パパの育児休業体験記 2-06

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パパの育児休業体験記

育休希望を早めに会社に相談することで、上司にじっくりと聞いてもらい、理解してもらえた

執筆者と家族の写真
執筆者の横顔:
(1)会社員、(2)300人~999人、(3)30代前半、(4)30代前半、(5)本人、妻、子1人(6)平成20年5月~21年4月(1年間)

パパは<育児なし>じゃないよ

根本 徹さん

 「うれしいけど、無理なんじゃないの。」

 私が育児休業について妻に相談したところ、こんな言葉が返ってきた。主な心配事は二つ。

 まず、会社に迷惑をかけること。そしてもう一つはやはり、お金のことだった。

 妻が安定期に入る妊娠5ヵ月目になったら、会社に育休希望を伝えることにした。早めに相談することで、私の考えを会社にじっくりと聞いてもらえる環境を作りたかったからだ。

 育児は立派なキャリアである、と私は思う。
国家資格の取得や語学の習得と同じで、出産や育児の現場を通じて社会をとらえ直すことは、今後の自分の仕事全般にきっと役立つに違いない。私はぜひとも育児休業によって、キャリアアップを実現したかったのだ。幸いなことに、私の考えは上司や同僚に理解してもらえた。実際、育休中には仕事につながるアイデアが次々と浮かんでくるので、忘れないよう、手帳にせっせと書きためている。

 お金に関しては、心の持ちよう一つ、との結論に達した。一生涯で得られる総賃金で考えれば、一年休業することは、一年多く大学浪人をしたことと大して差がないだろう、と。

 浪人生と違って、出産や育児をする人への公的なお金の支援は多数ある。きちんと合算してみると、給料の半分相当にはなった。さらに自治体によっては、乳幼児の医療費が無料だ。どうやら貯蓄を切り崩すばかりでもない、とわかって、お金の心配はほぼ解消された。

 育休中の今、私は強く実感している。貯蓄が減っても、家族そろって質素に楽しく暮らすことが何より妻孝行になる、ということを。

 そして私は胸をはって子どもに自慢できる。
「パパは<育児なし>じゃないよ!」と。

 結局、必要なのは勇気、だけなのである。

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