内閣府仕事と生活の調和推進室 発行
Office for Work-Life Balance, Cabinet Office, Government Of Japan
■□ カエル! ジャパン通信 Vol.1 □■
創刊のごあいさつ
≪目次≫
平成21年度 子育てを支える「家族・地域のきずな」フォーラム 岩手大会【内閣府】 他
★≪有識者インタビュー Vol.1≫
「男性の介護実態と家族介護支援の課題について」
働き盛りの男性であっても、明日から親の介護をする必要に迫られるかもしれません。
今回は、企業において第一線で働いている男性たちの働き方を考える上で、重要な要素であるにもかかわらず、これまであまり意識されることのなかった男性の介護の実態についてお話を伺いました。
「高齢化社会に対応して、2000年に始まった介護保険制度も10年目を迎えようとしています。以前は家族介護の担い手といえば女性が中心でしたが、今は男女問わず、仕事があろうとなかろうと、その場に居合わせた者が介護者の役割を担わざるを得ない状況です。」
「在宅介護には、期間の長期化、介護者と要介護者双方の高齢化・重度化という新たな問題が生じています。そして、要介護者本人もその家族も深い葛藤の中に置かれています。男性介護者による不幸な事件……高齢者虐待や介護心中、介護殺人など……はその顕著な例といえるでしょう。」
「日本では、要介護者の8割以上が在宅で、家族とあるいは一人で暮らしています。家族にはそれぞれの歴史や事情があり、『自分たちの手で何とかしたい。』と思っている人も少なくありません。家族の関係に目をつぶったままでは、介護がうまくいくはずがない。私は、本人支援と同時に、家族介護者をも視野におさめたケア、つまり家族介護者支援の必要性を強く感じます。」
「老老介護やシングル介護、週末介護など、介護の形が多様化し、若くて体力のある介護者ばかりではなくなってきました。高齢化し孤立化、閉塞化する介護。これを立て直すためには、まずは、介護の現場で起きていることを『見える化』していくことが必要です。」
「一方で、介護というと負担感ばかりが目立ちますが、調査からは違った一面も見えてきます。それは、介護を行う中で、介護者たちがそこに生きがいさえも感じるようになっているという点です。そして、そうした自分の体験を、意味あるものとして捉え直したり、『誰かに聞いてもら いたい……』と考えている人も少なくありません。家族介護者の集いや介護体験記などを通して、多くの人たちと一緒に介護感情を分かち合い、 さらには、地域の『経験知』として蓄えていく……そんな取組みが求められています。」
「企業でも経験知を蓄えていくことが重要です。介護休業制度やテレワーク(在宅勤務制度)を導入しているものの、取得が伸びず、ニーズすら掴みきれていないというのは、やはり経験知が不足しているからでしょう。」
「自分だけは介護者にならない、と思うのは大きな間違い。介護と仕事をどのようにやりくりしているのか、社員の実例を集め、社内セミナーなどで介護問題を抱えた人たちの生の声を聞いてもらってはどうでしょうか。また、自治体などの支援制度について大まかにでも知っておくことも大切です。あらかじめ備えがあるのと、備えがないまま介護の場面を迎えるのとでは大きく違いますから。」
★関連情報★
2009年3月に発足した男性介護者と支援者の全国的なネットワークづくりを行っている団体です。津止教授が事務局長を務めています。会報には男性介護者たちの様々な介護体験が掲載されています。
http://dansei-kaigo.jp/
全国の介護に携わる男性たち152人から寄せられた喜怒哀楽に満ち満ちた介護体験記
http://dansei-kaigo.jp/clm/column/tpcs/1250668451.html
【男性介護白書】
全国調査に基づき、家族介護者の4人に1人を占める男性介護者たちの実態を明らかに。
★≪統計・調査トピックス≫
過去10年間に2週間以上、家族の介護をしたことのある人のうち、半数近くの46.7%の人がそのために仕事を「休んだことがある」と回答しています。その際に、正社員で「年休を利用した」人は61.4%、「介護休業制度を利用した」人は20.0%(複数回答)。
介護を「したことがある」・「現在している」人のうち、「介護と仕事をうまく両立できている」のは23.2%、「仕事と介護のどちらも中途半端で不満がある」のは22.7%、「仕事の影響があり介護に満足していない」又は「介護の影響があり、仕事に満足していない」のは17.7%となっています。
http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/doko/h1507/subindex.html
調査方法:郵送による調査票の配付・回収
有効回答回収率:81.5%(2,444人)
2006年10月以降の1年間に「家族の介護・看護のため」に仕事を辞めた雇用者は、129,400人であり、同時期に離職した全雇用者の2.0%となっています。
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2007/index.htm
2007年度における介護休業取得者数は、常用労働者の0.06%となっています。男女別に見ると、男性は0.03%、女性は0.11%。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-19.html
http://www.jil.go.jp/institute/reports/2006/073.htm
★≪最新情報≫
【内閣府】
開催日時:2009年11月3日(火)
開催場所:いわて県民情報交流センター アイーナ
https://www8.cao.go.jp/shoushi/kizuna/forum/iwate.html
開催日時:2009年11月15日(日)
開催場所:福井県生活情報館 ユー・アイふくい
https://www8.cao.go.jp/shoushi/kizuna/forum/fukui.html
青森 開催日時:2009年11月12日(木)
※12月以降は、広島、大阪、名古屋、福岡で順次開催
※開催時間はいずれの会場も16:00~18:00
「父親のワーク・ライフ・バランス応援サイト」はこちら
http://www.papa-wlb.jp/
~第3回 ワーク・ライフ・バランス大賞 表彰式~
【(財)日本生産性本部】
開催日時:2009年11月16日(月)
開催場所:如水会館 スターホール
http://www.jisedai.net/new/conference03.html
「仕事と生活の調和推進プロジェクト」に参画している企業の取組状況について連載スタート。第一回は電通。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/sigoto-seikatu/relay.html
【厚生労働省】
(調査結果概要)
仕事と家事・子育ての優先度の希望と現実をみると、正社員男性の58.4%、正社員女性の52.3% が希望としては「仕事と家事・子育てを両立」させたいと考えているが、現実は、男女ともに「仕事優先」の割合が高くなってしまっている(男性74.0%、女性31.2%)。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/09/h0929-1.html
「短時間正社員制度」を導入する際の成功の五つのポイントや、制度の導入・定着を支援する助成金について解説しています。
http://tanjikan.mhlw.go.jp/manual/index.html
http://tanjikan.mhlw.go.jp/manual/assist.html
≪編集後記≫
https://form.cao.go.jp/wlb/opinion-0001.html
このままご返信いただけませんのでご了承ください。
https://wwwa.cao.go.jp/wlb/e-mailmagazine/tetsuzuki.html
https://wwwa.cao.go.jp/wlb/index.html
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