内閣府仕事と生活の調和推進室
Office for Work-Life Balance, Cabinet Office, Government Of Japan
■□ カエル! ジャパン通信 Vol.4 □■
今回のテーマは、『改正育児・介護休業法』です。
少子化対策の観点から、喫緊の課題となっている仕事と子育ての両立支援等を一層進めるためには、男女ともに子育て等をしながら働き続けることができる雇用環境の整備が重要となります。
そのために、昨年、「育児休業・介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)」が改正され、一部を除き今年の6月30日に施行されます。
そこで、今月と来月の二回にわたって、その改正内容をご紹介します。
≪目次≫
★≪有識者インタビュー Vol.3≫
定塚 由美子 氏
(厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課長)
「改正育児・介護休業法の施行に向けて」
改正育児・介護休業法の施行を半年後に控え、今回は改正の背景や内容についてお話を伺いました。
●少子高齢化が止まらない
「現在、我が国では急速に少子化が進行しています。合計特殊出生率は2005年に1.26と過去最低を更新。死亡数が出生数を上回り、さらに国勢調査結果でも総人口が前年を下回って、日本の人口は減少局面に突入しました。新人口推計(中位)によれば、2055年に産まれる子どもの数は現在の約4割(約45万人)、高齢化率は現在の2倍(40.5%)。
生産年齢人口(15~64歳)も現在の2分の1近くに減少するといわれています。」
「女性の育児休業取得率が約9割に達しているにも関わらず、働く女性の約7割は出産を機に退職をしています。一方で、育児休業や短時間勤務制度を利用したいと考える男性は3割を超えていますが、実際の育児休業の取得率はわずか1.23%で、依然として育児休業制度を取得しにくい状況です。勤労者世帯の過半数が共働き世帯となっている中、女性だけでなく男性も子育てができる環境づくりが求められていること等から、この度、育児・介護休業法が改正されることとなりました。」
●改正のポイント
「今回の主な改正事項は、
・ 子育て期間中の働き方の見直し
・ 父親も子育てができる働き方の実現
・ 仕事と介護の両立支援のための休暇制度の新設
・ 実効性の確保のための制度の新設
の4点です。」
「まず、子育て期間中の働き方を見直しました。具体的には、3歳までの子を養育する労働者が希望すれば利用できる短時間勤務制度(原則 として1日6時間)を設けることが事業主の義務となりました。
また、3歳までの子を養育する労働者は、請求すれば所定外労働(残業)が免除されます。これは、育児休業と同じく法律上の権利として与えられるため、労働者が請求すれば民事的な効力が発生します。
そして、子の看護休暇の拡充として休暇の取得可能日数が変更になりました。小学校就学前の子が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日となります。」
「次に、父親も子育てができる働き方の実現を目指し、父母ともに育児休業を取得する場合に休業可能期間を2か月延長し、子が1歳2か月 に達するまでとしました。これを『パパ・ママ育休プラス』と呼び、母親の職場復帰直後の大変な時期に、両親が協力して子育てできるなどの利用ができます。
また、出産後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合は、特別な事情がなくても再度、育児休業を取得することが可能です。この期間は子育てが最も大変で、なおかつお母さんの体力もまだ回復していない時期ですので、この時期に父親が育児休業を取りやすくすることを目指しています。
さらに、専業主婦家庭や育児休業中の方の配偶者も、育児休業をフルに利用できることとなりました。」
「続いては、仕事と介護の両立支援のための介護休暇制度の創設です。労働者が申し出ることにより、要介護状態の対象家族が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日を限度として休暇を取得できるようになります。介護が長期にわたるケースが増え、『毎年取れる休暇が欲しい』との要望が上がったことから新設されました。
この他、実効性の確保に関する制度も新設しています。」
「改正法は、一部を除いて2010年6月30日から施行されます。各企業は、施行日までに就業規則等を整備しておいてください。」
★参照情報★
★≪統計・調査トピックス≫
今回のテーマである「育児休業」に関連した調査を紹介します。
厚生労働省 2009年
●仕事と家事・子育ての優先度の希望と現実をみると、正社員男性の58.4%、正社員女性の52.3%が希望としては「仕事と家事・子育てを両立」させたいと考えているが、現実は、男女ともに「仕事優先」の割合が高くなってしまっています(男性74.0%、女性31.2%)。
●妊娠・出産前後に女性正社員が仕事を辞めた理由は、「家事、育児に専念するため自発的にやめた」の割合が39.0%と高いが、他方、「仕事を続けたかったが仕事と育児の両立の難しさでやめた」(26.1%)と「解雇された、退職勧奨された」(9.0%)の合計が35.1%と3分の1強を占めています。
●職場の両立支援制度の利用しやすさをみると、育児休業制度や子の看護休暇等について、女性の方が男性より「利用しやすい」と答えた割合が高く、男性の方が「利用しにくい」と答えた割合が高くなっています。
●夫の就労時間別に妻が希望する勤務形態をみると、夫の就労時間が長いほど妻の「短時間勤務・短日勤務」を希望する割合が高くなっています(夫の就労時間が「35時間以上40時間未満」の場合25.1%、「70時間以上」の場合43.7%)。
(参考)
調査内容:子育て期の労働者・無業者を対象としたアンケート調査
調査対象:未就学の子を持つ男女(男性正社員、女性正社員、女性非正社員、女性無業(専業主婦))
有効回答数:4,110件
内閣府 2005年
(主な結果)
仕事の進め方について職場内で見直すきっかけになった。 | 41.5% |
両立支援策に対する各人の理解が深まった。 | 37.2% |
利用者の仕事を引き継いだ人の能力が高まった。 | 24.2% |
*調査対象:従業員規模100~300人の企業1,000社(各社1人)、従業員規模300人超の企業3,000社(各社2人)
調査方法:各社の人事部担当者宛郵送。調査対象者がいる場合に限り、人事部から調査対象者へ配布、対象者がいない場合は非回答。
有効回収数:764票
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/syosika/g-tyousa.pdf (PDF形式:80.3KB)
★≪最新情報≫
茨城県大会
開催日時:2010年2月9日(火) 13:00~17:30
開催場所:茨城県庁講堂
開催日時:2010年2月5日(金) 13:30~17:00(開場 13:00)
*終了後、名刺交換会を実施します
開催場所:ホテルはあといん乃木坂(東京都港区)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/11premium/zenkokukaigi/h21/pdf/annai.pdf
開催日時:2010年2月9日(火) 10:00~17:00(開場 9:45)
開催場所:東京国際フォーラム 展示ホール2
http://www.wlb-tokyo.jp/index.html
開催日時:2010年2月8日(月) 13:30~17:45(受付開始 13:00)
開催場所:東京大学弥生キャンパス 弥生講堂一条ホール
http://wlb.iss.u-tokyo.ac.jp/symposium.html
開催日時:2010年2月1日(月) 14:00~16:30(開場 13:00)
開催場所:THE GRAND HALL(東京都品川区)
開催場所:クレオ大阪東(大阪市男女共同参画センター)
【(財)女性労働協会】
「女性にやさしい職場づくりナビ」で連載しています。
http://www.bosei-navi.go.jp/comic/
【厚生労働省】
応募受付期間は2010年3月31日までです。是非ご応募下さい。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000033ox.html
≪編集後記≫
https://form.cao.go.jp./wlb/opinion-0001.html
このままご返信いただけませんのでご了承ください。
https://wwwa.cao.go.jp/wlb/e-mailmagazine/tetsuzuki.html
https://wwwa.cao.go.jp/wlb/index.html
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