しておりますが、そういうところの事例などを出していただくことも、御参考になればと思います。
 また、先ほどの平準化についてのお尋ねですが、答えが出せませんで、私も難しいと思っておりまして、やはり雇用情勢が厳しい見通しがある中においては、慎重にお願いしたいと。平準化とまで断ずるのは、私はちょっと危険かなと思っておりますので、もう少しそこは慎重な見方が要ると思います。
 動きとしてあることは事実だと思いますけれども、ちょっとその言葉はきついなという感じがいたしました。
 それで、申し上げたいのは、実は、「国民の取組」というところですが、これは行動指針でいろいろ取り上げられていることと、ここに書かれていることとが、まだ必ずしも対応していないところがあるのではないかと思います。これはまだしょうがないとは思いますが、何か、ちょっと「国民の取組」で書かれていることがかなり広範にあるにもかかわらず、これは大事な事例だとは思うのですけれど、ちょっとその辺がそぐわないような感じがします。その辺の違和感は、多分、御議論なさったのでしょうが、どうなのかということについてお尋ねした。
 それから、アンケート調査で出ているのですが、むしろ今、新しく出されたアンケート調査、社会的な影響についてのアンケート調査が出ておりますので、国民の気持ちというか動向についてレビューしておく方が、行動指標は納得的なのかなという感じがしたので、その点はどうかと。
 それからもう1点は、主体別に切り分けてきているので、実は抜けてしまうというのではないですが、いわゆる民間の団体とかNPO自身が独自に取り組んでいるようなところというのは、余りこういうところには、隙間的に落ちていっちゃうのですね。それは確かに国や自治体の活動と関連してやっているところもありますけれども、私どもも実はワーク・ライフ・バランス大賞で、各業界団体が独自にやっている社会貢献というようなところを積極的に取り上げています。
 労働組合は出ていますけれども、そんなところを取り上げたりしているので、本当はそういったところも、今回は間に合わないのかもしれませんが、例えば私どもでは看護協会さんの例なんかを入れていますけれど、そういったようなものも、もう少し前広載せていただきたい。
 中にはNPOでかなり熱心に子育て支援ということに限れば、もっともっといっぱいいろんな事例も出てくるかなと思います。これは、今回間に合わなければ、今後の課題としてでも、お考えいただければと思っております。

○内閣府本多参事官

 1点目ですけれども、「国民の取組」のところで、北浦委員から言及のありました新しい調査ですが、併せて紹介をさせていただきます。
 今日、参考資料として幾つかカエルマークのついたものをお配りしておりますが、その真ん中に「ワーク・ライフ・バランスと顧客ニーズに関する意識調査について」というものが入っております。
 これはインターネット調査で、この室としては2回目の調査になりますけれども、今回は前回の継続で、ワーク・ライフ・バランスについての認知度を聞いておりますが、それと併せてトピックスとして、深夜の小売店の営業、そういった深夜営業と働き方の関係について聞いております。1枚目、調査結果のポイントの下半分になります。
 ここで、深夜の小売店の営業について、「なくなったら困る」かどうか、困る方が4割、そういった「顧客ニーズに対応するために、長時間労働など働き方に悪影響が出ている」と感じている人が6割。また「是正の必要がある」と考える人は、更にそのうちの8割といった結果が出ておりますので、よろしければ「国民の取組」のところで、取組にはまだ至っていないんですけれども、意識としてはこういったものがあるということを紹介させていただきたいと思います。
 もう1点のNPOや団体の取組ということですが、看護協会等をこちらで調べまして、まだ時間的には間に合うかと思いますので、適当なものを御紹介していければと思います。

○大沢委員

 すごくよくまとまったレポートだと思います。ちょっと欠席が続いて、既に議論をされたところであったら申し訳ないのですが。3章の2番目の正規、非正規雇用者の雇用の推移、かなり非正規が増えているという状況が書いてございます。しかしながら男女別で見た図がないのですが、今ちょっと男女別で国際比較をしておりますが、やはり女性への影響が、かなり日本の場合大きいと。2000年以降、5割以上の女性の就労者は、非正規になっています。
 現状としては、ワーク・ライフ・バランスとは逆の方向に働いておりまして、既に女性は20歳、24歳ぐらいの初職の時期から非正規雇用に入っているので、育児休業の資格がない人がたくさんいるわけです。そういう人が離職していくということで、育児休業取得は確かに9割と、女性の育児休業取得率が高くなっていますが、その資格がない人が増えているということにおいて、問題が発生していることもございます。ここのところに、やはりそういったものも非正規化が、特にジェンダー関係において、女性と男性の役割分担をより助長するような形で進展しているということを加えていくことも、検討していただきたいということで、申し上げたいと思います。
 特に母子世帯の場合には、経済的自立をして、子どもを育てていかなければいけないわけですが、非正規雇用の女性がほとんどでございまして、副業などをしながら子どもを育てていかなければいけないという状況にあります。そういう人たちにとってのワーク・ライフ・バランスがまさに今、求められているという点についても触れていきませんと、リーマンショック以降、かなり経済的に困難な状況を抱えている人たちが急速に増えていく中で、ワーク・ライフ・バランスが一部の人だけのものになってしまうと、社会的な運動につながっていかないと思います。
 内閣府の男女共同参画局でも、今ちょうど経済困難を抱える男性、女性の問題について、議論してございますが、その中ではやはり雇用形態の非正規化の問題が、経済的困難を抱える世帯の増加に直接的に結びついていると。必ずしも母子世帯の増加だけでなくて、雇用形態において教育訓練が受けられない。あるいは雇用保険の適用が受けられない。そういった人たちの増加が、経済的困難な状況の人たちを増やしているということがあるので、そのこともどこかにちょっと触れていただいて、セーフティネットの問題も確かに出てきているのですが、それと直結して、非正規化が増えてきた中で、非正規へのセーフティネットのカバーをしていってはいるのですけれど、適用範囲が十分にできていないがために、経済的困難を抱える男女が増えています。
 ですから、働き方、ここでは非正規が増えている労働時間について触れられておりまして、その中で非正規労働の中にも長時間労働の人がいるということが指摘されているのは、非常に重要だと思いますし、それから既婚者の中にも非正規の人がいるということなんです。
 もう一つ、ここに経済的な自立という意味で、非正規の人たちが、本当に経済的に自立して子どもを育てていけるような状況にないという点も、触れていただいて、今後の1つの目標として、やはりフリーターの減少だけでなく、一人一人が経済的に自立できてキャリアを形成できるような社会をつくっていくための、セーフティネットの拡充、そして非正規労働者のキャリアの形成も、今後、非常に重要であるというような点に触れていただけたらと思います。これはあくまでも検討として、是非、考えていただきたいという意見でございます。

○樋口部会長

 今のは、例えば第3章の最初のところ、「仕事と生活の調和の状況の最近の動き」、ポイントというところで、2つ目の☆に「非正規雇用に対するセーフティネットの強化などが課題として浮上。」ここにちょっとそれを意図して書いてもらったような気がしたのだけれども、これではまだ不足だという御指摘だというふうに受け止めてよろしいでしょうか。

○大沢委員

 お任せしますが、経済的に自立をすることが非常に難しいと、データを見ますと、例えば非正規労働者の女性の場合は、9割が200万円未満の収入で生活をしている。男性でも7割だったと思います。100万円未満の人もいるんです。
 そうしますと、もう親と同居するしかない。親と同居しないと、本当に生活の困難に陥ってしまうわけです。その人たちが、この数字で見ましても、かなりの数いるということですので、セーフティネットの強化が必要だということも重要ですが、もう少し深刻な状況にあるというようなことですが。

○内閣府山田次長

 今、御指摘いただいた点については、グラフでいきますと、先ほどの図1-4のところが、まさにキャリアという点では、非正規が正規に比べると、なかなか難しい状況にある。それから有配偶についても、非常に非正規は、影響を与えている。
 事実関係をある意味では淡々と書いておりまして、先ほど樋口先生からもありましたように、全体のまとめというところで、セーフティネットの強化が課題だというふうに言っておりますが、更にそれぞれの国の施策のところでは、最近非常に非正規についてのセーフティネットの対策は、厚生労働省を中心に相当やっておりますので、そこら辺の現状と方向性についても、しっかりと書いていきたいと思っています。

○大沢委員

 新しい動きがたくさんあって、何もやられていないわけではなくて、実際に強化もされているということも十分承知をしておりますが、ただ、それも景気が悪いときの施策で、恒常的にそれが必要だというところまでの社会的合意は、まだなされていないというふうに思います。状況次第では、3年とかだけでなくて、長期的にそういった非正規労働者のこの増加を見ていると、構造的に非正規が増えているというふうに見えますので、そういったものへの国全体としての対応ということを考えていかないといけないと思いますので、そういったことが、示唆されているような内容を盛り込んでいき、やはり私たち自身もそういった構造的な雇用構造の変化に対応していく対策について、長期的に取り組んでいく必要があるというふうに考えております。

○樋口部会長

 では、それはよろしくお願いします。既に議論が、国等に対する要望という次の議題に入っていますので、それも併せて前回、御提出いただいたところを踏まえて取組の隘路であるとか、国等に対する要望を踏まえて、今後どういう課題について進めていくべきかというような御意見がございましたら、お願いいたします。
 資料2は、これまで議論していただいた隘路や要望を整理したものだということで、これを参考にしていただくと、議論が進みやすいかと思いますし、また書いていないことでも結構ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

○海老井委員

 少しバックするかもしれませんけれども、実は第3章「仕事と生活の調和実現の状況」のところで、事前に何度かに分けて資料が送られてきました。そのときに最初に2番の指標の動向と3番の実現度指標というここが先に来まして、これを見ましたときに、最後のまとめを見ると、この指標がどんどんと目標の数値に近付いていっていると。ワーク・ライフ・バランスは順調に進んでいるという、そういうふうなグラフになっておりました。
 それはデータからいうとそうでしょうけれど、ただ、今の実態、実感と少し離れているところがどうも気になっていました。
 それが後から送付された資料の中で第1節「仕事と生活の調和の状況の最近の動き」というところでまとめられておりましたので、ちょっと安心しました。
 そうはいいましても、やはり1の部分と3の部分の乖離というのがありますので、3だけを見るとちょっとそういう誤解を与えるのではないか。そのあたりに何か注でもつけなくていいのかなという気がしています。

○内閣府酒巻参事官

 実現度指標ですけれども、最近の動きが反映されていない1つの原因は、データが少し古いものが多いということでありまして、これは指標の限界からいたしまして、足元の期まではとらえられないというところがございます。
 あとは、すべての指標が改善しているわけでもありませんで、例えば個人の実現度指標でいいましても、「地域・社会活動分野」というのは、かなり悪化した動きになっており、「学習や趣味・娯楽」のあたりも、以前は少し改善しておりましたが、横ばいになっているとか。
 それから、5つの社会の実現度の推移で見ますと、経済的自立が可能な社会というところは、横ばいで推移しておりまして、特段、改善の動きは見られていないというようなことになっていまして、ここはワーキンググループで見直しをしていただいた結果、例えば経済的自立のあたりの実感というのは、かなり改善したのではないかというふうに考えております。

○内閣府本多参事官

 今3のところの囲みの中が全部上昇、上昇、上昇という感じで、中まで見ると、酒巻課長の言うように、上がったり下がったりなんですが、まとめ方がいいところばかりという印象がありますので、そこをちょっと慎重に書きたいと思います。

○海老井委員

 余り神経質にならなくていいのかなという気もしますけれど、次の段階への取組ということを考えたときに、やはり現在の状況というのを押さえて考えていくべきだと思いましたので、ちょっと念を押させていただきました。

○内閣府酒巻参事官

 ポイントの書き方について、少し検討させていただきます。

○樋口部会長

 そうですね。危惧するのは、まさに皆さん一緒だと思いますので、足元をどうとらえるかというところを少し書いてもらうと。
 では、榊原委員。

○榊原委員

 こういうものをまとめていただくのは、大変な作業だと思うので、御苦労さまだと思って、非常に意味のあるレポートにしていっていただきたいなというふうに思っています。
 これは年次報告という形で、2009年につくったらそれで終わりではなくて、毎年つくっていくレポートという理解でよろしいのですね。
 こういったものは、地味な印象があるんですけれども、活用させていただく立場から言うと、結構古いものを取り寄せて、あのときに政府はどこまでやっていたのか、どういう問題認識に立って政策を見ていたのかということが、役に立つことも多くて、最近はアマゾンなどで古書も非常に入手しやすくなっているので、私も最近でもたびたびいろいろなものを取り寄せている立場上、残って意味のあるレポートに、是非していただきたいという期待もあります。
 ワーク・ライフ・バランスというくくりで、定点観測の記録をつくっていくその出発のレポートであるという位置付けだと思うので、こういうふうにいろんなものを入れていただくことは必要だと思うし、特に作成の目的を置いていただいた上で、第1章で出発点である憲章と行動指針を入れていただき、その後の取組状況、各主体の取組状況を第2章に入れてもらい、第3章でデータというこの大きな流れというのは、これでいいと思います。
 それだけでも相当なボリュームになっていくと思いますけれども、もう一つ、せっかく出発のレポートだったら、もう少し個性を出してもいいんじゃないかなという期待あります。
 それはどういうことなのかと申し上げると、白書の中でも、読ませていただく立場からすると、おもしろくない白書と大変おもしろい白書と2つあります。
 何がおもしろくない白書かというと、自分たちがやっている取組を、こういうことをやりました、ああいうことをやりましたと束ねただけの、政府広報の集大成みたいなものになっているものは、記録性がないので、3か月ぐらい手元に置いたらもう手放すというものが多いんです。
 ではなくて、自分たちの担当している政策の行くべき先、ゴールイメージのようなものをそれなりに念頭に置いて、必要なデータを集めている。その中できちんと問題点を指摘するというような問題意識がにじんでくるようなレポートというのは、後から非常に活用できることがあるというと、数字の集め方ひとつがやはり違うんです。
 外国の政策も、例えば比較の対象として入れていただいているものも、非常にビビッドでつながっていて、合わせて使いやすかったりというようなことがあるので、どこに問題意識を置いて、このレポートを今つくるのかというところを、これだけ大きなものになると、大変ですけれど、是非そこに常に立ち返りながら、まとめていく必要があるんだろうなというふうに思います。
 では、そのあるべき社会の姿というかイメージをどこに置くかというと、それがここの会議の議論で出ていると思いますけれども、今回改めていろんなデータを出していただいて、私もああと思ったのが、第3章の「仕事と生活の調和実現の状況」という冊子の5ページのところにあったグラフです。「多様な働き方の選択」というページの上に「共働き世帯の増加」のグラフがありまして、珍しくないグラフで、もう何度も何度も私自身、目にしてきたものですけれども、こういうふうに時系列で置いていただくと、とてもクリアにわかる。
 つまり日本は戦後ずっと日本型雇用といわれるところで、片働き、男女役割分担という働き方できた。その世帯が中心だった。それが1990年代の半ばぐらいにくっきりと分かれて、今やもう共働き世帯が日本の主流になって、更にその傾向が加速している。片働き世帯というのは、勿論まだまだあるのだけれども、それが決してメジャーではなくなってきているとトレンドがとてもよくわかる。
 この図を改めて見せていただいたときに、なぜワーク・ライフ・バランスが進まないのだろうと、さんざんここで議論をしている根っこがここにあったなという気が、実はしました。というのは、日本型雇用とか日本型福祉といわれる、男性の方はもう24時間365日職場で働きます。それを裏で支えている女性が日本型福祉と呼ばれて、育児、介護、家事、地域活動全部を担いますというふうに、合理的に分けて役割分担をしていたライフスタイルが今やもうモデルではなくなって、違うモデルが模索されている。その中で別の言い方でワーク・ライフ・バランスという言い方、生き方も働き方も変えようという取組が、必要になっているというところで、つながっているなというふうに見ました。
 その場合を考えると、例えば男女雇用機会均等法という政策が1986年に出てきているのに、ちょうど同じときに、例えば年金制度の中では、専業主婦をきちんと守っていくというセーフティネットとしての第3号被保険者制度というのができていて、今でも年金制度も税制も政府の根幹であるような公的なシステムの中に、単一のモデルしかない。片働きの世代のモデルしかない。
 それがずっと主流として位置付けられていることが、回り回ってワーク・ライフ・バランスという社会の取組を、いろんなところで棹差しているところがあるということを、このグラフを見て改めて気がついたということがあります。
 これだけのデータを集めて分析をされている中で、もっといろいろお気づきになること、深い分析の中でたどり着く点などがあると思うので、こうした今の状況を映し出すようなデータを合わせて見せるということは、それだけとても意味があるんですけれど、その上で、多分第4章以降だと思うのですけれども、では何が障壁になっているのかということを、きちんとポイントアウトする。
 それは政府としてなかなかやりにくければ、例えば佐藤先生も樋口先生もいらっしゃいますし、外部の有識者から、わかりやすい言葉できちんとメッセージを出してもらうというような、何が今、邪魔になっているのか。国民の生き方や志向している方向、産業界も、国民の生き方が変わっているのに、どうもそれをとめているものがあるのではないかというような観点からポイントを出していくというような構成に、第4章以降なっていっていただいたらありがたいなと思いました。

○樋口部会長

 はい。1986年は、もう一つ重要なことがあって、配偶者特別控除の2階部分も同じ年に認められて、まさにブレーキとアクセルを同時に踏んだという貴重な年でした。
 どうしましょうか。

○内閣府本多参事官

 第4章に今後の課題をしっかりと打ち出していくのは、まさに我々もそういう意図を持っております。それを個別の委員にお願いするとか、あるいは事務局がということではなくて、まさにその点を今回、次回、次々回でじっくり御議論をいただきたいと思いますので、忌憚のない御意見をいただければと思います。

○樋口部会長

 だれが書くかは、また議論が、結果としてということになるかもしれませんが、どういう問題があるかということについて、御意見をいただいて、これは書くべきだというような御指摘をいただくといいかと思いますが、いかがでしょうか。

○大沢委員

 今の、御意見の4章になりますけれど、そのときに男女別の正社員、非正規社員の割合の推移を是非、掲載していただければと思います。それによって、片働き世帯がまだまだ根強く残っているという証拠の1つになるのかなと思います。
 以上です。

○川本委員

 第4章で課題という意味合いでちょっと申し上げさせていただきたいと思います。
 今日いただいた第3章の3ページのところで、教育訓練の問題等が指摘されているところがあります。ここではいわゆる非正規社員の部分で、教育訓練の実施をしている事業所の割合が低いというような指摘もされているところです。実態としてそうなんだろうと思っているところです。
 併せて、実は企業の教育訓練だけではなく、いわゆる公的職業訓練の重要性というのが、やはりこの部分についてはすごくあるのではないかというふうに思っております。したがって第4章のところでは、この公的職業訓練の今後の充実が課題だということを、分析して書いていただければありがたいなというのが、1つでございます。
 それからもう一つが、これも中期的に言われてきているところですけれども、いわゆる七五三現象というのがあって、これは大卒で入社してから3年以内にやめる人の割合が3割、高卒で5割、中卒は7割と。実際、大卒はもう4割近くになっているのでしょうか。そういうものがあって、その裏を返せば、ミスマッチが非常に起きているということだと思います。
 したがって、どうすれば会社を選んでもらうときにミスマッチが起きないのか。それから入ってから定着してもらうということが課題だと思います。雇用就業が続いていくということが、やはり大事な切り口で、そこからこぼれた人がいわゆる非正規になっていく確率が高いと思うので、是非ここで1回課題としての認識を、この第4章に書いていただき、また先につなげていただければなと思っているということが、第2点です。
 それから第3点目でございますが、これは従来からこのワーク・ライフ・バランスについて、私どもとして発言させていただいているのが、労働時間とか働き方の問題と同時に、企業にとって生産性の向上、働き方の効率化ですけれども、これも車の両輪、両方のバランスが必要だというふうに考えているところでございますので、やはり生産性の向上というものについても、第4章のところでまた改めて触れていただければと思っているところでございます。
 以上3つでございます。

○樋口部会長

 ほかに。あるいは今の御意見について。どなたでも。

○海老井委員

 ワーク・ライフ・バランスの取組ですけれども、比較的大企業というのは、取組が進んでいますし、また取り組みやすいところがあると思うのですけれども、やはり日本の労働者のほとんど、大半を占めているのは中小企業の方々ですので、やはり中小企業におけるワーク・ライフ・バランスの進め方ということに、問題の焦点を当てて考えていくべきだと思っております。

○内閣府本多参事官

 先ほどの川本委員の御指摘を第4章に盛り込んでいきたいと思うのですが、ちょっとヒントを教えていただきたいと思いますのが、先ほど入社後にどうやって定着していくか、離職を防ぐかという話がありましたけれども、恐らくこれまでのところ、離職を防ぐというのは、もっぱら企業に任されていて、労務管理上の問題が主だったのかなと思います。
 そこから更に広げて、国としても何か支援をする必要を感じておられるのかどうか、もしあれば。

○樋口部会長

 いかがでしょうか。

○川本委員

 そこまでは具体的に考えておりませんで、ただ、こういうレポートをせっかく出しますから、これを発表されれば、企業の担当の皆さんお読みになると思うので、その課題提起というのは、しておいてもらいたい。
 これは実際企業内だと、企業内のコミュニケーションであったり、あるいは職務配置であったり、上司との関係のOJTの問題だったりいろいろするのですが、言い続けておかないといけない問題だろうと思っています。
 ただ、これは国のレベルになってくると非常に難しくて、職業訓練は公的職業訓練とかですけども、この定着に向けてどうかというと、実は一番、入社のときの問題があると思うんです。ここは非常に難しくて、いつから説明会をやって、そして実際いつから、面接をしていいのですかという話につきましては、企業側は幅を持ちたいという思いがある一方、大学側からは教育の時間を就職活動でとられるのは非常に困るということで、常に意見の齟齬、違いが生じている部分もございますので、なかなか書きにくいところなのかなと思います。ただ、問題意識として書いておいていただきたいと、こんなところです。

○樋口部会長

 その点、これは学術会議の方で、やはり経団連と連合の協力を得て、大学のあり方について就職のマッチングの話を検討しろという緊急提案が出されて、何月でしょうか。8月か9月ぐらいまでに、提案を出すというような取組になってきていますので、ちょっと今回は間に合わないかもしれないですけれど、そのうち、次回以降ということになるかもしれませんが。

○横山委員

 今回、顧客ニーズに関する意識調査を、非常に興味深く拝見させていただいております。私もちょうど流通業におりまして、この場での小売や流通業、それからまた宅配便などの産業に従事する人たちの過当競争とサービスと、本当に顧客ニーズという部分がどうなっているのかとか。
 あるいは提供するサービスの裏側にある、サービス業に従事する人たちの働き方と、国民の利便性というか便利性みたいなものも、ひとつ考えていく必要があるというのが、憲章の中にも、盛り込まれたと思うので。
 どうしても当該の労使でありますと、少しずつは進んではいますけれども、是非、こういう場で、もっと国民関係の中で、本当にそれが求められているのか、若干今の世の中は、生活が不自由といいますか、今あるものがすべて、もっと求めていくというのが今までの考え方だとしたら、少し違う視点で、豊かな暮らしというものを一人一人が考えるということを、是非、引き続き第4章の中でも掘り下げていきたいというふうに、お願いでございます。
 以上です。

○佐藤委員

 先ほどの企業の働き方というのがすごく大事で、多分これから経済が回復していったときに、またかつてのような長時間にならないような回復をしていくことが大事だと思います。それは徐々に進んでいくかなというふうに思っているんですけれど、結構難しいのは、多様な働き方を選択できる。そういうような働き方を企業でやっていくということで、企業としては、やはり女性の活躍が拡大していくとか、いろんな介護等も含めた、そういうことを抱えた社員にちゃんと働いてもらうために、取り組んでいくと思うんですけれども、もう一つ選択するのはだれかというと、国民ですね。
 国民の側が、仕事以外の生活で何を充実するかということを国民一人一人が考える。ですからその中でどうしていくのかということを、国民が考えていくことが、すごく大事だと思います。
 つまり企業がやれるのは、働き方の方の改革です。社員一人一人にこれをしなさい。仕事以外で勉強しなさいとか、ボランティア活動をしなさいとか、それは企業が言うことではないので、それは国民一人一人が考えることですけれど、なかなか難しくて、今は子育ての時間をとりたい、介護でと、それは確かにそういう人は、会社で取り組むのだけれども、何もやることがないという人も、確かに結構いることはいるんです。
 私は仕事以外やることがありませんと。勿論、仕事、仕事が悪いわけではないですけれども、その人も多分5年後、10年後、今みたいな働き方ができるかというと、多分そうじゃないと思います。
 ワーク・ライフ・バランスをどうしていいかわからないという人も結構いるので、そこはなかなか難しんだけれども、答えはないのですけれども、やはり仕事の改革をするために、企業がやることと同時に、働く人たちが仕事以外で充実したいこととか実現したいと思っていることがないと、だめだと思います。そこをどう進めていくのか。これは労働組合にやっていただくとか、NPO法人だと思いますけれど、答えはない。結構、そういうことが少し中期的には課題かなというふうに思っているということです。
 あともう一つ、これはしょうがないことかもしれませんけれど、国民といいながら、出てくるのは、雇用セクター、メインは雇用者だけですね。確かに雇用セクターの働き方が変わるということは大事だけれども、自営業セクター、あるいは働いていない人のワーク・ライフ・バランスみたいなものも、勿論すごく大事なので、どうするかなというのがちょっと。
 これは4章に入れるのか、その前にするのかということだと思うんですけれども、全然触れなくていいのかなというのは、気掛かりです。やはり働いている人たちのワーク・ライフ・バランスというふうになるのはどうかと。ですからワーク・ライフ・バランスがとれることによって、働いていない人も含めて、生活のあり方がどう変わっているかということも、ちょっとどこかでメッセージを出した方がいいかなと思ったのです。

○内閣府本多参事官

 データがあるかどうかも含めて、難しい課題ですので、2つ目の方は検討させていただきたいと思います。
 あと最初のお話に関連してなんですけれど、先ほど御紹介した調査で、顧客ニーズとの関係以外に、ベーシックな質問として、仕事、個人の生活、休養、それぞれ長くしたいですか、短くしたいですかという質問を改めてしていますが、その結果を見まして、実は家庭生活を長くしたいという人よりも、個人の生活と休養を長くしたいという人が6割です。
 つい、家庭との両立が話の中心になりがちですけれど、休養という非常に基本的なところを欲していらっしゃる方が実は一番多くて、あとはこれは家庭にいらっしゃる主婦の方も対象にしていますので、そういう方も含めてなんですけれど、個人の生活がもっと欲しいと。家庭の生活は、今はそれなりにできているという方も実はいらっしゃるので、持て余している方はそんなにいないのではないかなという印象は持ちました。

○樋口部会長

 先ほど横山委員から出た問題というのは、結局、社会としてワーク・ライフ・バランスを進めていくことの必要性ですか。個別労使だけでは解決できないような発注の問題とか、あるいは今回出てきた顧客ニーズの調査で出てきた深夜の小売店の営業の問題。こういった問題をどう考えていくのかという、一石を投じるということは、必要なことなのかなというふうに思います。
 それぞれの企業の中でやればいいということであれば、それは個別に任せればいいわけで、むしろ社会としてというようなことの憲章の意味というのが、そこにあるんだろうというふうに思いますので、そこは是非、書き加えていただきたいと思っています。

○北浦委員

 2つほどですが、1つはキャリア教育のことは、よく出ていると思います。これは非常に大事だと、私も思います。学校教育におけるワーク・ライフ・バランスの教育というか、少し入れられているところもあると思うんですが、そういったようなものも含めて、国民にというとちょっと大げさですが、少なくとも学校段階での教育であるとか、あるいは社会教育というのもあるかもしれないので、そういった視点も少し出されたらどうかと思います。
 それから、キャリア教育自体については、いろいろ書き込まれているので、大変いいと思うのですが、これを見ていますと、各省の施策が、いろんな対策を本当にいろいろ講じられているというのはよくわかるのですが、やはり縦なんです。ですから横で切るような視点で、4章を少し書いていただくといいかなと。
 例えば、私自身が一番関心を持っているのは、高齢者とか女性の地域活動への参加という問題。そうすると、各省にいい政策がいっぱいあるわけです。それがみんな無関係ではなく、例えばシルバー人材センターなんて、非常に介護問題、子育ての問題、あるいは子どもの教育とリンクした活動が、今、活発に行われているんです。
 こういうようなところというのは、これは恐らく退職世代だけではなく、今後は現役世代のボランティア活動なんかにもつながっていくだろうし、そういったように、各省の施策を横で切るような、すべてでなくても結構なんですけれど、そういった、例えば地域における何か教育活動という視点であれば、それをみんなつなげるとか、あるいは高齢者の活動の支援ということであれば、それを横につなげる。そんなような書き方をしていただくといいなと思っております。

○樋口部会長

 教育のお話が出ましたけれども、何か。

○文部科学省寺門推進室長

 文部科学省でございますけれども、具体的な記述方法については、また調整をさせていただきたいと思います。広くとらえればまさにキャリア教育というのは大事でございまして、昨年末から文部科学省でも、中教審において職業教育、キャリア教育のあり方というものを全般的に見直す審議をしております。この夏にも中間まとめを出すということになっております。
 まさに今はフリーターの問題ですとか、七五三問題、すべて起因していますし、学校教育、特に高校教育、大学教育のあり方そのものに関わる問題でございますので、真剣に検討しています。
 そういったものの成果も、もし間に合えば、こういうアニュアルレポートに反映するという形で御協力したいと思ってございます。

○大沢委員

 川本委員がおっしゃった企業の教育訓練のことに関してですけれども、確かに今までは企業が中心になって人材育成をしてきて、定着を図っていくということの重要性がありますが、4章でこの白書での視点として、国がやるべきかとか企業がやるべきとか個人というだけでなくて、社会全体でやるという視野にして、やはり主体は国民であって、国民がやはりワーク・ライフ・バランス社会の実現を望んでいなければ、無意味なことだと思うのです。
 どうやら見てみると、いろんな調査の結果を見ましたけれども、休養がもっと欲しいとか、生活をもっと充実させたいと。今はどうしても仕事中心になっているとか、家庭中心になっているという、そういう面で見ていくと、どうやら国民全体としては、ワーク・ライフ・バランスの方向に、自分の生活を向けたいという希望があるというふうに思います。
 そこが中心になって、みんなそういうものを求めているというコンセンサスの中で、社会として、そちらの方向に向かっていくために、それぞれが協力してやらなければならないことがあるのではないかという視点で、この報告書ができると、一人一人が考えることになると思いますので、私もついつい企業が教育訓練をどうするのかとか、国が何をやるべきかということについて、考えることも多いのですが、最終的には社会全体として、それぞれが協力してこちらの方向にもっていくという、そういう国も企業もやはり社会的責任として人材育成をしていくということが重要だと思います。
 個人もやはり自分の責任でキャリアを育成していくという、そういう3者の協力体制をどうとっていくのかというような視点で、第4章が書かれていて、フリーターの問題については、やはり企業がどうしても手薄になっていく部分は、社会全体で支えるという。国がやるべきだという視点ではなくて、社会全体としてそれを支えるためにどうするべきかというようなところが、今、問われているのかというふうに思いました。
 川本委員の御意見に対する感想です。

○樋口部会長

 ほかにどうですか。

○榊原委員

 今後、何を入れていただくかというところに関連してなんですけれども、今回いろんなデータを入れていただいていて、もう一つ、例えばこんなものがあったらおもしろいなと思うものは、ワーク・ライフ・バランスが実現できていないから、ワークとライフのバランスが崩れているから、こんなことが起きているというものを、出せないのかなという気がしています。
 多分定評のあるようなものというのは、なかなか出にくいかもしれないから、こんな意見もある、指摘もあるというというのにとどまるのかもしれないですけれど、少子化はひとつ言われているところがありますし、例えば日本の30代、ものすごい働き盛りの生命力が最も豊かなはずの30代の男性の自殺が、すごく多いですね。
 それとか最近のうつは、バーンアウトとか働き過ぎ、脳の使い過ぎから来るという話も聞いたりします。そういったうつの発生と働き過ぎとの関係はどうなのかとか。
 残業大国と言われている実態から、何が起きているのかというようなところ。
 例えば外国と比較するというようなやり方もあるかもしれないし、こんなアンバランスがゆえに何か起きているというものも出せたら、おもしろいなというふうに思いました。
 あともう一つが、ワーク・ライフ・バランスができた世界が新しい世界としたら、今はアンシャン・レジームにまだ生きているというふうに考えて、そのアンシャン・レジームの中で生きている私たちの社会のロスみたいなもの。それが例えば自殺というものも、ひょっとしてそういうのにカウントできるのだったら、もっていっていいのかもしれませんけれども、ちょっとそれは難しいかなという気もするのですが。
 いろんなところで、実は不合理やロスが起きているといったような、裏の方の数字も出せないのかなという気もしました。
 それからもう一つが、先ほど男性と女性の役割分担をモデルとしているから、それが合わなくなっているんじゃないかということを申し上げたのですけれども、例えばそういうことが世の中の実態と合っていないということを見てもらうため、気づいてもらうための1つの、例えばグラフの出し方として、私は国立社会保障人口問題研究所で、産業構造、第1次産業、第2次産業、第3次産業は、1世紀ぐらい前から総就業人口の中でどれぐらいの割合を占めているか。その中の男女比がどうなっているのかというグラフを見せてもらったことがありました。1世紀前ですから、勿論農業、第1次産業の人たちが8割ぐらいを占めていて、そこは男女ほぼ同数でした。
 それが20世紀の半ばになるにつれて、第2次産業が大きな産業として育ってきて、そこはもう8割男性で2割女性。それが日本の今のモデルの中心になっているのですけれど、実はもう1970年代ぐらいから、第3次産業が主流になってきていて、今はもう半分以上が第3次産業。第3次産業は、第1次産業と同じくらい男女同数です。
 この様に産業構造によって求めている労働力の中身が違ってきている。構造が違ってきている。日本はもう第3次産業の国になっているのに、例えば経済界などの一番リーダーシップをとっておられる方たちのほとんどが、第2次産業の御出身の方たちで、実はちょっとそこにモデルと現実の食い違いがあるのではないかという指摘を、一部で聞いたりもするので、そんなことは別に入れる必要はないのですが、今の労働市場、産業構造の現実と、働き方のモデルのギャップというのが、実はそういったところからも読み取れるのではないか、分析として使えるようなデータになるのかなと思って、今、思い出したので、申し上げました。

○内閣府山田次長

 ちょっと御参考までに。資料の中に、経済社会総合研究所の方で出しましたワーク・ライフ・バランスと生産性に関する調査というのを入れてあります。これの9ページをごらんいただきますと、今、榊原委員が指摘された長時間労働とメンタルヘルスの関係がございます。
 1日の平均在社時間が12時間以上になると、左の方にいろいろとメンタルヘルス上の問題が書かれておりますけれども、ポイントが非常に高くなるというような傾向が出ております。やはり長時間労働とストレスの関係というのは、かなり明確に出ているということがございます。
 それから、先ほど佐藤先生の方から、国民の働く側の意識の問題ということがございましたが、この調査の中では、ヨーロッパ諸国は、ああいう短い労働時間と非常に長いバカンスで、何で経営がやれているんだろうかという視点で、インタビュー調査をやっています。
 ちょっと今のペーパーの最初のところをごらんいただきますと、IIのところが、欧州企業との比較のところです。その2つ目の○ですが、なぜそういうふうに短い労働時間でやれているのかという感覚を、海外駐在経験者の方に、日本と海外とを比較してみてもらうと、海外は早く帰る必要があるということが、生産性を上げる一番大きなインセンティブになっているのではないか。こういうような感想がございました。
 ただ、こういう現実というものを、ではどうするのか。どういうふうに受け止めてどうするのかというのは、非常に難しい問題で、働く側の意識というものをどういうふうにしていったらいいのか。先ほど消費者行動の話もございましたけれども、そういったことを課題の中に入れていくということは、そこまではできるんですけれど、では具体的にそれをどうやっていったらいいのかという方法論は、なかなか難しいなというふうに感じているのが、我々の今の状況でございます。

○樋口部会長

 経済学の最近の新しい動きで、個々人の最適化は、必ずしも社会の最適化にはならずという話があって、自分の考え方に基づいて、自分の最適化の選択をしていく。そのことが、実は第三者への影響というのがかなり発生する。だから上司が自分は仕事が好きだからということで長い時間働けば、その人はいいのかもしれませんが、そしてまた部下は部下で短い時間で働ければ、好みによっていいのかもしれないですけれど、それは独立ではないわけです。
 そうなってくると、第三者への気配りといいますか、経済学でいうと外部効果、外部費用といったものを意識してというようなことになってきて、そこのところはすごく社会にとっても、あるいは会社の中でも、重要な点になってきていますよというようなのが、最近出てきて、ミクロ経済学というのが、必ずしもそれを足し合わせればマクロにならないというところが主張されるようになってきていて、そういったところを少し考慮なさるとまとまるかも、指摘が出てくるかもしれないというふうに思います。

○内閣府松田室長

 ちょっとコメントですけれども、私は実は前任柴田から引き継いで、白書を7本持っておりまして、今、話に出ました自殺も扱っていますし、障害者、交通安全、高齢社会、食育、犯罪被害者なども担当しております。
 これらの白書は、閣議に出すものですから、この3章の状況というか、国の取組についての記述に留まっております。先ほど榊原委員がおっしゃったような問題意識は、せいぜいコラムに掲載するとか、閣議決定で、こういう方向で施策を決めるみたいなところまで書き込むというのは白書の役割ではないとされています。
 このアニュアルレポートのクレジットが、この会議の合同クレジットということでございますので、まさに特色として、今後の課題なり展開ということも、あるべき論を書いて構わない。そういう意味で問題意識も書いて構わない。大いに書いていいというところで、今日、いろいろ出ておりまして、これから今の御意見をもとに、柱を立てまして、そこに肉付けをする形で、いいものにしていただければと思います。よろしくお願いします。

○榊原委員

 是非、頑張ってください。
 ヒントになるかどうかわからないですけれど、私も少子化の白書は今でもとても使わせていただいていて、ああいうふうに既にあったいろいろなデータを、一つに束ねてもらうだけで、いろんな気づきになるし、研究者の方もどんどんその分野に入ってくるしという効果があるので、是非いいレポートにしていただきたいと思います。
 私なんかが今のお話を伺っていて思い出すのが、秀逸だった白書だなと今でも思うのが、旧厚生省時代の10数年前の「少子化白書」といわれた白書です。椋野さんがつくられた、子育てに夢や希望が持てる社会に、でしたか。副題が目指している方向、要するにビジョンがきちんと出ている厚生白書だから、出ているデータもそれに沿ってちゃんと出ていて、とてもメッセージがあった。
 だから、厚生白書にしては、異例にマスコミがその年はすごく取り上げたんです。今でも私は持っていますし、人に貸すたびに戻ってこなくなるので、何度も買っているんですけれど、というような白書もあるので、是非メッセージ性をというふうに思います。
 あと、最後の調査の結果を見せていただいておもしろいなと思って拝見したんですけれども、この早く帰る必要性のモチベーションの下のところに書いていただいている、「家族と食事を共にするのが当然」と書いてある。ここですね、欧米のスタンダードは。日本はこれがないと。でしたら、ワーク・ライフ・アンバランスになっているがゆえに、子どもと食事ができる親が、とても少ないんです。私もそうですけれど。
 たしか北浦委員のところで、昔見せていただいた調査で、中学生がお父さんと1週間に「おはようございます」のあいさつが何回できているかとか、食事が何回できているかというような、おもしろい調査を見せていただいたことがあって、その回数がものすごく少ないんです。というのが、日本の今の家庭の現実であるというのを、父親の働き方と合わせて見せるというのも、1つかなというふうに思いました。

○内閣府本多参事官

 統括官の所掌の中に食育とか青少年が入っていまして、たしかその白書の中で、その関連のデータがあったと思いますので、御紹介させていただきたいと思います。

○樋口部会長

 どちらかというと、ウエイトは今回、働き方の方になっているところがあるから、暮らしのところも、同じようにうまくバランスをとってもらうとよろしいんじゃないでしょうか。

○大沢委員

 今、突然思い出したのですが、子どもと接している時間が長いお父さんの方が、妻との関係もよくて、仕事でもいいというような、メンタルヘルスの最近の調査があるそうです。つまり子どもとの時間が長い方が、いろんな意味でいいという、実際の実証結果が出たそうなので、よかったら紹介させていただきます。

○小室委員

 遅れて来まして、すみません。
 最近使わせていただいているデータで、講演を聞いた方にすごくアンケートの反響が高いのが、厚生労働省がこの間発表されていた、乳幼児期に父親が積極的に関わっていた家庭と関わっていなかった家庭で、子どもが5歳になった時点で協調性が2割でしたか、違うというのを、いつもいろんな違うデータをしゃべってみて、アンケートにどれが一番書かれるかを考えて、いつも反応を見ていますけれども、これを男性がすごく書くんですね。ショックでしたと、うちの子の協調性がないのは、僕のせいだったのですねと書かれる方が、すごく多いです。
 子どもの教育のことになると、やはり頑張らなくてはという気持ちがすごく出てくるので、3歳児神話がすごく母親にきいてしまったのも、そのせいだと思うのです。将来の子どもに対して、よくない影響を与えるぐらいだったら、働くことより子育てを選ぶという気持ちを強く植えちゃったのだと思うので、逆にそれと同じ罪悪感を持たせる必要はないですけれども、父親の関わりが重要だというのを、今は逆に引っ張らなくてはいけない時期なので、そういうような教育と父親の在宅時間の関係性みたいなことというのは、積極的に出していいデータかなというふうに思います。

○樋口部会長

 まだ、いろいろ議論もあるかと思いますが、またこれは事務局にメールでも要望を送っていただくということで、要望と同時に参考になることがありましたら、是非、教えていただきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の御議論を踏まえ、私と事務局で相談の上、今後の課題の素案を作成させていただきたいと思います。
 次回、当面重点的に取り組むべき事項と併せて、御議論をいただきたいと思います。
 続いて、内閣府から仕事と生活の調和に関連する記者公表が行われたというふうに聞いていますので、それについて御報告をお願いします。

○内閣府本多参事官

 今日は、4点、資料を配りしておりましたが、既に2つについては触れましたので、残りの2つを御紹介したいと思います。
 1つは、「『ワーク・ライフ・バランス関連資料リスト』の公表について」というものなんですが、これはこの部会で研究センターが必要という意見があったのですが、それはちょっと難しいので、まずは資料を集めて、何が、調査や論文でもワーク・ライフ・バランス関係で重要なのかというものをとりあえず集めてみました。
 今年度中に使いやすいデータベースの形で公開をしたいと思っているのですが、とりあえずそのコンテンツが昨年度の事業ででき上がりまして、実はプリントすると、これぐらいの資料になるので、まずはキーワードで網羅的に検索をした結果のリストと、その中から有識者の意見を聞いて論文、著作物で、特に有益と思われる50点に絞って、その目次まで御紹介したもの。論文で抄録があれば抄録を掲載したもの。あと調査統計であれば、最近のデータを入れたもの。 
 こういうものを今はPDF状態ですが、ホームページで御紹介をしております。PDFでも検索はかけられますので、御活用いただければと思います。
 もう一つ、「『カエル!ジャパン』キャンペーン賛同企業・団体等の公表について」というものでございます。昨年7月に「カエル!ジャパン」キャンペーンを開始しまして、そのときにこのシンボルマークのダウンロードがホームページからできますよと。その際に賛同いただける方は登録してくださいということをお願いしましたところ、企業、個人、合わせて910件の方に御登録をいただきました。その中で企業・団体・地方公共団体で、名前を公表していただいて構わないというところが127件ありましたので、今回その名称を公表しております。
 併せて幾つかの企業に事例ということで書いていただきました。それもつけて御紹介をいたしておりますので、御活用ください。なお、キャンペーンは引き続きやっておりまして、また登録企業を増やしていくように、働きかけをしていきたいと思っております。
 以上です。

○樋口部会長

 ありがとうございました。
 それでは、時間も来ておりますので、これで終わりたいと思います。最後に事務局から、御連絡をお願いいたします。

○内閣府本多参事官

 今日はどうもありがとうございました。
 次回の日程ですけれども、7月9日の13時からを予定しております。第4章の今後に向けた課題と当面取り組むべき事項、あとは、第1章から第3章、今日、御議論をいただいたものを受けての修正をお示しできればと思っております。
 その次は、7月末ごろに今は27日か28日あたりで調整をさせていただいておりますので、また決まりましたら、御連絡いたします。よろしくお願いいたします。

○樋口部会長

 それでは本日の会合はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。

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