パパの育児休業体験記 1-12

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パパの育児休業体験記

「育児休業取得」をきっかけに、頼れる職員と勤務先の支援がいかに心強いかに気づいた

執筆者と家族の写真
執筆者の横顔:
(1)介護支援専門員・管理者、(2)、(3)30代前半、(4)30代前半、(5)本人・妻・子3人(女児3人(6歳;2歳;0歳)・両親・弟 、(6)平成20年2月(1週間)

育児休業を取得して初めて見えた世界

田中 慎吾さん

 この度、我が家では平成19年12月20日に第三子が誕生し、賑やかなのと同時に育児の負担が増え、妻は1番目と2番目の子の保育園の送り迎えや、3番目の子の昼夜2~3時間ごとの授乳等で、寝不足の日々を過ごしていました。そんな妻を見て、「ゆっくり休ませてあげたいな~」と毎日感じていましたが、管理者という立場がら仕事を休む事が難しく、夜遅く帰る事も多かった為、なかなか妻を休ませてあげる事が出来ませんでした。
 そんな時、勤めている会社の人事部長より『ワーク・ライフ・バランス』についての説明があり、男性職員の育児休業取得についての話が出ました。この話を聞いた時、「これだ。この育児・介護休業法を利用して育児休業を取ろう」と思い、早速人事部長に相談しました。人事部長からは「今後続いていくだろう、男性職員の育児休業取得の足がかりの為に是非利用してほしい」と言われました。ただ1つ気掛かりだったのは、管理者である私が長期の休みを取った場合、職場であるグループホームの職員にかかる負担や、私が不在となる期間の管理業務等について職員が対応していけるかでした。この事を人事部長に相談したところ、「不在となる期間については、人員の支援をするので安心してほしい」との回答がありました。また、育児休業を取得したい旨を現場の職員へ相談したところ、「何かあった時には電話連絡をして指示を仰ぐので、安心して奥さんを休ませてあげて下さい」と快く送り出してくれました。私はこの『育児休業取得』という1つのきっかけを通じ、職員がとても頼れる存在であること、また法人の支援がいかに心強いかについて気づかされました。 
 その日の夜、妻に1週間の育児休業を取得する事にした事を伝えました。妻は「仕事は大丈夫?」と心配していましたが、会社からの支援や職場の理解が得られた事を話すと、その顔は喜びにあふれた安堵の表情となり、私が育児休業に入るのを心待ちにしていました。
 育児休業に入ると、その初日から2番目の子が熱を出し病院へ受診させたり、1番目の保育園の送り迎えをしたり、3番目に昼夜ミルクを飲ませたりと、とても忙しく過ごしました。また、育児休業中盤からは、2番目の子から風邪がうつったのか3番目が風邪をひいた為、今度は2番目と3番目に薬を飲ませ、嫌がって暴れる子供2人を捕まえ、泣かせながらも鼻に詰まった鼻水を吸引器で昼夜問わず吸いました。育児休業最終日になると、子供たちの風邪も落ち着き、3番目の夜の授乳はあるものの、平穏な生活に戻りました。また妻も育児休業中、少しですが体を休める事が出来た様で、清々しい顔をしていました。
 今回、1週間の育児休業を取得して感じた事は、単純に「仕事に出た方が楽だ」という事と、「家で見ている妻は毎日、この生活を繰り返してきたんだな」という事、そして「仕事と家庭の両立がとても大事であり、家庭があっての仕事である」という事でした。私は仕事が休みの時ぐらいでしか子供と遊んであげる事が出来ていない為、この一週間、昼夜問わず子供の世話をした事は、父親としての自分を大きくさせてくれた様に感じます。また毎日の育児がどれほど大変なのかをこの1週間でとても強く感じ、同時に妻の苦労と偉大さもわかったような気がします。
 男性の育児休業取得についてはまだまだ世間の理解が低く、取得したくても取得出来ない男性就業者が沢山いると思います。取得する為には職場の理解と育児休業を取得できる環境作りがとても重要であると感じます。私はこの育児休業取得を取得したことにより、初めて見えた世界がありました。この経験を大事にし、これから増えていくであろう男性職員の育児休業取得の手助けとなっていきたいと思います。また今後も仕事と家庭の両立、「ワーク・ライフ・バランス」を重視して日々頑張っていきたいと思います。

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