育休前、休業中のことを考えて出来る限り仕事を進めた。だからすっきりとした気持ちで育休に入れた
- 執筆者の横顔:
- (1)公務員、(2)、(3)30代前半、(4)20代後半、(5)、(6)平成19年5月~6月(2ヵ月間)
自分にとって大切なこと
匿名
1.なぜ育児休業?
子どもが生まれる。
それは自分や妻にとっても、家族の生活にとっても、とてつもなく大きな出来事です。また、困難を伴うことでもあります。
私は、二人目の子どもが生まれる前後に、特別休暇等と合わせて計8週間の休業・休暇を取得しました。長男は当時3歳になろうとする頃で、やんちゃ盛り。妻一人で産前産後を乗り切ることが、どれほど大変か容易に想像ができました。そして、幼い息子にも、兄になるという大きな変化が訪れようとしていました。
私は仕事を休むことにしました。
考えてみれば、この期間、実家の助けを得て、自分が単身赴任生活を送るという選択肢もなかったわけではありません。しかし、大変な時期だからこそ、家庭の中で役割を果たしたいと思いました。
2.早めに相談
まずは妻との相談です。
自分が最も必要とされる期間はいつか。まず、出産後に上の子どもの世話役が必要でした。また、幼児を抱えつつの妊娠は初めてであり、妻が産前にどの程度子育てができるのか、予測できませんでした。いろいろとシミュレーションした結果、産後だけではなく、産前にもお休みを頂くことにしました。
次に、職場への相談です。
私の職場には、育休経験者による相談員制度がありました。相談員の先輩が、育休の期間や申請のタイミング等、親身に相談に乗ってくださいました。残業も多い風土の中で、上司や人事の方に育休の話を切り出すのは、それなりに勇気のいることでしたが、相談員の先輩にグッと背中を押していただきました。
上司や人事の方に相談する上で大切なことは、「早めに相談する」ことです。早ければ早い方がいいと思います。私が希望を伝えたのは、取得時から5か月ほど前でした。
3.取得までの日々
一旦、取得すると決まったら、休業中のことも考え、できる仕事は全て済ませておきたいと思いました。もちろん限度はあります。ですが、そうした気持ちで仕事に当ってこそ、助けてくださる周囲の方々に素直にお願いできるのだと思います。
私は、ある報告書の作成に携わっていました。その完成まで見届けることはできませんでしたが、方向性が決まるまでのプロセスはやり遂げたという想いを持つことができ、すっきりした気持ちで休業に入ることができました。
4.休業中の生活
休業期間中は、妻の体力回復を最優先に考え、私は、長男の子育てと家事を全面的に担当しました。
日々の生活は、普段の休日と大きな違いがあるわけではありません。朝起きて、家事をしつつ子どもの相手をして。息をつく暇もなく、一日は過ぎていきます。
そんな中でも、まとまった休業期間ならではの経験もあります。休業中ほど、連日、朝昼晩と食事を作った経験はありません。とにかく色々と作ってみました。趣味で作る料理と、生活の中で作る料理は、求められるスピードが違います。この経験は、その後の生活でも大いに役立っています。
休業期間はあっという間に過ぎましたが、私と妻には子どもが増え、息子は兄になりました。この大きな変化の中、家族が共に過ごすことができました。休業取得してもしなくても、子どもへの愛情が変わることはないでしょうし、短期間の休業が、その後の成長を左右するとも思いません。ですが、私は、本当に良かったと感じています。家族のそれぞれにとって、大きな変化が生じる時期に、私も妻も安心して過ごすことができました。
5.最後に
職場の上司や同僚の温かいサポートを得て、育休を取得できたことは、私にとって、大きな意味がありました。今後、家庭生活を大切にしながら、職業生活を営んでいくことに自信が持てたからです。
休業期間だけが重要なわけではありません。その後も、大なり小なり、家庭を最優先にすべき場面が訪れてきます。また、仕事に注力すべきときもあります。育休の経験から、今後も、その時々に大切なことを大切にしながら生きていこうと思うようになりました。