パパの育児休業体験記 5-11

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パパの育児休業体験記

育休をきっかけにワーク・ライフ・バランスを実現。それが仕事へのモチベーションを高めている

執筆者と家族の写真
執筆者の横顔:
(1)会社員、(2)5,000人~、(3)30代後半、(4)30代後半、(5)本人・妻・子2人、(6)平成20年1月~4月(4ヵ月間)

僕が育休で得たもの

堀川 佐渡さん

 6年前の長男の時から育休を取りたいと考えていたが、準備と覚悟の不足で断念。次男の時はその反省を活かし、産休・育休の妻からバトンタッチして平成20年1月から生後3ヵ月の次男のために育休を取った。理由としては2人の息子の立ち会い出産で感動を得ながら、なかなか毎日の育児に主体的に関与できていなかった自分への反省、妻への感謝、自分のキャリアを見直したいという気持ちもあったが、「どんなものかやってみたい!」という好奇心が一番大きかった。
 職場では元々パパぶりをアピールして「パパキャラ」を定着させていたので、逆に応援して送り出してもらえて嬉しかった。それよりも妻から「育休取る=『主夫』になるんだから、当然あたしが会社から帰ってきたらちゃーんと晩ご飯できてるんだよね?」とか「家事育児のメイン担当としての重圧を思い知るがいいわ。フフフ」とか「でも家事育児をカンペキにこなされるとそれはそれで腹立つわね」などのプレッシャーを沢山もらった。
育休主夫となってからは、朝5時起床・夜25時就寝という生活で、朝昼晩の食事の準備から掃除洗濯買い物雑用、そして次男のお世話に没頭した。(中学時代3年間は自分でお弁当を作るルールを設けてくれた両親に対して、今更ではあるが感謝した。)でもせっかくなので家事育児をやりつつも、『パパならではの育児』を楽しんで行うことを毎日の目標にした。
 真冬の少しの日差しを見つけては、毛布でぐるぐる巻きにした次男をベビーカーに乗せて片道1時間程度の散歩にわしわしと出かけて行ったり、会社後輩の「ママ友」と子連れランチしたりした。さらに区が主催する離乳食教室に唯一のパパとして参加してみたり、念願だった公園デビューを目指して近くの公園を3~4カ所ハシゴして回ったりもした。(いたのはペット連ればかりだったが。)中でも最高にゴキゲンだったのは、公園のベンチで日向ぼっこしながらの缶ビール!!
 そしてこの幸せな日々を忘れないようにと毎日ブログにやったことを書いていたら、それが縁でTV取材を申し込まれたりして、念願の公園デビューをTVカメラ付きで達成したりもした。こんなことばかりしていたので、妻から「あなた本当に育休楽しそうね」と羨ましがられたりもしたが、本当に楽しかったのだから仕方ない。
 このように気ままに過ごしながらも、実は常に子どものことを第一に考えながら生活を組み立てる(ミルクやお昼寝の時間を軸に他のスケジューリングを行う)・・・そんな当たり前のことを毎日繰り返すことで、自分の中における子どもや妻を大切に思う気持ちが以前よりも更に大きくなっていることに気づいた。今まで感じていた家族とのつながり、一体感が更に増したような、と言えばいいだろうか。これが僕自身にとって、育休で得た一番大きな収穫だったように思う。
 そしてこの育休を一つのきっかけとして、僕は自分のキャリアも大きく進路変更した。それまではIT業界の会社で営業現場の仕事を主にやっていたのを、育休取得直前に人事部内にあるワーク・ライフ・バランス推進部門に異動願いを出したのだ。育休を取ることによるキャリアへの悪影響を心配するよりも、家族との将来をなおざりにして仕事だけを優先させるような働き方を見直したいとかねてから思っていたのだが、せっかく育休を取ったのだからトコトンその道に行っちゃえ!と考えたのだ。
 幸いにも異動は認められ、役員以下の異動挨拶にもベビーカーに次男を乗せた「子連れ狼」スタイルで臨んだ。このため僕のパパキャラは以前にも増して強固なものとなり、復帰して半年が経つ今も、毎日ほぼ定時には会社を出て次男を保育園に迎えに行くスタイルで家庭と仕事の両立をさせてもらっている。この点では今でも会社に非常に感謝しているし、このことが自分の仕事へのモチベーションを高め、自分と会社がWin-winの関係になれていると感じている。
 このように、僕は育休を取ったことによって「家族との一体感」と「キャリアの見直し」という二つの収穫を得ることができた。人それぞれ考えや価値観は違うと思うが、僕は人から育休について聞かれたら「すっごく楽しいから、取らなきゃ損だよ」と自信を持って取ることを勧めている。

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