育休取得にかける意気込みを熱く語る。そして、きちんとスケジュールに組み込むことで育休を獲得
- 執筆者の横顔:
- (1)会社員、(2) 1,000~4,999人、(3)30代後半、(4)30代後半、(5)本人・妻・子1人(男児1人)、(6)平成19年9月~11月(2ヵ月)
僕が育児休職を取った理由(わけ)
丸山 和也さん
なぜ僕が取得するのか。実は彼女の体調が悪い?彼女の実家が遠くてサポートしてもらえない?彼女の産後の肥立ちをサポートしないといけないことは勉強して理解している。しかし、そういうことだけじゃない。僕はこの人生の一大イベントに、外野では居たくないのだ。
彼女との会話。「休めるだけ休んだらええやん」「無給やで?」「ええやん、その間私は有給やし」。あっさりと彼女クリア。次に彼女のお母さん。これが意外と抵抗勢力。「えーっ!私が居るのになんで休むの?」「旦那さんは会社で働くのがあたり前。」「家庭状況が複雑みたいに思われない?」「会社休んだら後々響かない?」と、反論しにくい指摘を連発。切替す僕。「誰も僕だけで家事育児するとは言ってないよ。」「え?一人でやらないの?」「当たり前やん。家事できないもん。」「じゃあなんで休むの?役に立たないなら仕事に行かなきゃ」・・・完全に負けた。
次に職場。実はなんと妊娠確認2週間後に自分に人事異動の話が・・こんな状況で休めるのか!休職の話をしたときの現職場の反応 「サポートできる家族居ないんだ。大変だね。」「休んで役に立つの?家事とかできるの?」「誰も取得してないから率先して取得するんだ」・・いやいや、ただ取りたいだけなんだけど。
異動先の上司 「え、まじ?どれぐらい休むの?」 あ、簡単には行かなさそう。新職場 「休むために異動してくるの?」そ、そういう訳では・・・反応のテンションが違う!でも負けない!
この時点で初めて会社の制度を確認。無条件なのは8週間!獲得へ行動開始!
作戦は三つ。「とにかくまず一方的に宣言」「もう確定した予定として扱う」「まわりに意気込みを語る」
すぐさま異動先上司に宣言し、スケジュール調整のたびに育児休職期間をアピール、家事についてのトークを連発。すると徐々に既成事実に変化。休む準備を着々と進める。
一方、異動の助けもあり仕事観が大きく変化。過去には過労で休んだこともあったが、集団の一員としての役割に徹する日々。
35時間の陣痛の末、9月19日に息子大翔(やまと)が誕生。夫婦別姓で10年以上生活してきたが、今回は僕が彼女の姓を名乗ることにして、家族統一。
8週間の休職生活、母体への厳しい要求。「毎食スープを飲む」「家事を極力させない」「乳製品、油分を極力とらせない」。家事ダメ夫が編み出したのは、大量の野菜を圧力鍋で火を通し保存。なんにでも入れる!あとはやっぱり孫ができた時のおばあちゃんの威力は絶大。実益もさることながら、第三者的な視点はとても助かる!
大翔、生後8週間の変化はすごい。感動というよりも驚愕。
あっという間に職場に復帰。旧姓での復帰を試みるが立ちはだかるいろいろな壁。女性の苦労が身にしみた。一方、職場の反応は、「はいお帰り」でおしまい。本当に有難い一言。これで復帰後の不安は一挙に吹っ飛んだ。周りのベテラン勢「実は自分もあの時もう少し関われたら今の親子関係も違ったのかなと思った。」若手「そうやって男性も取れるなら、もう一人生む計画立てようかな、マジで。」番外編「俺の孫の方がかわいいよ」。お姉さま方「どれだけ大変か分かった?」
一方で進まない理解。「いいよなぁ休める部署でさ。」←こう言われると辛い。そんな部署はない!その時自分が何を選択するかなのだ!!父親になったとき誓ったことは三つ。「自分のことは自分でやる」「その日の家事はその日のうちに済ませる」「ワークライフバランスの重心を意識する」
あれから早1年。今年の10月から共働き再開で大翔は保育園。1歳を過ぎ、掴まり立ちを始めた。果たして自分は「子供」を選択する!これが本当に出来ているか?常に自分に問いながら現在毎日奮闘中。