完璧でなくとも家事、育児に協力する、そして育児は習うより実践で覚えていく
- 執筆者の横顔:
- (1)介護老人福祉施設介助員、(2)、(3)20代後半、(4)20代後半、(5)、(6)平成19年10月(1ヵ月間)
育児休業取得しての家庭での取り組み
高野 正英さん
私は、高齢者である利用者一人ひとりの自己決定を尊重し、「明るく生きよう」と思う気持を引き出せる福祉を理想とし、社会福祉士の資格を目指しながら、平成十三年四月に介助員として介護施設に入職しました。
介護現場ではシフト制で、慣れるまで一苦労でした。入居者との関わりや、仕事仲間との連携、介護知識や技術を習得できるまでの道のりはとても大変なものでした。ようやく仕事に余裕がもてるようになって、五年目を迎える年の平成十八年二月に結婚し、平成十九年六月二十七日に息子が誕生しました。
職場においても男性が育児休業が取得できるようになって、まもなく私はこの制度を利用して我が子の育児に参加してみようと決意しました。職場では男性職員として初めての育児休業取得となりました。同時に同僚に負担を掛けてしまうという負い目はあったものの社会的にも「男性の子育て参加の支援・促進を図る」ことがテーマとしてあげられていることから決意しました。
育児休業を取得して一番に実感したのは、もっと男性が積極的に育休を取得すべきだということです。なぜならば育児の大変さと家庭での仕事の多さを知る良い機会となったからです。毎日やるべき大切なことは息子に数時間おきにミルクを飲ませ、オムツをこまめに交換し、更に家の掃除・洗濯・夕食の準備などの沢山の日常の作業に追われました。
仕事が老人介護なので、家事などは手が付けられない事もなかったけれども決して自分は全てを完璧にできたとは言えません。例え、完璧でなくても、家事、育児を協力していくこと、そして育児は習うより実践で覚えていくこと。自分から積極的に育児に関わり妻の負担やストレスを軽減させることが育児休業を取得しての家庭での取り組みでした。
この休業を取得して、とても良い経験になりました。もし再び育児休業を取得できる環境になったら、私は迷わず育休を取得したいと思いました。今までは女性だけが家族の世話をするのが当たり前の世の中でした。しかしながら女性が社会に進出して平等に仕事をしていく上では男性の協力なくしてはできません。
共働きで生計を立てて行くにはなおさら家庭での役割を分担していくことが賢明です。女性だけに育児を任せるのではなく、共に歩み寄ることで豊かな生活を手に入れることができるのではないでしょうか。
最後にこの休業を取得し、育児・家事に取り組めたのは、上司の協力があったからこそ、安心して取り組めたことで大変感謝しています。