パパの育児休業体験記 4-20

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パパの育児休業体験記

地域運営の子育てサロンで悩みを語りあい、苦労を共有することでストレスを発散

執筆者と家族の写真
執筆者の横顔:
(1)公務員、(2)5,000人~、(3)30代前半、(4)30代前半、(5)本人・妻・子、(6)平成19年6月~20年3月(10ヵ月間)

子どものいる生活と仕事 -育児休業を経験して-

千田 博史さん

 夫婦共働きの中、2人とも深夜帰宅が珍しくない環境に身を置き、仕事に没頭する毎日が続いていました。子どもは欲しいと思ってはいましたが、仕事の忙しさもあり、なかなかきっかけが見つかりませんでした。でも、妻の人事異動をきっかけに、少し仕事も落ち着いた頃、妻の妊娠が判明しました。私は相変わらず深夜帰宅が多かったのですが、この機会に妻ととことん話し合い、今後のライフプランを立てて出した結論は、お互いに育児休業制度を活用して、働き続けながら子育てをしていくことでした。
 それからというもの、妻は産休と育休を前に、職場に迷惑をかけないように仕事を少しずつ整理することを始め、私も育休を取得することを職場の上司や同僚に伝え始めました。幸いにも、職場自体が男性の子育て参加を奨励していたことや、かなり早い段階から周囲に理解を求めていたことで、育休中の増員が人事担当部署に認められ、上司・同僚の負担の軽減にも繋がったことが、よりスムーズな育休取得に結びついたと思います。
 人事異動の時期も考え、結果として、妻が産休・育休含め7か月、私が育休を10か月取得することになりました。最初は慣れない妻の弁当作りや夕食の買い出しや準備など、メニューを考えるだけでもひと仕事でしたが、少しずつメニューの幅も広がっていきました。男性と言うのも単純なもので、妻に感謝され料理などを褒められると、よりやる気も沸いてくるものでした。また、昼間はベビーカーを押しながら近所を散歩することも多かったのですが、自分の住んでいる環境を改めて見つめ直す機会にもなり、仕事をしながらだと得られない貴重な体験もできたと思います。
 このように、育休中の生活リズムはこれまでと大きく異なり、慣れないせいもあって、心身への負担が想像以上であることに気づかされました。それまでの深夜勤務での仕事と甲乙つけ難いくらいの苦労もあり、妻のサポートなしには成り立ちませんでした。ただ、子どもの人生の中でも最も成長著しいこの時期に、一緒の時間を過ごすことのできる幸せを感じられ、とても充実した日々を過ごせたことは一生の宝物となると信じています。
 また、育休中は自治体や地域が運営している子育てサロンにも、同月齢の子供を持つお母さん達に混じりながら参加させてもらい、子育ての悩みを語り合い、様々な苦労を共有することで、随分ストレス発散になったと思います。最初は男性が私一人であったため、かなり躊躇しましたが、同月齢の子ども同士の触れ合いも子ども自身の成長に大切だと聞いて、勇気を振り絞って参加したところ、子育ての話題が中心ということもあり、珍しさも手伝ってか、お母さんたちが受け入れてくれたのが良かったのだと思います。
 こうして、育休という得がたい経験を終え、職場復帰することになりました。保育園への送迎や子どもの急な発熱時などのお迎えにも対応できる深夜勤務のない職場への人事異動も叶えられましたが、それでも、早朝の登園準備に始まり、寝かしつけまでの間、あっという間に毎日が過ぎ去っていきます。これも、夫婦の協力があってこそ頑張れているのだと思います。きっと、私が育休を取得したからこそ、仕事と子育てのやりがいや楽しさだけでなく、苦労も夫婦で共有でき、お互いに助け合いながら頑張ることができているのだと思います。
 最後に、育休を取得することによる職場での評価が気にならなかったと言えば嘘になりますが、復帰後はこれまで休ませてもらった分、今まで以上に頑張ろうという気持ちが強くなり、仕事と家庭生活のメリハリもつき、以前よりも集中して仕事ができるようになったと感じています。現在、妻が2人目を妊娠中ですが、また、是非とも育休を取得してみたいと考えています。

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