パパの育児休業体験記 3-14

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パパの育児休業体験記

育児・家事ともに夫婦でお互いのフォローができるように。子どもと向き合い、得るものの多い体験

執筆者と家族の写真
執筆者の横顔:
(1)公務員、(2)300~999人、(3)30代前半、(4)30代前半、(5)本人・妻・子2人、(6)平成20年4月~5月(2ヵ月間)

育児休業を取得して感じたこと

松場 実千雄さん

 育児休業を取得しようとしたきっかけは妻が二人目の子供の育児休業を取得していたときのことです。妻は一人目の子供のために1年半休み、二人目の子供のためにも2年くらい休む予定でした。そんな中で妻から僕に育児休業を取ってみたらどうかという提案がありました。一人目の子供の時はほとんど任せっきりにしていたこともあり、二人目の子供の時は自分でも機会があれば育児に関わりたいという気持ちがありました。僕は自分の子供なのに自分が育てなくてどうするという気持ちもありましたし、後で育児休業を取っておけばよかったと後悔したくはなかったので、この機会に育児休業と取ろうと決意しました。

【育児休業を取得するに当たっての職場とのやり取り】
 当初、育児休業を取得するなら、しっかり子供と向き合えるように1年以上の期間で考えていました。しかし、現実には男性が育児休業を取得するということはそう簡単なことではありませんでした。やはり一番問題になったのは、仕事の問題でした。
 僕の所属するグループは、選挙事務を担当しており、休もうとしていた年に選挙が3つも控えていました。そのため、上司からは、応援してやりたいが1年以上の育児休業は選挙事務に支障があり、認めることは難しいと言われました。通常業務の範囲で育児休業を認められないのであれば納得できませんが、選挙事務のことで育児休業を認められないのは、その大変さを知っているだけに、あきらめざるを得ませんでした。やはり自分が休んだことで他の人に多大な迷惑がかかることはできないという思いがあったからです。結局、選挙事務を行う時期を避け、妻が職務復帰しやすい時期を考慮した結果、僕が取得した育児休業の期間は、2か月程度でした。

【育児休業中の日々に感じたこと】
 最初のうちは、慣れない育児と家事をするということで、仕事していた方が気が楽かなと思うときもありました。しかし、自分の子供の今しか見られないしぐさや表情を見るにつれて子供のことが、よりかわいく思え、だんだん育児が楽しいと思うようになりました。
 また、家事については、ほとんど一任されていたため、炊事、洗濯、掃除はもとより、二人目の子供の幼稚園の入園準備、ついでに幼稚園に通っているお兄ちゃんの遠足の弁当作りまでやることになり、妻の大変さを身をもって知りました。
 初めのうちはご飯を作っても「お父さんのご飯おいしくない。お母さんのご飯が一番おいしい。」って言われていましたが、育児休業も1か月ほど経った頃「お父さんのご飯おいしい。」って言ってくれるようになったときはとてもうれしかったです。

【育児休業を取得してみて】
 男性の育児休業は、いろいろな障害があって取得しにくいのが現状だと思います。経済的に難しい、職場に迷惑をかけるなど育児休業が取得しにくい理由は様々だと思いますが、僕自身、育児休業を取ってみて、男女の区別なく家事や育児においてお互いをフォローすることができるようになったり、子供とじっくり向き合うことができたり、育児休業を取得してよかったと思うことがたくさんありました。
 家庭第一と言葉では言っていても結果的に仕事第一になってしまう社会では、子育てはとてもしにくいものです。より多くの男性が育児休業を取得することで、育児に寛容な社会の醸成に一歩一歩近づいていけばいいなと思いました。

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