収入減よりまず取得。仕事よりも大変な育児・家事。妻の偉大さ、家族の健康の大切さを再認識
- 執筆者の横顔:
- (1)会社員、(2)5,000人~、(3)40代前半、(4)、(5)、(6)平成17年7月 (1ヵ月間)
子育ては大変
匿名
私は、娘が生後6ヵ月から8ヵ月の間、育休を取得しました。出産後3ヵ月あたりから、妻の体調が芳しくなり、主治医から静養を勧められたのがきっかけです。
妻は専業主婦だったので、まさか自分が育休を使うとは全く想像していませんでした。自分とは無縁と思っていたので制度自体よくわからず、進行中のプロジェクトは?復帰後のポジションは?人事評価は?生活費は?と不安が募るばかりでした。周囲に相談しようにも、会社全体でも経験者が数人しかいない状況だったので、「さぁどうしよう」という感じでした。
思い切って上司に相談したところ、「正直言って、今プロジェクトから抜けると困る。ただ止むを得ない事情なので調整をつけよう。手続きは、部下に取得した人がないのでよく判らないが、人事部と相談しながら決めていこう!」といってくれました。
次に、仕事を休むので金銭面の問題が立ち塞がりました。初め、会社で推進しているのでてっきり補助がでると安易に思ってました。ところが、蓋をあけてみると失業保険からの補助、しかも支給は半年後・・・。しかし、幸いなことに、両親の家を借り住んでいたので家賃がかからない。それなら数ヵ月はなんとか休めと思い、とにかく、育休をとらなければいけない状況でしたので、「どうにかなる!」と腹をくくり、取得を決意しました。結局、上司と相談してから1ヵ月後に私の育休生活が始まりました。
育休中は、料理以外の家事と育児を担当しました。最初の1週間は、要領がわからず、妻に注意されながらなんとか乗り切ったという感じでした。一番つらかったのは夜にミルクを上げるのに2時間毎に起きることでした。睡眠が細切れになり、寝不足で疲れがたまる一方で、昼は掃除、洗濯、買い物、娘の食事、お風呂、オムツ替えなどなど。さらに追い討ちをかけるように、離乳食を始めた娘がご飯を食べてくれないなど難題が次々出てくる。仕事をしているほうが、どんなにラクかと思い、改めて、体調を崩しながらも育児をしてきた妻の偉大さを知りました。
また、育休で父親が休むということは世間では珍しいようで、娘が発熱して病院に連れて行ったときは、すごく親切にしてもらいました。また、事情を知らないご近所の人たちが『もしかしかしてリストラされたの?』とウワサしているのを小耳に挟んだりもしました。
育休を取得してから3年経ちますが、この経験が家族に対する意識を変えました。
家事や育児がどれだけ大変か身をもって分かったので、復帰後もできるだけ手伝うようにしています。また、家族の健康の良し悪しが生活のすべてに作用すると感じ、家族を大切にする気持ちが強くなりました。成り行き上で取得したのですが、本当に良い経験をしたと強く感じています。
最後に、私の場合、金銭面、職場の理解等の環境が整っていたので助かりましたが、そうでないケースのほうが多いと思われます。現に、周りでは私しか取得者がいません。今後、育休取得の推進をする上で、更なる改善が必要と思います。