パパの育児休業体験記 4-02

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パパの育児休業体験記

おっぱいなしではなかなか昼寝をしなかった息子も、背中のあたたかさでぐっすり昼寝

執筆者と家族の写真
執筆者の横顔:
(1)公務員、(2)300人~999人、(3)30代後半、(4)30代後半、(5)本人・妻・子1人(2歳10カ月)、(6)平成19年4月~20年3月 (1年間)

オンブマン

石井 聡さん

 妻の産休、そして1年2ヵ月間の育休を引き継いで1年間の育休を取得しました。仕事も家事も夫婦で対等に、という考えのもと、育休も同じくらい、と考えた結果です。
 初めての子どもでもあり、夫婦ともに30代後半でもあったので、最後かもしれない、子育てにじっくり向き合ってみたいと考えてみてのことです。私は、育休後半の1歳3ヵ月から2歳3ヵ月までの間を受け持つことになったわけですが、なかなか妻ほどにはうまくいかないことに苛立ちながらも、楽しい1年間でした。
 夫婦にとって、私が育休を取得した1番のメリットは、妻の職場復帰へのストレスが最小限であったことだと思います。復職には、人間関係、体力など、不安がありますが、復職時に他人に預けるのではなく、子どもが慣れた自宅でそのまま過ごせたことは、復職への不安の要因をひとつ減らすことにつながったと思います。
 私が引継ぎ、育休初期に一番苦労したことは、家事ではなく、「子どもの昼寝」でした。家事の面では、妻から引継ぎに当たり、「家事は後回しで、まず子ども」と言ってもらったこともあり、食べ散らかしたお皿がシンクに重なっていても、許してもらうような日々が続きました。1歳から2歳の時期は、まだまだ昼寝が必要で、少なくとも1回は寝ないと体調が悪くなりますし、第一に不機嫌になります。それと、自分の時間がわずかでももてないということもありました。
 そこで、何とか気分よく、1時間でも2時間でも寝てくれないかな、ということが育休初期の課題になりました。ところが、今まで、おっぱいを飲みながら、気分よく寝ていた息子は、おっぱいなしにはなかなか寝てくれません。そんななかで、苦心した上で編み出した方法が、昔ながらのおんぶでした。10キロを超える息子をおんぶして、ときには1時間近くも歩き続けることもありました。後になって聞いたことですが、近所のお年寄りの中では、「近頃、赤ん坊をおんぶしている男の人がいる」とちょっと気になる存在であったようです。おんぶをすると、背中の暖かさなのか、気分よく寝てくれたので、それが日課となりました。知り合いの子どもからは、「オンブマン」と呼ばれるように。そして、そんな規則正しい生活のせいか、私が5キロもダイエットすることにもなりました。
 こうした経験が、これから私や息子にどんなものを生んでくれるかはわかりませんが、私の中では、息子とふれあい、何も求めずにただ向き合った時間として残っていくものだと想っています。

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