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パパの育児休業体験記

育児休業により、知っていた「情報」が「リアル」になって視野が拡大。「育休はためになる」

執筆者と家族の写真
執筆者の横顔:
(1)公務員、(2)1,000人~4,999人、(3)40代前半、(4)30代前半、(5)本人・妻・母・子、(6)平成13年11月~14年1月(3ヵ月間)

育休はメリット満載

佐藤 英之さん

 もう、7年も前のハナシで恐縮です。たった3か月のあいだでしたが、ぼくは育休を取得しました。
 育休を取得したころは、「きっかけは何?」といった質問をよくいただきました。でも、ぼくの場合、そんなのなかったんです。ぼくは地方公共団体の職員でして、妻とはいわゆる職場結婚でした。おまけに同期どうし。当然、給与から何からイーブンです。なので、結婚当初から、「家事はできるほうがする」が暗黙のルールでした。そんな夫婦にとっては、「育休も半分ずつ」という発想は極めて自然だったわけです。
 とは言え、ぼくが育休を取得することができた背景として、いくつかの環境的な条件が整っていたことは否定できません。
 その一。まずは、ぼくが公務員であったこと。というのは、民間の方にうかがうと、育休を取得するにあたっては、いろいろな障壁があるらしいからです。例えば「昇進に響く」だったり、「会社がまわらない」だったり、様々です。法の規定どおり権利保障されることが実際は困難なことなのだと思うと、自分の置かれた環境に感謝せざるを得ません。ちょっと釈然としませんが。
 その二。つぎに、夫婦が性的役割にとらわれていなかったこと。現実問題として、もしぼくに家事能力がゼロだったら、育休を取得したところで子育ては不可能だったからです。恐らく、子育てしようなんて考えすら浮かばなかったことでしょう。子どもが生まれるまでに、ある程度の家事をこなせるようになっていたことは、案外重要な要素だったと思います。
 その三。そして、妻と周囲の理解があったこと。そもそも、妻が職場に復帰せず常に子どもを養育できる状態にあれば、ぼくは育休を取得することができなかったからです。事実、育休を取得したいと思っている男性が、「妻が譲ってくれなかった」という理由で、断念せざるを得なかったという悲話を聞いたことがあります。実は、妻の理解はかなり重要なのです。それから、言うまでもありませんが、職場の同僚たちの理解も必要です。彼らは笑顔で激励してくれましたから、本当にありがたかったです。
 そんなこんなで、ぼくは育休を取得することができました。そのときの感想を一言で申し上げるなら、「育休はためになる」です。
 とにかく育休をとおして、情報としては知っていたことが「リアル」になって視野が広がったと思います。例えば・・・
 -子どもと二人きりという緊密な人間関係がキツかったこと。
 -自分が収入を得られないことに対して負い目を感じてしまったこと。
 -子どもの健康状態や発達状態について不安でしかたなかったこと。
 そして、育休をとおして子どもと正面から向き合うことで、子どもとの関係性の基礎を築けたと思います。例えば・・・
 -自分が子育ての主体だと再認識したこと。
 -理屈だけではコミュニケーションが成立しないと学習したこと。
 -自分と子どもがそれぞれ別個の人格を有すると痛感したこと。
 このように、ぼく的には、育休はメリット満載の制度でした。当初は、仕事から離れることに不安がありましたが、逆に距離を置くことで、仕事に対して客観性や冷静さが身に付くという収穫もありましたし。
 ただ、誤解していただきたくないのは、ぼくは「男性も育休を取得しましょう!」と申し上げているわけではありません。正直、そんなの、男性だろうが女性だろうがどっちでもいいです。大切なのは、それぞれの夫婦が、それぞれの環境のなかで、子育てについて話し合い、最適な結論を導き出すことです。なぜなら、夫婦が納得したうえで楽しく子育てすることができたなら、それこそが、子どもにとっても居心地のいい家庭の条件になるはずですから。

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